キュレーションサイトとは

・ キュレーションサイトとは、報道機関のニュース記事やブログのエントリー、SNSの投稿など、インターネット上にあるさまざまな情報を独自の基準で集め、ユーザーに提供するwebサイト。元の情報をそのままの形で提供するサイトもあれば、集めた情報を分解・再構成して新たな記事として提供するサイトもある。特に後者は「まとめサイト」と呼ばれており、サイトで提供している記事が他者の著作権を侵害している例が多数指摘されているため、社会的な問題となっている。

・ 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営しているキュレーションサイト「WELQ」は、2015年にスタートして以来ヘルスケア情報を提供していたが、医療に関する根拠のない情報を掲載しているなどの指摘が外部から寄せられたため、2016年11月に「WELQ」の全記事を非公開とした。加えて、掲載している記事が他者の著作権を侵害しているという懸念から、同年12月、DeNAが運営する全てのキュレーションサイトの記事が非公開となった。

・ DeNAは、問題の特定および原因の究明を目的とした第三者委員会を設置。2017年3月に公表された調査報告書によって、DeNAのキュレーションサイトにおける一部の記事において、著作権法・薬機法・医療法・健康増進法に違反している可能性が認められ、医療に関する倫理的な問題があったと認定された。

引用に関する法的要件

・ いわゆる「まとめサイト」と呼ばれるキュレーションサイトの多くでは、一般のユーザーがライターとして「まとめ記事」を投稿できるようになっている。ライターはテーマに添って、他者によるブログのエントリーやSNSの投稿から文章・画像を引用して記事を作成するが、引用の方法が不適切であれば「無断転載」として著作権法に違反する可能性が生まれる。

・ 著作権法第32条には以下のように記載されている。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

(引用元:e-Gov|著作権法

・ 「公正な慣行」や「正当な範囲内」とは、一般的に、引用する先が「主」で引用元が「従」でなければならないと考えられている。すなわち、自身で執筆する記事が質的・量的にメインであり、引用する文章・画像は記事を補強する材料に留まらなくてはならないのである。

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キュレーションサイトの法的な問題

・ しかし、キュレーションサイトに投稿されている「まとめ記事」の多くは、上記の引用要件を満たしていないと考えられている。「まとめ記事」は、ほぼ他者の著作物の引用のみで構成されており、「主」と呼べる部分がないからである。

・ そのため、自身の著作物をキュレーションサイトで不正に利用されたとして、インターネット上で告発したり、キュレーションサイトに抗議したりする人が増えている。たとえば、執筆やコンサルティングを行う株式会社エコーズの代表取締役社長である牛嶋将太郎氏は、自身のブログにおいて、牛嶋氏が著作権を有する文章・画像が、複数のキュレーションサイトで無断転載されている事実を検証した。

・ キュレーションサイトの「まとめ記事」は、インターネット上の膨大な情報のなかから自分が知りたい情報のみを手軽に入手できるとして人気がある。しかし、「まとめ記事」が作成される背景に、上記のような無断転載の可能性が潜んでいることは、忘れるべきでないだろう。

(参考)
コトバンク|キュレーション
ハフィントンポスト|キュレーションメディアのiemo・MERYに50億円を投じた経営責任 ~DeNAの謝罪会見を解説~
ITmedia NEWS|NAVERまとめに無断転載“された”側の訴え……「抗議への対応に驚愕」
ITmedia NEWS|DeNA、キュレーション問題で関係者処分 「iemo」村田マリ氏・「MERY」中川綾太郎氏辞任
WEDGE Infinity|キュレーションメディアの課題を噴出したWelq事件
Yahoo!ニュース|DeNAキュレーションメディア問題はこれで幕引きで良いのか
毎日新聞|破綻した“下流”キュレーションビジネス
おまスキャ|RETRIPは出典すらない完全なる「盗用」も!ブログ画像を無断転載(パクリ)しているキュレーションサイトを調査
朝日新聞デジタル|グーグルが検索表示順を変更 質低いサイト防げるか?
株式会社ディー・エヌ・エー|第三者委員会調査報告書の全文開示公表のお知らせ
株式会社ディー・エヌ・エー|第三者委員会調査報告書(要約版)公表のお知らせ
毎日新聞社|引用して利用する場合には、いろいろな条件を守る必要があります
e-Gov|著作権法