自転車シェアリングとは

・ 自転車シェアリングとは、多くの人が自転車を共同利用する仕組みのこと。バイクシェアリング、シェアリングサイクル、コミュニティサイクルなどとも呼ばれる。

・ 自転車シェアリングの利用者は、決められたエリア内に複数設置されたサイクルポート(専用駐輪場)で、共用の自転車を乗り降りする。利用後の自転車は、目的地付近にあるサイクルポートに返却すればよく、貸出場所まで返却しに行く必要はない。この点で、貸出場所に返却させる方式はレンタサイクルと呼ばれ、区別されることがある。

・ 民間企業と自治体との協業で運営されることが多い。料金はサービスによって異なるが、1回のみの利用の場合、30分や1時間単位(100円前後)で利用料金が計算される。他には、1日パス、月額会員など、いくつかのサービスが用意されている。

海外、日本における自転車シェアリングの広まり

・ 自転車シェアリングは、欧米で先行事例が見られる。初めての自転車シェアリングはオランダ・アムステルダムで1960年に登場し、その後2000年前後より欧米の都市部で自転車シェアリングが普及していった。主な目的は、交通渋滞の緩和や二酸化炭素排出削減による環境対策。ニューヨークの「Citi Bike」、ロンドンの「Santander Cycles」、パリの「Velib’」などが知られる。

・ 最新の自転車シェアリングサービスとしては、2016年5月よりフィンランド・ヘルシンキで始まった「City bikes」という取り組みが注目されている。欧米を中心に、自転車シェアリングは公共交通機関のひとつとして捉えられるようになってきている。

「City bikes」の特徴は、情報検索や決済において、地下鉄・バス・路面電車・フェリーといった従来の公共交通機関とシームレスに統合されている点。

たとえば、ヘルシンキ地域交通局の公式ルート検索アプリ「Journey Planner(ジャーニー・プランナー)」で出発地と目的地を指定すると、バイクシェアリングを含む、すべての公共交通機関から、最短の移動ルートを検索できる。

(引用元:TECHABLE|電車・バスとシームレスにつながる次世代の自転車シェアリングサービスが誕生!

・ 日本でも近年、環境対策に加え放置自転車の削減策として、自転車シェアリングの社会実験や事業化の取り組みが広がっている。仙台市、さいたま市、横浜市などの大都市や、東京都内では世田谷区や江戸川区など、様々な自治体が個別に自転車シェアリング事業を進めている。

・ 最近になって、自治体をまたいでの自転車シェアリング事業が展開され始めた。東京都が2014年12月に、誰にでも利用しやすい交通体系を構築するという政策指針を打ち出し、その中で、自転車シェアリングを区の境を超えて相互利用できるようにすることについて言及した。これにより2016年から、複数の区による広域実験が行われている(この実験について、詳しくは次の項目で述べる)。

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ドコモによる自転車シェアリング広域実験

・ 2016年2月1日、千代田区、中央区、港区、江東区の4区と、東京都、そしてNTTドコモと子会社のドコモ・バイクシェアが共同で、自転車シェアリングの相互利用のための広域実験を開始した。ドコモ・バイクシェアとは、2015年2月創立の自転車シェアリング事業を手がける会社。当初、実験期間は4月30日までの予定であったが、5月以降も当面の間続けられることとなっており、2016年10月には新宿区が参加した。また、大田区も参加を目指して2016年度内に試行開始する。

・ 広域実験における自転車シェアリングは、次のような仕組みで行われている。(なお、以下の説明は新宿区が参加する前のものなので、「4区」となっている。5区になってからも料金体系などは変わらない)

4区のいずれかで会員登録をしていれば、自動的に4区のどのサイクルポートでも貸出と返却が可能になる仕組みを構築した。利用者は、4区のサイクルポートを相互利用することで、116カ所のサイクルポートと、1115台(2015年12月1日現在)の自転車を利用することができる。利用料金は、個人向けの「月額会員」が2000円/月、「1回会員」が150円/回、「1日パス」が1500円/日(いずれも税別)。法人会員プランもある。

(引用元:新・公民連携最前線|自転車シェアリングの相互乗り入れを実証、2月から都内4区で

・ 自転車シェアリングの広域実験の目的は、本格的な越境利用を実現させることを視野に入れ、自転車の貸出と返却をスムーズに行う体制を整えることや、サイクルポート間での自転車の偏りを緩和することなどに向けた検証を行うこと。また、都環境局地球環境エネルギー部環境都市づくり課の担当者は、自転車シェアリングの広域化の狙いについて次のように話している。

「自転車はCO2の削減からも、非常に有効な乗り物です。そうした観点からも、都は以前から利用促進に努めていました。特に、観光などで街を細かく移動する手段として自転車は有効ですし、ビジネスシーンでも近隣の取引先に書類を届けに行く、事務用品を買いに行くといったちょっとした用事で使うことは頻繁にあります。東京23区の地域特性から見ても、区をまたいで移動することは決して珍しくありません。そうしたことから、都は区の垣根を越えて自転車をシェアできる、広域相互利用に取り組んでいるのです。」

(引用元:THE PAGE|日本でも定着?新宿区が自転車シェアリング開始 港など5区内貸し借り可能に

・ 同課によれば、6月~7月18日までの間で、4区全体の自転車シェアリングの利用回数は、広域化前の調査(1月)に比べ2.5倍増であった。また、区の境を越えての利用は全体の20%を占めていた。2~3月の調べでは14%であったので、増加傾向がみられているという。

・ 自転車シェアリング事業のシステム管理には、NTTドコモが構築した通信ネットワークが活かされている。ドコモは、2008年から札幌で自転車シェアリングの研究に取り組んでおり、2011年には横浜、2012年以降江東区、千代田区、港区へと事業エリアを拡大させてきた。2016年には中央区での事業を開始し、エリアが地続きとなったため、広域実験が可能となった。

ひとつの自転車をシェアするには、運営事業者が「何台の自転車が貸し出されているか」「どこの駐輪場に使用されていない自転車があるのか」といったことを常に把握しなければなりません。ひとつの自治体だけで自転車シェアリングを実施するのにも、管理体制を構築しなければなりません。複数の自治体で相互利用をするとなったらシステムは複雑化します。

さまざまな難題をクリアして広域相互利用が実現した理由は、大手通信事業者のドコモが運営やシステムの管理をしているからです。

(引用元:同上)

・ 今後、自転車シェアリングが普及していくことにより、日本でも欧米のように公共交通機関の一部としてとらえられるようになることが期待されている。ドコモ・バイクシェアの坪谷寿一社長は、2020年東京オリンピックを目途に、自転車シェアリング事業の目標と展望について次のように述べている。

「面的広がりを成長と見るか、あるエリアを密にやるべきか。我々としてはまずは、現在実施している東京都心部のサービス品質をより高めていくことを重視しています。台数が増えれば当然、管理も品質維持も大変になりますが、我々の事業としてエリア密度は非常に重視していて、密度が高まることでどこでも見られる、乗れる、といういいフィードバックループが生まれてくると考えています」

(引用元:マイナビニュース|ドコモがサイクルシェアリング事業に参入した理由

(参考)
コトバンク|自転車シェアリング
コトバンク|コミュニティ・サイクル
TECHABLE|電車・バスとシームレスにつながる次世代の自転車シェアリングサービスが誕生!
新・公民連携最前線|自転車シェアリングの相互乗り入れを実証、2月から都内4区で
自転車シェアリング広域実験
日本経済新聞|都内の自転車シェア、利用エリア拡大 新宿・大田区も導入
THE PAGE|日本でも定着?新宿区が自転車シェアリング開始 港など5区内貸し借り可能に
マイナビニュース|ドコモがサイクルシェアリング事業に参入した理由