男性育休とは

・ 男性育休とは、男性が育児休暇を取得すること。また、男性が取得する育児休暇。2017年5月、厚生労働省によって平成28年度雇用均等基本調査の結果速報が発表された。それによれば、女性の育児休暇取得率は81.8%だった一方、男性の育児休暇取得率は3.16%であった。男性育休の取得率は前年度の調査結果(2.65%)より0.51ポイント増加したものの、低調であることに変わりはない。この調査結果が発表されたことにより、男性育休の取得について、インターネット上を中心にあらためて議論がされている。

・ 少子化問題の対策の一環として、政府は男性育休の取得率の向上をはかっている。2010年には厚生労働省の主導で「イクメンプロジェクト」が発足し、セミナーを開催したり公式サイト上で育児休業制度について解説したりなどの活動を行っている。また、2015年に内閣府の主導で開始された「さんきゅうパパプロジェクト」においては、男性育休取得の重要性などを説明する「さんきゅうパパ準備BOOK」の公開やシンポジウムの開催といった企画が行われた。しかし、これらの活動にもかかわらず、男性育休の取得率は依然として低く、厚生労働省が設定した「2020年度までに13%」という目標の達成は困難だとみられている。

男性育休の取得率の低さ

・ 育休の取得は、労働者の性別に関係なく、育児・介護休業法によって認められている。それにもかかわらず、上述した平成28年度雇用均等基本調査においては、女性の育休取得率と男性の育休取得率には78.64ポイントもの開きがあった。また、育児休業の取得期間については、平成27年度雇用均等基本調査において女性で最も多かったのが「10か月~12か月未満」(31.1%)だった一方、男性で最多だったのが「5日未満」(56.9%)で、育休の取得率だけではなく取得日数も男性のほうが大幅に少ないことがわかった。

・ 男性育休の取得率が低い背景には、男性が育休取得を申請することをためらう職場の「雰囲気」があるといわれている。2015年に行われた「仕事と家庭の両立支援に関する実態把握のための調査研究事業」において、育休を取得しなかった理由について男性で最も多かった回答が「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから」(26.6%)である。男性育休取得の基盤は法的に整備されているものの、「雰囲気」がそれを阻んでいるため、上述した政府の取り組みやNPO・個人の活動によって、男性育休に対する世間のイメージが変わることが期待されている。

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男性育休の経験談

・ 実際に育休を取得して、その経験談をインターネットなどを通じて広く発信することにより、男性育休について多くの人に知ってもらおうと試みる男性もいる。子どもに関する問題に取り組むNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏は、自身のブログTwitterを通して、2人の子どもを育児する様子を伝えている。駒崎氏は、第二子の育休に入る際、ブログ内で以下のように語った。

僕自身、生まれたばかりの子どもと時間を共にしながら、出産で大きな負荷がかかった産後の妻をサポートしたい、という気持ちがあり育休を取ります。
しかしそれだけではありません。
激務の仕事(例えば経営者とか)だと、子育てにはあまり関われないし、育休も取れない。そういう「一般的なイメージ」をぶち壊したいからです。

(引用元:駒崎弘樹公式サイト|二回目の育休への意気込み

・ 情報サイト「ASCII.jp」で家電コーナーを担当する盛田諒氏は、8週間の育休を取得し、育児の様子を「男子育休に入る」という連載コラムで伝えている。コラムの第8回で、男性育休の利点について盛田氏は以下のように話した。

育児を男女平等にできるのが最大の良さです。家庭は従業員2名が主に運営する非営利団体です。(中略)「赤ちゃんが眠れなくて泣いていたら抱っこをする」「赤ちゃんがお腹をすかせて泣いていたらミルクをあげる」という業務のOJT研修を2人で受けたことで、運用が安定するようになりました。(中略)育児ビギナー同士、ともに汗を流して経験値を稼げたのはとても良いことでした。

(引用元:ASCII.jp|男が育休を取って良かったこと

(参考)
育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト
厚生労働省|平成28年度雇用均等基本調査(速報)
厚生労働省|平成27年度雇用均等基本調査
内閣府|さんきゅうパパプロジェクトについて(啓発ツール、イベント等)
内閣府|男性の配偶者の出産直後の休暇取得に関する実態把握のための調査研究事業 【概要版】(PDF版) 平成28年度 内閣府委託調査研究
ハフポスト|100人中3人しか取得しない男性育休の現状
ハフポスト|男性の育休取得率を爆上げできる、2つの方法
日本経済新聞 電子版|男性の育休取得率3.16% 16年度、過去最高
ASCII.jp|男が育休を取って良かったこと
駒崎弘樹公式サイト|二回目の育休への意気込み