「誰でもできる仕事」とは

・ 「誰でもできる仕事」とは、実業家として知られる堀江貴文氏が、2017年10月12日、Twitter上で保育士という職業に対し行った発言。堀江氏は、「なんで保育士の給料は低いと思う?」と題された朝日新聞の記事へのリンクを掲載しつつ、上述の発言を投稿した。当該ツイートは10月18日までに3,000回以上リツイートされ、600件以上のリプライがつけられるほど物議をかもし、いわゆる「炎上」状態となった。

・ 上述した堀江氏の発言に対しては、「保育士は国家資格の取得が必要」「子供の心と身体を育てて下さる大変な仕事」であるなどとして、「誰でもできる仕事」ではないとの反対意見が相次いだ。それに対して堀江氏は「ある程度の学力ありゃとれる資格は誰でも取れる資格」「仕事が大変なのと給料が安いのは関係ない」と述べ、「感情論で反論するな」と一蹴した。

・ 堀江氏が言及した朝日新聞の記事中には、2016年における保育士の平均賃金は月額22万3,000円で、全産業平均より11万円も低いと記載されていた。堀江氏は、保育士の給与が少ないことについての自身の考えを以下のように表明した。

大変だから給料が高くあるべきってのは間違いな訳。そして誰でもできる仕事でも大変な仕事はたくさんあるわけ。そしてそういう仕事は給料高くならない。高くしたいなら業務効率化すればいい。タクシー運転手だってそれだけど、稼いでいる人とそうでない人は収入倍以上違う。

(引用元:Twitter|堀江貴文(Takafumi Horie)

NPO法人理事・駒崎弘樹氏による反対意見

・ 子どもに関する問題全般に取り組むNPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹氏は、堀江氏の「鋭い知性についてはリスペクト」していると前置きしつつ、保育士の給与が少ないのは「誰でもできる仕事」だからではないと反対意見を表明した。駒崎氏によると、保育園の経営は一般的なビジネスと異なり、人材の需要と供給のバランスによって保育士の給与が決定されるわけではないという。なぜなら、保育園の収入は預かる子どもの数に比例しており、子どもの数が定員に達すると収入が「頭打ち」となるためだ。そのため、「給与引き上げの原資となる利益も頭打ちとなり、給与の引き上げは構造的にしづらい」のだと駒崎氏は話した。

・ また、「法的に最低人員配置基準を決められている」「放置され続ける子どもが増えるだけ」という理由で、保育士の数を減らして一人あたりの給与を増やすこともできないという。以上の事情から、保育士の給与を増やす方法は「補助金を増やすこと」だと駒崎氏は結論づけた。

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現役保育士による賛成意見

・ 堀江氏の「誰でもできる仕事」という見解に対し、現役保育士として保育士に関する情報を発信しているヨーコ氏は「仰る通り」と賛同した。そして、昨今の保育園では幼稚園のような教育も重視されているとして、「英語を話せる」「幼児の体操教諭資格を持っている」といった付加価値のある人材が評価され、「お給料を上げたければ、+αを身につけた上できちんと評価してもらえる園で働けばいい」と主張した。

・ またヨーコ氏は、保育士の業務は効率化できると述べた。そのひとつが「壁面装飾」である。壁面装飾とは、保育室の壁に貼られる、紙や布で作られた装飾。一般的に、季節に応じたものを保育士が製作するが、この作業には大幅な時間が割かれていると考えられる。ヨーコ氏は「子どもの活動に直接関わることならともかく、壁面装飾にそれほどの時間をかけるべきではない」と断じ、自身の勤務する保育園では「造形遊び」として保育時間内に子どもが作ったものを壁に飾っていると述べた。

(参考)
Yahoo!ニュース|保育士は「誰でもできる仕事」か
Twitter|堀江貴文(Takafumi Horie)
ほいくSee!|ホリエモン「保育士は誰でもできる」発言!保育士の私から言わせてください
朝日新聞デジタル|「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環