電動アシスト付ベビーカーとは

・ 電動アシスト付ベビーカーとは、モーターの補助によって押しやすくなるベビーカー。2017年9月7日、経済産業省が「電動アシスト機能を付加した6人乗りのベビーカー」について、道路交通法および道路運送車両法における「軽車両」に該当するため、車道もしくは路側帯を通行する必要があると発表した。同12日、自動車情報サイト「レスポンス」がこの件を「電動アシスト付ベビーカーは『軽車両』…車道を通行し、警音器を設置 グレーゾーン解消」というタイトルで報道し、当該記事が「Yahoo!ニュース」で配信されると、多くの人の目に触れ、同記事に対し1,000件以上のコメントが殺到した。当該記事のタイトルにより、あらゆる電動アシスト付ベビーカーが車両を通行しなければならないのだと解釈した人が多かったとみられ、経済産業省に対する批判がインターネット上で噴出し、「炎上」状態となった。

・ 経済産業省が軽車両だと発表したのは、朝日新聞によると、海外製品の輸入を検討している事業者から問い合わせのあった特定の「電動アシスト機能を付加した6人乗りのベビーカー」である。しかし、上述のような誤解が発生し、経済産業省には9月13日の朝から問い合わせの電話が殺到したという。

・ 9月14日現在、「レスポンス」が公開していた記事のタイトルは「電動アシスト付ベビーカーは『軽車両』になる場合も…車道を通行し、警音器を設置 グレーゾーン解消」に変更され、「当初の表記が曖昧で、すべての電動アシスト付ベビーカーが対象と読める表現になっていました。修正して再公開いたします」との「おわび」が追記された。また、「Yahoo!ニュース」で配信されていた当該記事は削除され、修正を加えた記事が13日昼に配信された。

電動アシスト付ベビーカーの法的位置づけ

・ 電動アシスト付ベビーカーの法的位置づけが明確に示されたのは、2015年である。経済産業省は、「電動アシスト機能を有するベビーカー」が道路交通法上の「小児用の車」に該当するか否かの問い合わせが事業者からあったと発表した。道路交通法第2条によって、軽車両は以下のように規定されているため、通常のベビーカーは軽車両に該当せず、歩行を通行することができる。

自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。

(引用元:e-Gov|道路交通法

・ 事業者からの問い合わせに応じて、関係省庁が検討したところ、以下の条件を満たす電動アシスト付ベビーカーは「小児用の車」とみなされ、通常のベビーカーと同様に歩道を通行できると決定された。

1. 車体の長さ120センチメートル、幅70センチメートル、高さ109センチメートルをそれぞれ超えず、かつ、鋭い突出部がない。
2. 自走機能を有さず、搭載する電動機が人力補助と速度抑制を行うにとどまり、運転速度を高める機能を有していない。
3. 人力補助は時速6キロメートルを超える速度で行われない

(引用元:経済産業省|電動アシストベビーカーと道路交通法の関係が明確になりました~産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用~

・ 上記の基準をもとに、事業者から問い合わせのあった特定の「電動アシスト機能を付加した6人乗りのベビーカー」について検討が行われた。その結果、朝日新聞によれば、基準の大きさを上回っていたため、当該製品は軽車両だと判断されるに至った。

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電動アシスト付ベビーカー炎上騒動への反応

・ 電動アシスト付ベビーカーをめぐって「炎上」が発生したことについて、複数のメディアが経済産業省に取材を行った。「現在把握している限りでは国内で電動の大型ベビーカーは生産されておらず、保育現場などへの影響も考えにくい」「『照会のあった』『当該電動アシスト付ベビーカー』と『当該』の文字を何度も使っておりますので、これほどまで話題になるとは思いもしませんでした」といった同省担当者の所感が報道されている。

・ ソーシャルメディア上では、電動アシスト付ベビーカー炎上騒動について「読者に誤認を与える」「わざと誤解を招く書き方にしていて非常に悪質」とwebメディアを批判する意見が多く見られた。また、webメディアによる記事を読んで経済産業省を批判した人たちに対し「少し冷静に」と自制を呼びかける人もいた。

(参考)
経済産業省|電動アシスト付ベビーカーに関する道路交通法及び道路運送車両法の取扱いが明確になりました~産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用~
経済産業省|電動アシストベビーカーと道路交通法の関係が明確になりました~産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用~
レスポンス|電動アシスト付ベビーカーは「軽車両」になる場合も…車道を通行し、警音器を設置 グレーゾーン解消
Yahoo!ニュース|本当に「電動アシスト付ベビーカー」は車道? 経産省が突然、発表した理由
J-CASTニュース|電動アシスト付きベビーカーは「車道へ出ろ」? 誤解が猛拡散、経産省担当者も困惑
朝日新聞デジタル|電動ベビーカーは車道へ? 経産省回答が発端、物議
e-Gov|道路交通法