「ドローン型社員」とは

・ 「ドローン型社員」という言葉は、2016年3月23日に日本生産性本部の「職業のあり方研究会」が発表した言葉。調査結果に基づき、2016年度の新入社員の特徴として名付けた。

・ 2016年春の新卒入社に向けての就職活動は、大きな混乱を伴うものだった。就職活動日程が従来のものから変更となった中、企業がその日程を守らないケースや、「オワハラ(※)」という問題も発生。調査では、そうした困難を乗り越えたのが、2016年度の新入社員であると分析されている。

(※オワハラ…就職活動終われハラスメント。他社よりも早く内定を出し、就職活動を終えて入社を決定するよう、学生に迫ること。)

・ こうした就職活動情勢を踏まえて「ドローン型社員」と名付けられた2016年度の新入社員の特徴とは、以下のようなものである。

強い風(就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化)にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定を確保)できた者が多かった。さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる。内外ともに社会の転換期にあるため、世界を広く俯瞰できるようになってほしい。なお夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワークライフバランスへの配慮や適性の見極め)も必要。
(中略)
使用者(上司や先輩)の操縦ミスや使用法の誤りによって、機体を傷つけてしまったり、紛失(早期離職)の恐れもある。また、多くのものは充電式なので、長時間の酷使には耐えない。

(引用元:公益財団法人日本生産性本部|調査研究 平成28年度 新入社員のタイプは「ドローン型」

・ また、将来性についても大きな期待が寄せられている。

東京オリンピックを迎える頃には情報収集、映像制作、警備、輸送など様々な場面で活用が見込まれる。転換期にある社会の中で、世界を広く俯瞰できるよう高く飛び立ってほしい。

(引用元:同上)

過去の「○○型社員」

・ 日本生産性本部は、社会経済の調査研究を行う団体。新入社員の特徴や就職・採用環境について調査研究を行い、昭和48年以降毎年、新入社員のタイプを発表している。前年や、それより少し前に流行した言葉が当てはめられることが多い。

・ 研究発表を長年続けているほか、有益な情報発信を行う団体が発表しているワードなので、信頼性が高く、メディアにも取り上げられやすい。

・ 過去の新入社員のタイプの一例と、とその特徴は次の通り。(日本生産性本部の平成28年度プレスリリースより、まとめ)

‐ 平成27年度 「消せるボールペン型」
見かけはありきたりなボールペンだが、書き直しができる機能(変化に対応する柔軟性)に活用価値がある。使い勝手が良いからといって酷使しすぎると、インク切れ(離職)のおそれも。

‐ 平成26年度 「自動ブレーキ型」
知識豊富で敏感。就職活動も手堅く進め、そこそこの内定を得ると、壁にぶつかる前に活動終了。何事も安全運転。どこか馬力不足。

‐ 平成25年度 「ロボット掃除機型」
段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることも。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要。

‐ 平成20年度 「カーリング型」
ブラシでこすり続けないと、止まったり方向違いの恐れがある。

‐ 平成18年度 「ブログ型」
ネット上で他者に自己認知や共感を求める一方で、他人の評価で萎縮しやすい傾向も。暖かい眼差しと共感が必要。

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「○○型社員」に対する意見

・ キャッチコピーとして優れていて、話題性がある。

世の中の多くの人は「今年の新入社員はドローン型」とか言われると、「なにそれ?」と思って食いつくことが多い
(中略)
「何言ってんだこいつ」と思う方は思う方で、「何言ってんだこいつ」という言い方で、この話題に関わっているわけですし、なんやかんやで人を引き付けるだけのキャッチコピー力がある

(引用元:名古屋のブロガー社労士の日記|今年の新入社員は「ドローン型」とかいうこじつけが侮れない理由

・ 常に若者を分析し、「意識高い系」という言葉を一般に定着させた評論家の常見陽平氏も、時代を反映した絶妙な表現と、メディアへの露出を勝ち取る手法を称賛している。

毎年、感動する。もはや名人芸である。

(引用元:BLOGOS|今年も新人は「新人型」 ドローン型と呼ぶその前に

・ こじつけに過ぎないし、レッテル貼りはやめるべきだという批判の声もある。

「今年の新入社員のタイプ」は、日本全国の新入社員すべてまるごと「一般化」しています。ひとつのラベルを張ることで、偏った見方、思い込みを広めるだけです。もういい加減、やめてもらいたい

(引用元:Yahoo!ニュース|いい加減やめてもらいたい「新入社員のタイプ」発表……今年は「自動ブレーキ型」

(参考)
公益財団法人日本生産性本部|調査研究 平成28年度 新入社員のタイプは「ドローン型」
公益財団法人日本生産性本部|新入社員のタイプ発表文2016
名古屋のブロガー社労士の日記|今年の新入社員は「ドローン型」とかいうこじつけが侮れない理由
Yahoo!ニュース|いい加減やめてもらいたい「新入社員のタイプ」発表……今年は「自動ブレーキ型」
瓦版|2016年の新人は「ドローン型」
BLOGOS|今年も新人は「新人型」 ドローン型と呼ぶその前に