EdTechとは

・ EdTech(エドテック)とは、教育とICT技術を融合させて生み出す新しい教育サービスのこと、および、そのビジネス領域のことを指す。EdTechの主軸にあるのはインターネットで、EdTechのサービスとして様々なオンライン学習システムがある。「ICT教育」とも呼ばれる。対象は幼児から大人まで幅広い。

・ EdTechと似ている言葉として、以前より「eラーニング」がある。eラーニングとEdTechの定義について明確な線引きはなく、おおよそ同じような意味合いを指す言葉として使われることが多い。EdTechを含めて、ITを活用した教育全体をeラーニングと称することもあり、定義には多少幅があるが、違いを説明するならば次のとおり。

- eラーニング:動画などの形でデジタル化されているだけの教材を使った学習。(例:自宅学習用のDVDを見る、オンラインではない学習ソフトを使って勉強する、など)

- EdTech:インターネット経由で双方向のやり取りをしながら行う学習。(例:ウェブカメラを使ってオンラインで講師と学生がやり取りする、SNSを利用して学生から質問を集めて講師が回答する、など)

EdTechの具体的な手法と学校教育

・ インターネットを活用したEdTechのサービスの本流の一つと言われるのがMOOC(ムーク。Massive Open Online Coursesの略)。MOOCとはオンラインで無料で受けられる大規模講義のことを指し、高度な教育を無料(または安価に)受けることができる仕組み。2006年にアメリカで開設されたKhan Academy(カーンアカデミー)がそのパイオニアである。Khan Academyの認知度が上がるにつれ、2011年頃からは他のMOOC用プラットフォームも登場した。インターネット上で誰もが無料で大学教育のような高水準の教育を受けることができる環境が広まり、2013年頃からシリコンバレーなどで注目されるようになった。

・ 日本でも、JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)が公認する形でいくつかのプラットフォームが存在し、受講登録することでMOOC形式の授業を無料で受けることができる。

・ 日本の学校教育においては、政府の方針で、2020年までに小・中学校の児童・生徒にタブレットを配布し、教科書や授業をオンライン化する計画が進められており、すでに取り組みを始めている現場もある。今後は、デジタル教材の拡充はもちろんのこと、既存の教育にプラスして教育の質を高めるためのEdTechの深化が求められる。そうしたなか、EdTechの普及に資するようなサービスも生まれている。例えば、Googleが2015年から提供している「Google Classroom」は、教員のクラス管理をペーパーレスにして効率化したり、生徒との課題のやり取りや連絡をスムーズにしたりするための無料サービス。2016年3月の資料によれば海外ではすでに1,000万人が利用しており、日本の教育機関でも導入され始めている。

・ 学校教育におけるEdTechについては、インフラ環境(学校・生徒の自宅共に)の整備と、教員のITリテラシーの向上が課題となる。

・ 現在、スマホ用の勉強アプリが数多くリリースされているが、これもEdTechの一つの形である。受験知識を一問一答で覚えるアプリや、英単語を覚えるためのアプリなど、ゲーム感覚で学習できる多種多様なアプリが開発されている。STUDY HACKERでは、学びに役立つアプリを紹介しているほか、英語リスニング専用の特訓アプリを独自に開発しリリースしている。

■学びに役立つアプリの紹介:STUDY HACKER|EdTech
■リスニング特訓アプリ『Listening Hacker

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ビジネス教育におけるEdTech

・ EdTechは、学校教育だけでなくビジネス教育においても注目されており、社員教育として導入する企業は多い。企業の人事部などが、社員教育用のプラットフォームと自社に合ったコンテンツを開発して社員に学ばせる。社員は、隙間時間や通勤時間などに、スマホやタブレットを通じて業務知識を学ぶことができる。集合教育や実地研修では教育しきれない知識を学ぶ機会にしたり、予習・復習の機会にしたりすることで、教育の効果を増大させることが主な狙いである。

・ 例えば楽天では、楽天市場の店舗向けに店舗運営ノウハウを提供する楽天大学を2000年より開き、eラーニング形式・講演会形式の教育を行っている。これに加えて2011年からは、新入社員向けの入社前事前教育をEdTech形式で実施している。SNS型のプラットフォーム「ナレッジドライバー」を構築。社員は、知識を学ぶだけでなく、課題の解答をナレッジドライバーに投稿して人事部のチェックを受けたり、新入社員同士でコメントし合ったりする。人員拡大によるミスマッチを防ぐ目的や、事業拡大によりますます難しくなる業務理解をスムーズにすることが狙いである。

(参考)
CNET Japan|「eラーニング」から「EdTech」へと変化するデジタル教育市場
日本経済新聞|EdTech(エドテック)
リセマム|EdTechとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
CNET Japan|“EdTech”は企業内教育を劇的に変える
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