遠隔診療とは

・ 遠隔診療とは、テレビ電話やインターネットを通じた映像通信によって、医師が患者を診察し、薬を処方すること。患者は、パソコンやスマートフォンなどの端末とインターネット環境があれば、病院に行かなくても医師の診察を受けられる。2015年8月に、事実上の解禁となった。

・ 1997年に厚生労働省が通知を出して以降、遠隔診療は限定的な条件下で認められてきた。その条件とは、離島やへき地の患者であることや特定の慢性疾患(糖尿病や喘息、高血圧など)の患者であることなど。遠隔診療はあくまでも例外と位置付けられていたため、全国で遠隔診療を手掛ける病院は18か所、診療所でも544か所しかなかった(厚生労働省2014年調査)。

・ しかし、現在ではITが高度化しインターネットが普及していることから、政府の規制改革会議が厚生労働省に遠隔診療の規制見直しを求め、遠隔診療の解禁にむけ検討が進んだ。厚生労働省は、2015年8月、離島やへき地、また特定の慢性疾患といった条件はあくまで例示であり、遠隔診療の限定的な条件ではないことを明確にし、遠隔診療を事実上解禁した。

・ 解禁後も、遠隔診療の診療報酬は対面診療に比べて低かったため、そのことが普及を阻む原因であるとされてきた。しかし2016年11月、早ければ2018年度の診療報酬改定で遠隔診療の診療報酬が対面診療と同様の体系に引き上げられることが決まった。

・ 現在、ITベンチャーなどが遠隔診療に関わるシステム開発に相次いで参入しているほか、遠隔診療を行う医療機関は数百か所にまで増えている(2016年9月)。遠隔診療関連サービスの国内の市場規模は、2020年度には2016年度比で約2.5倍の192億円に拡大する見通し。遠隔診療の普及、関連ビジネスの拡大が期待されている。

・ 遠隔診療を活用すれば患者が通院にかける手間が省けるため、忙しい人や病院嫌いの人でも、高血圧・糖尿病などの生活習慣病やアレルギー性疾患などの治療に取り組みやすくなる。しかし、便利さの一方、遠隔診療が普及すると医師の診察を受けることが先延ばしされがちになる恐れがあるのではないかとの指摘もある。

遠隔診療の流れ

・ 遠隔診療では、すべての診察を遠隔で行えるわけではない。初診、および急性疾患については直接の対面診療の必要がある。したがい、患者は、通院できる範囲の医療機関を選んで遠隔診療を受けることとなる。

「通院」を前提としているのには理由がある。保険診療を受ける場合、初診は必ず対面でなくてはならない。「血液検査や触診など病気を診断する上で対面診察は欠かせない」(島氏)ためだ。さらに、検査などのための定期的な対面診察も必要になる。遠隔診療を利用する場合でも体調や病状が優れないときには、実際に医療機関で受診した方がよい場合もある。

(※島氏とは、医療機関向け遠隔診療システムを提供する株式会社メドレーの島佑介執行役員)
(引用元:NIKKEI STYLE|ネットでどこでも受診 遠隔診療、利用法や注意点は

・ 遠隔診療は、具体的には以下のような流れで進む。

診療所によって診療のやり方は違いますが、まず来院時に遠隔診療を希望するかどうか相談します。患者はインターネットのサイトから予約し、その予約日に自宅などでビデオチャット機能を使って医師の診断を受けます。スマホを使うことも可能です。

会計もオンラインでクレジットカードなどを使って済ませます。処方箋が数日以内に自宅に届き、調剤薬局へ処方箋を出して薬を受け取るという流れです。医療機関の中には調剤薬局と連携し、患者の自宅まで処方薬を届ける仕組みを整えているところもあります。

(引用元:ZUU online|持病を抱える忙しいビジネスマンに朗報! 広がる遠隔診療サービス

・ 例えば、2015年11月に遠隔診療を始めたお茶の水内科(東京)では、症状が安定していると医師が判断した患者に対し遠隔診療を実施。働き盛りの人を中心に30~60代の患者が月に100人以上利用している。また、遠隔診療関連のシステムを開発するベンチャー企業としては、以下のような例が挙げられる。

医師紹介を手掛ける「MRT」(東京)はIT企業と組み、スマートフォンで医師の診察を受けられる「ポケットドクター」という事業を(2016年)4月から開始する。全国約1300の医療機関が参加する。初診は対面の必要があるが、2度目以降はテレビ電話で受診でき、保険も適用される。

一定の料金を払うと医師に健康相談できる保険外のサービスも加える考えで、今後3年で1万医療機関の参加を目指す。

(引用元:毎日新聞|どうすれば安全安心 遠隔診療、事実上の解禁 端末通して医師と会話

(参考)
NIKKEI STYLE|ネットでどこでも受診 遠隔診療、利用法や注意点は
毎日新聞|どうすれば安全安心 遠隔診療、事実上の解禁 端末通して医師と会話
ZUU online|持病を抱える忙しいビジネスマンに朗報! 広がる遠隔診療サービス
日本経済新聞|遠隔診療、対面と同額報酬に 政府方針
神戸新聞NEXT|スマホOK、薬は宅配 「遠隔診療」じわり浸透
yomiDr.|テレビ電話で遠隔診療…便利だけど、それで十分か?
シード・プランニング|2020年の遠隔診療関連サービスの市場規模を予測
厚生労働省|情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について