eスポーツとは

・ eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、格闘ゲームやガンシューティングゲーム、サッカーゲームのような対戦型のコンピューターゲームをスポーツ競技としてとらえ、プロのプレーヤーが賞金をかけて勝負したり、対戦の様子を観客が観戦したりすること。

・ eスポーツは、世界各国ではすでにブームとなっている。海外では1990年代にすでにゲームのスポーツ化が加速し、コンピューターゲーマーたちのためのプロリーグが作られていた。eスポーツという言葉が使われ始めたのは2000年頃。海外では、大会参加者から集めた参加費などをもとに入賞者に賞金を出す大会が主流で、総額数億円規模の賞金を出す大規模な大会が開催されている。eスポーツで活躍するプロのゲーマーは、腕を磨きながら大会を転戦し、プロスポーツ選手さながらに賞金やスポンサーからの収入で生活している。スタープレーヤーには大勢のファンが付くほど、観戦者側も熱狂する。世界では対戦映像(主にネット配信)の視聴者数は、マスターズゴルフやバスケットボールのNBAファイナルを上回る。

・ eスポーツの先進国と言われるのは、アメリカと韓国。アメリカで開催されている格闘ゲームで世界最高峰と言われる大会「Evolution Championship series」では、2015年の賞金総額が30万ドル(約3,700万円)を超え、1万人以上が参加した。また、韓国では、プロゲーマーは子どもの憧れる職業の上位に入っているという。2016年8月には、リオデジャネイロオリンピックに合わせ、「eGames」というeスポーツの世界大会が開催される。eGamesはスポンサー、賞金共になく、スポーツマンシップをかけて争う競技性の高いイベントとなる。

・ 日本でeスポーツが広まり始めたのは、ここ数年内のことである。日本では、優れた家庭用ゲームは早くから広く普及していたものの、その分「ゲームとは家の中で遊ぶもの」というスタイルが出来上がってしまっていた。そのため、ゲームの腕を磨いて収入を得たり、プロプレーヤーたちの対戦を見て楽しんだりするeスポーツは、日本のゲーム文化の中では浸透しにくかった。

・ 近年、日本でもeスポーツの参加・観戦のための専用会場が作られたり(例:2014年に秋葉原にオープンした「e-sports SQUARE」)、eスポーツ体験ができるスマホアプリがリリースされたりして(例:2015年より配信の「ワンダーリーグ」)、eスポーツが一部の人だけでなく幅広い層に広がり始めている。また、日本eスポーツ協会(2015年4月発足)のようなeスポーツ関連の業界団体も発足し、同協会が主催する「第1回日本eスポーツ選手権大会」が2016年3月に開催されるなど、eスポーツの普及が推し進められている。2016年には、eスポーツ選手や運営スタッフを育成する専門コースを新設する専門学校も登場した。

・ eスポーツの大会を開催すると、一般のスポーツ興行と同様に、大会でのチケット販売やテレビ・ネット放映権料、スポンサー収入などから収益が生まれる。大会を含むeスポーツ関連ビジネスはプロの投資家からも注目されており、遅くても3年後までには大きな流行になり、100兆円程度の市場規模になるとの見立てがある。

日本におけるeスポーツの実態

・ 2015年2月、日本初のプロゲーマーチームとして「DetonatioN Gaming(デトネーション・ゲーミング)」が発足した。このチームは、選手やコーチ、マネジャーを含め33人から成り、フルタイム・給与制のもと、選手は共同生活しながら腕を磨いている。2015年の1年間で、スポンサー収入によって1億円以上を調達した。

・ eスポーツの代表的なゲームは、サッカーゲームの「FIFA16」、ガンシューティングの「カウンターストライク」、チーム制で敵の拠点を破壊する「リーグ・オブ・レジェンド」、格闘ゲームの「ストリートファイター」など。PlayStationなどのゲーム機やパソコンを使って対戦する。プロゲーマー同士が大会会場で腕を競い合ったり、オンライン対戦したり、観客を交えたオフラインの大会が開催されたりしている。観客は、対戦会場で直接観戦することもできれば、インターネット配信動画によって観戦することもできる。日本では、賞金総額1,000万円前後の大会がゲームメーカー主導で開催されているというが、世界の規模には遠く及ばないのが現状。

・ 日本においてeスポーツの担い手を増やすためには、ゲームにおける「プロ」とはいったい何なのかが分かりにくいという課題を乗り越える必要がある。現状、ライセンス制度などはなく、プロのゲーマーがどのようにして大会に参加し生計を立てているのかは、一般の人からは見えにくい。また、プロのゲーマーには、大会で活躍する以外に、ゲーム開発会社に所属して新製品を試遊し、効率よく確実に不具合を探す仕事などもある。あまりよく知られていないプロのゲーマーの進路について周知させることも課題である。

(参考)
日本eスポーツ協会|eスポーツとは
日本経済新聞|日本でもブレイク機運、メジャーになるか「eスポーツ」
日本経済新聞|「eスポーツ」躍動の兆し ゲームで競技、プロも続々と
日本経済新聞|プロゲーマーが競う「eスポーツ」 日本でも普及なるか
日本経済新聞|普及へ前進「eスポーツ」 プロチームや専門学校も
東洋経済ONLINE|要は「必要以上に現金を持つな」ということだ
ASCII.jp|日本プロeスポーツ連盟(JPeF)設立 プロゲーマーの興行ビザ取得も実現
GameSpark|英国政府支援のe-Sportsイベント「eGames」発表、リオ五輪と同時開催