ファンタジースポーツとは

・ ファンタジースポーツとは、プロスポーツチームのゼネラルマネージャーになったつもりで、実際のプロスポーツリーグに所属する実在の選手から好きな選手を選んで自分だけの空想(fantasy)のチームを作り、選手たちが実際にあげた成績を自チームに反映させ、その成績を他の参加者と競うゲーム。アメリカ発祥のゲームで、主に海外で流行している。

・ 実在する選手の実際の成績がゲームに影響するのが、ファンタジースポーツの大きな特徴。例えば野球であれば、ホームランやヒットの数、三振を奪った数などが点数となり、獲得ポイントの合計を他の参加者と競い合う。そのため、情報を分析して実際に活躍しそうな選手を見極める力が必要となる。

・ ファンタジースポーツは、無料で参加できるものと、参加料制で成績の優秀な参加者に賞金で還元するものに分かれる。近年アメリカで特に流行しているのはデイリー・ファンタジー・スポーツ(DFS)というタイプで、5~25ドル程度の手頃な参加料で、宝くじのような気軽さで参加できるもの。DFSは1試合のみを対象にしているので、シーズンを通して選手の成績動向に注視して分析し続けるような手間がかからないため、気軽に参加する人が増えている。

・ ファンタジースポーツは1960年代に一度考案されていたが、選手の成績の管理や統計が容易でなかったため、当時はマニアの娯楽の域を出るものではなかった。現在のファンタジースポーツの原型は1980年代に確立されたと言われている。それは、選手の実際の成績と連動したポイントシステムが発明されたことによるもので、以後、インターネットの普及やDFSの盛り上がりなどにより、ファンタジースポーツのプレイヤーが急増した。

・ アメリカでは、野球やアメリカンフットボール、バスケットボールなど、様々な種目のファンタジースポーツが普及しており、うち7割はアメリカンフットボールが占める。スポーツマーケティング会社のトランスインサイト社長、鈴木友也氏はその普及規模について次のように解説(2015年11月の情報)。参加者数の増加により賞金総額も増えており、優勝賞金100万ドルが用意されているファンタジースポーツもある。

ファンタジー・スポーツ事業協会(FSTA)によると、米国でのユーザ数は約3200万人で、彼らが年間平均で467ドル(約5万6000円)をゲーム関連サービスに費やし、総額150億ドル(約1兆8000億円)の一大市場を形成しています。米国で最も大きなプロスポーツである米プロフットボールリーグ(NFL)の市場規模が100億ドル超であることを考えると、その大きさがお分かりになると思います。

(引用元:日経ビジネスONLINE|グーグルも投資するファンタジー・スポーツとは

・ しかし日本では、ファンタジースポーツは普及していない。日本でも1995年以降複数の企業により普及が試みられたが、参加者数が伸びず、多くのサービスが数年の間に終了となった。2011年11月に、Yahoo!が2009年で一時休止していたサッカーを題材にしたファンタジースポーツのサービスを再開するも、2015年12月に再び休止するなど、日本ではアメリカのようにファンタジースポーツがなじむ文化でないことがうかがえる。

流行のファンタジースポーツに潜む問題点

・ ファンタジースポーツに関しては、最近になっていくつかの問題が起きている。まず挙げられるのは、ファンタジースポーツ業者によるスキャンダル。DFS事業の2大企業の1つ、ドラフトキングスの従業員が、2大企業のもう一方であるファンデュエルとの間で次のような問題を起こしていたことが発覚し、検察当局や米連邦捜査局(FBI)による捜査対象となった。

ニューヨーク・タイムズ紙は10月5日の記事で、ドラフトキングスの従業員が自社の内部情報を用いてライバル企業ファンデュエルのゲームに参加し、35万ドル(約4200万円)の賞金を獲得していた事実を暴きました。その後の調査により、同社の複数の社員がファンデュエルから合計約600万ドル(約7億2000万円)の賞金を得ていたことが明らかになっています。

(引用元:同上)

・ また、ファンタジースポーツは賭博か否か、という論争も激しさを増している。アメリカではスポーツを対象にしたギャンブルは原則禁止されているが、ファンタジースポーツの業者らは、次のような理由からファンタジースポーツは違法ではないと主張する。

ファンデュエル社とドラフトキング社の創業時からのスタンスは、あくまでもこれはギャンブルではなく、データ収集や試合の研究を要する“スキルゲーム”であり、“運”に頼るものではないと主張している。

(引用元:NFL JAPAN.COM|ファンタジー・スポーツはギャンブルか?

・ しかし、1試合のみを対象としたDFSの場合、選手が1つの試合で出すパフォーマンスに、どの程度情報分析の技量が問われるのかは微妙である。そのためDFSは、年間を通したファンタジースポーツと比べてギャンブル性が高いと考えられるようになってきている。

・ こうした問題を背景に、ファンタジースポーツは違法ギャンブルだと捉えられる傾向が強まっている。全米2位のオンラインギャンブル市場をもつニューヨーク州では、2015年12月、DFSの2大企業ファンデュエルとドラフトキングが取引停止となった。今後、ファンタジースポーツ全体の合法化、または違法化がどのように進められるのか、注目が集まっている。

(参考)
日経ビジネスONLINE|グーグルも投資するファンタジー・スポーツとは
THE SPORTS BUSINESS|ディズニーが300億円投資!?盛り上がりを見せるファンタジースポーツとは?
Wikipedia|ファンタジーベースボール
NFL JAPAN.COM|ファンタジー・スポーツはギャンブルか?
DIAMOND IT&ビジネス|好きな選手で架空チームを編成、現実の成績が得点に アメリカでビジネスとしても大成功の人気ゲーム“ファンタジー・スポーツ”は日本でも流行るか?
ハーバー・ビジネス・オンライン|米国スポーツ界も激震! これはゲームか違法賭博か?
日経ビジネスONLINE|DFS訴訟はスポーツ賭博容認に向けた序章
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