フィンランド教育とは

・ フィンランドで行われている教育の制度は、世界各国から手本にされている。教育の質の高さは、子どもの学力が世界でトップクラスであるということに現れており、OECD(経済協力開発機構)が2000年から3年毎に、15歳児を対象に実施しているPISA(学習到達度調査)では、毎回上位にランクインしている。

・ フィンランドで教育が重視されるようになったのは、1970年頃から始まった教育改革による。それまでフィンランドには、旧ソ連の影響で、小学校以上の教育を受けられない子どもが多くいた。加えて、フィンランドは国土が小さく天然資源にも乏しい。こうした状況から、人材こそが財産であるとの考えに立ち政府が教育に大きな投資をするようになった。現在の教育制度の根幹には、教育の機会を平等に与えることを最重要視する政府の姿勢が貫かれている。

フィンランド教育の特徴

・ フィンランドの教育の特徴として、以下のような点が挙げられる。

- すべての教育が無料:

フィンランドでは、就学前教育から高等教育まで、子どもはすべての教育を無料で受けることができる。無料の範囲とは給食や教材費も含む。(一部、教材費を生徒側が負担する教育課程もある。成人が教育を受ける場合は有料となる。)

フィンランドでは小学校にあがる前の一年間、任意で学ぶことができます。
基本的義務教育は7歳から16歳まで。16歳以上の教育は任意となり、高等学校で3年~4年、もしくは職業学校で2年~5年学ぶことができます。その後の高等教育は、大学や応用科学大学(ポリテクニック)で受けることができます。以上、いずれも無償です。

(引用元:フィンランド大使館、東京|フィンランドで学ぶ

- 16歳までテストは行わない:

16歳までの基礎教育の間、テストは一切行われない。教師は、国が定めたガイドラインにのっとり子どもを日々評価しており、子どもがテストという競争にさらされることはない。教育の平等を徹底する国の教育方針のもと、教師は、落ちこぼれの子どもが発生しないよう、学習の到達具合が低い場合には補習を行いフォローしている。1クラスは20人程度の少人数で、教師の目を行き届かせ、一人一人を細かく評価できるようになっている。

- 学習時間が少ない:

昼食を除く学校での1日当たりの休憩時間は平均75分。日本やアメリカの休み時間は30分弱と言われている。また、年間の授業日数は190日で、世界でもっとも少ない。

- 高等教育のレベルの高さ、教師の質の高さ:

義務教育を終えると、高等学校か職業学校に進む。その後、高等教育として大学かポリテクニック(応用科学大学)に進む道が用意されているが、入学者数には制限がある。フィンランドで高等教育の学校に入るための選考を通過することは、大変厳しいものである。

大学やポリテクニックに入学するのは容易なことではありません。2012年、大学入学を希望者した76819人のうち入学許可を得たのは22815人でした。ポリテクニックは入学希望者が102595人、うち、37404人が入学許可を得ました。

(引用元:同上)

また、フィンランドで教師となるためには、修士号を取得していなければならない。これは、フィンランドでは教師に自主的な采配を与えていることから、高度なトレーニングが必要とされているためである。さらに、教師こそが教育の要であるという認識のもと、教師になってからの養成・研修も重要視されており、どの教育課程に携わる教師も、毎年研修に参加する必要がある。

例えば初等教育の教師の教育の希望者のうち、わずか10%ほどが合格できるにすぎない。専門教科の教師に関しては、科目によって異なり、合格率は10~50%である。職業訓練校での教師育成に関しては、全応募者の30%が合格する。

(引用元:FINNISH NATIONAL BOARD OF EDUCATION|フィンランド教育概要

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フィンランドの教育改革

・ フィンランドは、2016年9月より教育改革をスタートした。改革の大きな目的は、グローバル化する社会の中で、問題に対応する能力を身につけさせるため。フィンランド教育庁によれば、新たな教育課程の中では次のようなことが重視される。

「新教育課程の柱となっているのは、肯定的な感情を生み出す経験、共同作業、他人との交流、そして創作的な活動を向上させる学習です」

(引用元:THE HUFFINGTON POST|学力世界トップレベルのフィンランドで教育が大きく変わる 3つのポイント

・ 例えば、1年間のうち少なくとも数週間は実例に基づいた教育を実施することを義務付ける。歴史や経済を別科目として教えるのではなく、EUについて学ぶ時間の中でEUの歴史や経済を学ぶ、という授業が行われるようになる。

・ また、新教育課程では、生徒たちが教室でどう机を並べて座るかも変わる。コミュニケーション能力の向上をはかることを狙いとし、グループに分かれて座り授業を受ける。

・ フィンランドの教育は世界トップと言われるが、進化を続けている。教育改革における新教育課程の責任者であるイルメリ・ハリネン氏は次のように述べている。

「世界で一番と言われるフィンランドの教育制度をなぜ変える必要があるのか、と聞かれることもありますが、教育を取り巻く環境も、社会が必要としている能力も急速に変化しています。その変化にあわせて教育も変えていかなければなりません」

(引用元:同上)

(参考)
フィンランド大使館、東京|フィンランドで学ぶ
Wikipedia|フィンランド
国立教育政策研究所|OECD生徒の学習到達度調査~2012年調査国際結果の要約~
FINNISH NATIONAL BOARD OF EDUCATION|フィンランド教育概要
excite.ニュース|世界で一番素晴らしい教育、「フィンランド」の教育システム4つの特徴
こそだてハック|フィンランド式教育とは?世界1位の教育水準を生み出す制度の特徴は?
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CLASE|日本にフィンランド式教育は有効か
THE HUFFINGTON POST|学力世界トップレベルのフィンランドで教育が大きく変わる 3つのポイント
The Asahi Shimbun GLOBE|[Part1] 現場に任せPISAトップに 学校に裁量、教師にやる気/Finland