副業とは

・ 副業とは、本業以外で収入が発生する仕事。インターネットを利用した副業が半数を占め、例えば株式投資、アフィリエイト、FXなどが挙げられる。夜間や休日に行う飲食業・販売業などでのアルバイトも副業にあたる。

・ 安倍晋三首相は、2016年9月の「働き方改革実現会議」第1回において、「働き方改革」を強く進めていく必要を語った。長時間労働をはじめとした日本の慣行に改革を促すため、国会に関連法案を提出し、ワーク・ライフ・バランスの改善によって「一億総活躍社会」の実現を目指す考え。首相は働き方改革のテーマの1つとして「テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方」を挙げた。

・ 2016年10月の第2回「働き方改革実現会議」では、従来の型にとらわれない柔軟な雇用形態を通して労働者の能力を引き出すことが議題になった。「副業・兼業はオープンイノベーション(※)や起業の手段としても有効」であると安倍首相が発言したことにより、副業の有用性に注目が集まっている(※オープンイノベーションとは、社内外の技術やアイディアを組み合わせて革新的な価値を生み出すこと)。これを受けて世耕弘成経済産業相が設置した「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」では、副業の促進について議論が行われつつある。

副業が増加した背景

・ 人材派遣会社エン・ジャパンが、2015年に自社の派遣サイト利用者に行った調査では、現在副業を持っている人が17%、過去に副業経験のある人が40%で、計57%の人がこれまでに副業を持ったことがあると回答した。これは、2008年の調査開始以来過去最高の数字であり、副業従事者は増加傾向にあることがわかる。

・ また、同調査では副業の理由についてもアンケートを取っている。副業に従事する理由の第1位は副収入を得るため(67%)であり、副業を持つ人の多くが収入の低さを補う目的で副業を行っていることが読み取れる。

・ 副業が増加した理由の一つには、ITの発達によって個人ビジネスを始めやすくなったことが挙げられる。例えば、インターネットを介して財産・技術の貸し借りを行うシェアリングエコノミーが近年日本でも広がっており、個人が収入を得られる手段は多様化しつつある。

・ 個人が副業として行えるネットビジネスの一例として、いわゆる「Amazon輸出」が挙げられる。Amazon輸出とは、日本で仕入れた商品を海外のAmazonに出品して販売し利益を出すビジネス。日本の製品は人気があるため、Amazon輸出で日本の製品を取り扱えば、努力や工夫次第で月に何百万円も売り上げることができる。入門書が複数出版されており、ネット副業の間口を広げているといえる。

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副業のメリット・デメリット

・ 2015年に株式会社リクルートキャリアが発表した、副業制度について企業に回答を求めるアンケートによると、回答企業の約85%が副業を認めていなかった。そのような状況で、2016年2月に大手製薬会社のロート製薬が「社外チャレンジワーク」と銘打って社員の副業を容認したことは驚きをもって迎えられた。この決定を、社会保険労務士の榊裕葵氏は高く評価する。

会社が副業を認めることで、社員は副業が発覚して問題にならないかどうか神経をすり減らす必要もなくなり、安心して本業にも打ち込むことができるようになる。会社の本業にとってもプラスの影響が見込めるであろう。

(引用元:東洋経済ONLINE|ロート製薬の「副業解禁」が示す本当の意味 無用におびえる社員が減り、会社も潤う

・ さらに榊氏は、副業が個人と企業の双方にもたらすメリットを強調する。

社員が副業を通じて社外で経験や体験を積むことにより、視野が広がり、斬新なアイデアが社内にもたらされることは、ロート製薬の経営方針に合致し、また、企業の競争力や生存力の強化という観点からも、決してマイナスではないであろう。このことは、ロート製薬のみならず、多くの会社においても、副業のもたらすプラスの効果として、同様に考えてもよさそうだ。

(引用元:同上)

・ また、副業が認められれば、社員は収入の増加で経済的基盤を強化できるのみでなく、本業以外での成功によって自信をつけることができる。複数の肩書で働く考えは「スラッシュキャリア」と呼ばれ、異なる専門分野を持つことで人材としての希少性増大につながる。本業に加え副業にも従事することは、自分の技術や経験に厚みを持たせ、自分だけの価値を生み出すことになるため、副業はキャリア形成の考え方のひとつとしても注目されている。

・ このように、自身の経験を豊かにし、収入も得られる副業だが、留意しなければならない点もある。まず、本業の労働に加えて副業を行えば、総労働時間は長くなり、過重労働に陥ることが懸念される。疲労によって健康を損ない、生産性が低下してしまえば本末転倒である。また、自分の所属する企業が就業規則で副業を禁じている場合、発覚すれば懲戒解雇になる恐れがある。副業で年に20万円以上の所得を得ていれば確定申告も行わなくてはならない。副業を始める前に、自身の健康と収入についてよく考える必要があるといえる。

(参考)
新刊JP|ネット時代の副業で利益を出すために必要なこと
新刊JP|大企業で起きている「副業革命」 一つの場所にい続けるべきではない理由とは
MMD研究所|副業をしているビジネスパーソンは14.0% うち、約半数が「インターネットを使った副業をしている」と回答
マイナビニュース|なぜ副業をしてはいけないの? – 弁護士に聞いた
エン・ジャパン|4000人以上に聞いた、ダブルワーク意識調査 ダブルワーク経験者は57%で過去最高に。―『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果―
Zuu online|サラリーマンの副業 超えなければならない「壁」とは?
Zuu online|再び注目される副業-人事実務からみた課題と方向性
PRESIDENT Online|「副業OK」はむしろ我らに犠牲を強いる
東洋経済ONLINE|ロート製薬の「副業解禁」が示す本当の意味 無用におびえる社員が減り、会社も潤う
日本経済新聞|副業新時代 私も「二刀流」
日経ウーマンオンライン|法律相談所「副業の定義って?」
時事通信|副業・兼業推進で研究会=世耕経産相が表明
時事通信|労働政策、新たに構築=35年、AIが働き方変える-厚労省有識者懇
首相官邸|平成28年10月24日 働き方改革実現会議
経済産業省|平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業 報告書
中小企業庁|兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会(第1回) 配布資料
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