ガソリン車禁止とは

・ ガソリン車禁止とは、化石燃料を使う自動車の生産や販売を禁止すること。2017年9月11日、ガソリン車やディーゼル車といった、化石燃料を使用する自動車の生産・販売の規制を中国政府が検討していると、複数のメディアが報じた。すでにフランスや英国などの国が、将来的なガソリン車禁止を発表していることもあり、日本が乗り遅れないかとの不安などを背景に、ガソリン車禁止が話題となった。同12日、Twitterにおいて「ガソリン車禁止」はトレンドに入った。

・ 2017年7月、2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止することがフランス政府によって発表されたことは、驚きをもって迎えられた。目的は、二酸化炭素の排出削減。同月、英国政府も、ガソリン車とディーゼル車の販売を2040年から禁止することを発表した。ガソリンやディーゼルエンジンを使うハイブリッド車の販売も、2040年までに終了するという。

ガソリン車禁止のメリット

・ ガソリン車の生産・販売を禁じることによって生まれる最大のメリットは、化石燃料を燃やすことで生じる二酸化炭素の排出量が減り、自然環境の改善につながることである。2015年、パリで「気候変動に関する国際連合枠組み条約第21回締約国会議」が開催され、「世界の平均気温の上昇を産業革命前の 2℃未満に抑えること」などを定めたパリ協定が採択された。フランス政府によるガソリン車禁止の発表は、パリ協定を順守し、地球温暖化対策を進めようというリーダーシップの表明であるといえる。

・ 特にフランスにおいて、ガソリン車禁止による地球温暖化対策は有効であると見込まれる。フランスで使われている電源に関しては、他国と比較して原子力発電の比率が高く、化石燃料が少ないためである。日本原子力文化財団の資料によれば、2015年におけるフランスの「一次エネルギー消費量」は、原子力が41%、石油・天然ガス・石炭を合わせて51%だった。このため、ガソリン車が電気自動車に置き換わると、化石燃料を燃やすことで生じる二酸化炭素の量が少なくなると考えられる。一方、同じ資料によれば、日本における「一次エネルギー消費量」のうち化石燃料は92%にも達し、電気自動車を走行させるためにも一定の化石燃料を必要とすることになる。

eri-840
海外での会食で実感、外国が「理解できる世界に」 90日でTOEICも360点アップの840点!
人気記事

ガソリン車禁止のデメリット

・ ガソリン車禁止は、環境保護の観点から一定のメリットを生むと同時に、デメリットも想定されている。そのひとつが、自動車関連の雇用における悪影響である。毎日新聞によると、「従来の自動車」に使われている部品の数は2万点を超える一方、「簡素な仕組みの電気自動車」であれば1,000点に満たない。ガソリン車禁止が導入されれば、部品を製造するメーカーの雇用にとって打撃になると考えられる。ロイターの報道によると、ドイツのIFO経済研究所は、2030年までにガソリン車を段階的に廃止することで、ドイツにおいて60万人の雇用が失われると警告した。

・ 世界的にガソリン車禁止の動きが活発になることにより、日本の自動車メーカーが競争で不利になるのではという懸念もある。トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、ハイブリッド車の開発において他国のメーカーに先行したものの、電気自動車については欧米・中国の後塵を拝したためである。遅れを取り戻そうと、日本では、電気自動車をはじめとする「次世代自動車」が普及するよう、充電に必要なインフラの整備が進められつつある。新車販売に占める次世代自動車の割合を2030年までに5~7割とする目標が定められており、ガソリン車禁止の流れがこの目標にどう影響するかは不透明である。

(参考)
毎日新聞|脱ガソリン車に動く欧州 日本の対応遅れが心配だ
日本経済新聞 電子版|中国、ガソリン車の生産・販売禁止時期を検討
日本経済新聞 電子版|日本車各社もEVシフト加速 開発・生産で陣営づくり
産経ニュース|中国もガソリン車の生産・販売禁止を検討 日米欧メーカーは対応迫られる
ロイター|アングル:フランクフルト自動車ショーで見えたEV移行の現実
ロイター|英国、2040年からガソリン車とディーゼル車を販売禁止へ=現地紙
日経ビジネスオンライン|フランスがガソリン車の販売を禁止する真の理由
経済産業省|電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金
Twitterトレンド速報|ガソリン車禁止
日本原子力文化財団|主要国の一次エネルギー構成
コトバンク|パリ協定