月面探査レースとは

・ 月面探査レースとは、教育や自然環境などさまざまな分野でコンペを開催しているXプライズ財団によって主催されている、「Google Lunar XPRIZE」を指す。どの団体が最も早く探査装置を月面に着陸させ、500m以上走行させ、地球に高解像度の動画・画像を送信させられるかが競われている。この月面探査レースは2007年に開催が公表され、最終的に5チームが参加していたものの、2018年1月23日、同年3月31日の期限までにどのチームもゴール目標を達成できない見通しが発表された。

・ Xプライズは、参加している5チームと数カ月間の協議を行ったところ、3月31日までに月面探査機を打ち上げられるチームはないとの結論に達したという。Xプライズはこの結果に失望していると述べながらも、参加チームは法人スポンサーなどから3億ドル以上の資金を獲得し、インドやマレーシアなどで数百の雇用が生まれたなどの成果が月面探査レースを通して誕生したと強調した。

月面探査レースの賞金

・ 月面探査レースには、Googleによって3,000万ドルの賞金が提供されていた。探査装置を月面に着陸・走行させ、地球にデータを送信することを最初に達成したチームは2,000万ドルを、2番目に達成したチームは500万ドルを獲得する予定だった。

・ 上記の目標を達成する過程に、複数の「中間賞」も用意されていた。2015年、「着陸」「機動性」「映像」各分野の中間賞として、優れた機能を持つ探査機を開発したチームに賞金が与えられた。上記3種の中間賞は計5つのチームが受賞し、合計で525万ドルが支払われた。日本のチーム「HAKUTO」は「機動性」の中間賞を受賞し、50万ドルの賞金を獲得した。

takashima-ec
苦手だったリスニングを克服し、90日でTOEIC845点ゲット! リスニング練習の「質」を変えた、プロトレーナーのトレーニングメソッド
人気記事

月面探査レースに参加した日本の「HAKUTO」

・ 月面探査レースに参加するには、政府からの援助が総費用の10%を超えてはならないというルールがあった。そのような条件を満たし、最終的に参加登録されていた民間チームが、イスラエルの「SpaceIL」、米国の「Moon Express」、多国籍の「Synergy Moon」、インドの「TeamIndus」、そして日本の「HAKUTO」である。

・ 「HAKUTO」は「TeamIndus」のロケットに相乗りすることを前提とし、月面探査機「SORATO」の開発に注力してきた。「HAKUTO」はKDDIや日本航空などからの後援を受けているほか、複数のクラウドファンディング支援サイトなどを通じて一般人も支援することができた。特に朝日新聞社のクラウドファンディング支援サイト「A-port」では、1,300人以上から約3,400万円もの資金が集まった。

・ 「SORATO」は2017年12月に打ち上げが予定されており(のちに2018年3月へ変更)、12月20日に「TeamIndus」のもとへ到着した。しかし、「TeamIndus」がインド宇宙研究機関からロケット打ち上げ契約を解除されたため、「SORATO」の相乗りが事実上不可能となった。「TeamIndus」が打ち上げ費用を用意できなかったと報道されている。

・ 以上の状況にもかかわらず、「HAKUTO」は2018年1月11日、月面探査レースから離脱する意思はないと発表した。賞金が目的ではないため、支援者の気持ちを無駄にしないためだという。「あらゆる方法を再度見直し、様々な選択肢の中で最も成功率の高い方法を検討」し、「皆様の想いをいかなる手段でも月面に届け」るとのことだ。

(参考)
Google Lunar XPRIZE Home Page
XPRIZE Home Page
HAKUTO
NHKニュース|月は遠かった… 世界初の月面探査レース 勝者なく終了へ
Makuake|日本発の月面探査!サポーターズクラブで一緒に月面を目指しませんか?
A-port|世界初!民間の力で月へ。皆でHAKUTOの月面探査ローバーを打ち上げよう!
au × HAKUTO MOON CHALLENGE|SORATO、ついに打ち上げ場所のインドに向けて出発!
Engadget 日本版|民間月探査レースLunar XPRIZE、窮地のHAKUTOは挑戦継続の意向。「インドチームと共にあらゆる可能性見直す」
India Today|ISRO cancels contract for private Moonshot mission with Bangalore start-up Team Indus