パン人間とは

・ パン人間とは、現代アーティストの折元立身氏が主導する、頭にパンを縛りつけて街中や美術館内を練り歩くパフォーマンス・アート。日本だけでなく世界中で行われ、異様ともいえる見た目から注目を集める。2017年9月に広島県で行われたパン人間のパフォーマンス・アートは、SNSで写真が拡散され、「フランスパン革命」などとして話題となった。

・ 折元氏は1946年に神奈川県で生まれた。高等学校を出たあと米国に渡り、1971年にカリフォルニア芸術大学を卒業。パン人間のパフォーマンスを初めて行ったのは、1991年の日本だった。世界各地で300回ほどパン人間を披露したが、ニューヨークではホームレスに追いかけられ、モスクワでは食べ物を粗末にしているとしてレストランから追い出されるなど、必ずしも好意的に受け止められたわけではなかったという。

パン人間のコンセプト

・ 折元氏がパン人間の着想を得たのは、キリスト教徒の友人から聞いた「聖書では、パンとは肉体を意味する」という言葉だ。折元氏はパン人間について、以下のように説明している。

パンは西洋文化の象徴であり、神である。
なぜなら、西洋画の「最後の晩餐」で描かれるように、キリストは「パンは肉なり、ワインは血なり」と言い、パンをちぎって弟子に与え、「これはわたしとの身体である」と伝えた。
私はパンに西洋文化を感じ、パンを顔につけて、からだの一部をつくるというヒントを得た。

(引用元:海と山のアート回廊|イベント

・ 折元氏がパン人間のパフォーマンスを行う際は基本的に、参加者が募集される。パフォーマンス当日、折元氏と参加者たちは個人の顔が判別できなくなるほど多くのパンをひもで顔にくくりつけ、美術館内や街中を練り歩く。折元氏はパフォーマンスのたび「私たちはパン人間であり、人間さまではありません」などと叫ぶ。このようなパン人間の風体と行動に驚き戸惑う通行人は多くいると思われるが、出会った人と交流をもったり、反応を楽しんだりすることも、パン人間というパフォーマンス・アートの一部だといえる。

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パン人間のパフォーマンスが行われた事例

・ 2017年9月に行われたパン人間のパフォーマンスは、広島県知事や各市長などから成る実行委員会が運営するイベント「海と山のアート回廊」における特別企画「折元立身プロジェクト」の一環だった。毎日新聞によれば、老若男女36人が参加。パンを頭にくくりつけてJR尾道駅前から出発し、フェリーで瀬戸内海を渡り向島へ向かったが、下船せずそのままUターンしたのち、尾道市の商店街を練り歩いたという。

・ 10月22日には、日本初の試みとして「26人のパン人間の処刑」が川崎市岡本太郎美術館で開催された。これまでのパフォーマンスと異なり、参加者は布で目隠しをされ、1人ずつ木の棒に縛りつけられ、首からいくつものパンを載せた箱をぶら下げた。パン人間として参加した役者・雨宮あさひ氏によると、皿が割れる音を合図として、「処刑」される演技をしたという。折元氏は、「26人のパン人間の処刑」に込めた意図を以下のように述べた。

私は人との間に思いやりだけでなく、憎悪や暴力が、一方反面にあるので、思いやりが一層強くなるのだと思う。
それで、パン人間のパフォーマンスにも、やっていけない処刑の方法を考え、思いやり⇔暴力を考えてみたいと思った。

(引用元:川崎市岡本太郎美術館|イベント

(参考)
海と山のアート回廊|イベント
川崎市岡本太郎美術館|イベント
ねとらぼ|頭にフランスンパンをつけた人たちが…… シュールなアートイベントが目撃される
毎日新聞|市民も変身 尾道・アート回廊 /広島
美術手帳|「死ぬまで続ける」折元立身が富山県美術館で見せた「パン人間」
国立民族学博物館|「きのうよりワクワクしてきた。」もうすぐ閉幕です
インターネットミュージアム|折元立身 パフォーマンス「26人のパン人間の処刑」
広島県公式ホームページ|パン人間 尾道に現わる
富山新聞|「パン人間」あらわる 県美術館、26日の全面開館前に公開
The Guardian|The Japan issue: Bread Man
Instagram|#パン人間
雨宮あさひの日記|26人のパン人間の処刑。