「CASH」とは

・ 「CASH」とは、株式会社バンクが2017年6月28日にリリースした、「目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる」アプリケーション。同29日現在ではiOS版のみが配信されており、Android版は準備中だという。簡単に現金が得られるとして、「CASH」はその斬新さから、起業家や一般人など多くの人に注目されている。

・ 「CASH」を使って現金を得ようとする場合、以下のような手順を経る。まず、自分が持っているモノ(アイテム)のブランド名を一覧から選択し、次に「シューズ」「ワンピース」など、アイテムの種類を選ぶ。そして、アイテムの状態を「新品同様」「ダメージあり」などの5段階から選択する。最後にアイテムの写真を撮影すると、0円~20,000円の範囲で査定額が表示される。

・ 査定額を確認したあとは、「キャッシュにする」「今回はキャッシュにしない」のどちらかを選択する。「キャッシュにする」を選んだ場合、査定額が「CASH」内の「ウォレット」に蓄積される。蓄積された金額は、所定の手数料を引かれた上で、コンビニエンスストアで受け取るか銀行口座に振り込んでもらうかを選択することができる。

・ なお、「CASH」内のウォレットに蓄積された金額については、査定されたアイテムごとに「キャッシュを返す」「キャッシュを返さない」を選択できる。「キャッシュを返す」を選んだ場合、2カ月以内に査定額を返金しなければならず、さらに15%の返金手数料が課される。一方、「キャッシュを返さない」を選んだ場合、査定額を自分のものにすることができるが、査定に使ったアイテムを手放し、バンク社に郵送しなければならない。送付の際には、宅配業者が自宅まで荷物を取りにくるという。

・ アイテムの情報を入力して写真を撮るだけで現金が手に入るという「CASH」のサービスは注目を集め、多くの人に利用された結果、リリース翌日の6月29日に査定機能が一時的に停止される事態となった。バンク社の発表によると、「CASH」を通じて「キャッシュ化」されたアイテムの総数は72,796個で、その総額はおよそ3億6,600万円に達した。バンク社によれば、「CASH」の利用がここまで増えたことは「想像を遥かに超えた」事態であり、わずか4名の社員で運営するには「体制や規模が整って」いないのだという。代表取締役兼CEOの光本勇介氏は28日、「数日後に相当数のアイテムが私たちのオフィスに届く」と述べ、その処理にあたるアルバイトをTwitter上で募集した。

「CASH」の仕組みと背景

・ 「CASH」では、アイテムをバンク社に送ることで現金を入手できる一方、受け取った現金を返却して査定額の15%の手数料を支払えば、アイテムを手放さずに済む。このため、手数料を実質的な利子だと考え、「CASH」を「質屋」だと判断する人はインターネット上に多く見られる。しかし、「CASH」は最初に「アイテムを買い取る」という形式をとっているため、消費者金融とは異なり、貸金業法や質屋営業法による規制を受けないのだという。なお、バンク社は古物営業法に基づく営業許可を取得している。

・ 「CASH」がリリースされた背景には、光本氏の「もっとカジュアルに利用できる金融サービスは必要」という考えがある。光本氏は、「借金」という言葉の悪いイメージを変えたいと話しつつ、「CASH」の背景にある思想を以下のように語った。

とある雑誌のQ&Aコーナーで『ウェブデザイナーになるために、アルバイトで1年お金を貯めてPCを買う』という相談者に対して、『もしお金を借りてでも今すぐPCや参考書を買って、ウェブデザインを学べば、1年後にはPCを買う以上のお金を稼げる、そんな成長機会が得られるのではないか』という回答がありました。例えば奨学金だって借金のひとつ。瞬間的なお金のニーズを満たすことで、小さな一歩を踏み出すことができればいい。

(引用元:TechCrunch Japan|“質草”の写真を撮れば審査なしで資金提供——STORES.jp創業者の新レンディングサービス「CASH」

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「CASH」への反応

・ 「CASH」は、すぐに現金が得られるメリットと、15%の手数料というデメリットの両方が注目され、インターネット上で話題になった。Twitter上では、「挑戦的な取り組み」「一度やれば一瞬で口コミしたくなる体験」など好意的に受け止める人のほか、15%の手数料は「暴利」であるとして批判する人や、システムを悪用して不正に現金を得る方法を考える人もいた。

・ 人気ブログ「まだ東京で消耗してるの?」で有名なブロガーのイケダハヤト氏も「CASH」に注目し、自身のブログで4回に渡って取り上げた。イケダハヤト氏は、ユーザーが「借りたお金をしっかり返す人なのか」(与信情報)を見極め、与信情報を蓄積して社会に開放するのが「CASH」というサービスだと見た。その上で、以下のような持論を述べた。

これらのサービス経済圏における評価が高ければ高いほど、就職・転職も、婚活も、起業もイージーになっていく……みたいな社会はすぐそこです。
(中略)好むと好まざるにかかわらず、ぼくらは資本主義社会に上場させられ、評価されていくのです。
正しい行動を取るように、テクノロジーと資本主義システムから常に要請されるのです。

(引用元:まだ東京で消耗してるの?|CASHは「こいつはカネをしっかり返す人間なのか?」を可視化し、スコアリングするようになるのだろう。

(参考)
THE BRIDGE|質屋アプリCASHが査定停止、開始16時間で3.6億円以上のアイテムをキャッシュ化ーー集荷依頼アイテム数は7500個に
THE BRIDGE|スマホで撮影「即入金」の質屋アプリCASH、STORES.jp創業の光本氏が公開ーーノールック少額融資を可能にしたその方法とは
まだ東京で消耗してるの?|CASHは「こいつはカネをしっかり返す人間なのか?」を可視化し、スコアリングするようになるのだろう。
Twitter|Yusuke Mitsumoto
TechWave|「CASHは質屋ではありません。買い取りアプリなんです」バンク社 光本CEOが語る
TechWave|1分でわかる話題のアプリ「CASH」の瞬間送金 CEO光本氏自らデモ
TechCrunch Japan|“質草”の写真を撮れば審査なしで資金提供——STORES.jp創業者の新レンディングサービス「CASH」
Twitter|CASH