ハイパーループ構想とは

・ ハイパーループは、2013年にイーロン・マスク氏(アメリカの実業家。ロケット開発製造のスペースX、電気自動車開発製造のテスラモーターズのCEO)が構想を公表したもの。ハイパーループが実現すると、音速(※)に迫る時速1,200kmでの移動が可能となる(最高時速は1,500kmとも言われる)。最終的には、電車で5時間かかるロサンゼルス・サンフランシスコ間をつなぐことを目標としており、その移動は36分にまで短縮される見込みである。

(※音速は時速約1,190km。セ氏零度で毎秒約331.5mをもとに計算)

・ ハイパーループの構造は、人を乗せたカプセルが乗客を酔わせることなく、チューブの中を高速で走るというもの。

ハイパーループの基本前提は、真空状態に近い、全長数百から数千kmの金属製のチューブ内を、乗客を乗せた車両が空中浮上(非接触)で進むという仕組みだ。車両は電磁推進装置を使って加速し、磁気浮上によってチューブの底面に接触することなく、浮いたまま“滑って“進む。チューブ内は超低圧で空気抵抗が最小限に抑えられるため、それ以上の推進力がなくても長距離を走ることができるのだ。

(引用元:ForbesJAPAN|時速1100キロ超の交通システム「ハイパーループ」、年内に本格試験走行へ

・ マスク氏がハイパーループを構想したきっかけは、自身の遅刻体験にあった。この出来事の後2013年8月に、マスク氏はスペースX社のウェブサイトにハイパーループ構想を公表した。

「数年前、私はロサンゼルスで渋滞に捕まり、予定していた会合に1時間も遅刻してしまいました。そのとき、『まったく、もっといい移動手段があるはずだ』と思ったのです」

(引用元:NATIONAL GEOGRAPHIC日本版|夢の超音速列車ハイパーループ、試作機の段階に

ハイパーループの開発競争

・ マスク氏の構想発表以後、以下の2社によるハイパーループ開発競争が繰り広げられている。

‐ ハイパーループ・テクノロジーズ社
マスク氏による構想発表後開発にいち早く名乗りを上げた企業。マスク氏のアイデアに乗った形ではあるが、実質、スペースX社のライバルである。ラスベガス近郊の砂漠地帯に、全長3kmのテストチューブを建設中。2016年中に試験走行を行うとしている。2020年の商業運用開始を目指す。

ハイパーループ・テクノロジーズの共同創設者で最高技術責任者(CTO)を務めるブローガン・バンブローガン氏は「きょうにもハイパーループを建設できる」と話す。「とても高くつくけどね」

(引用元:THE WALL STREET JOURNAL.|マスク氏の夢実現するか 「ハイパーループ」開発競争

‐ ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジー(HTT)社
発案者のマスク氏側の会社。ハイパーループ・テクノロジーズ社に半年遅れをとったが、2016年にカリフォルニアにて全長8kmのテストトラック建設着工、2018年の実用化を目指している。2016年3月、スロバキアのブラチスラバとハンガリーのブダペスト間を10分で結ぶハイパーループの商用化について、スロバキア政府と合意した。

CEOはマスク氏の意思を受け継いだディルク・アールボーン氏。同氏によるとテストトラックは「カプセルの運用、乗り心地、全体のオペレーションなどを見るためのもので、スピードや実用化についてはすでにクリア済み」という。

(引用元:BLOGOS|イーロン・マスクの夢を追う2社 ハイパーループ開発スタート – 土方細秩子

HTT社のハイパーループイメージ
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(画像引用元:BuzzFeed|音速の夢の乗り物「ハイパーループ」がスゴい

・ また、車両設計には、世界各国の学生を集めたコンペも行われている。2016年1月に開催されたコンペでは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生らが1位を獲得し、実際の試作車両製作に移っている。

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超高速移動以外のメリット

・ 環境に優しい

運行には再生可能エネルギーを使用し、余剰エネルギーも生まれる見込み。車両を浮かせて走らせるので、電力を供給しなくても走らせることができる可能性がある。

・ 建設コストが低い

マスク氏によると、サンフランシスコ・ロサンゼルス間のハイパーループ建設コストは60億ドルで、同じ路線を高速鉄道で建設するとした場合の10%に満たない金額である。また、ハイパーループは高架式なので、チューブの建設にあたって買収の必要な土地は支柱の部分のみで済む。

(参考)
事業構想PROJECT DESIGN ONLINE|イーロン・マスクのハイパーループ構想が実用段階へ
THE WALL STREET JOURNAL.|マスク氏の夢実現するか 「ハイパーループ」開発競争
BuzzFeed|音速の夢の乗り物「ハイパーループ」がスゴい
BLOGOS|イーロン・マスクの夢を追う2社 ハイパーループ開発スタート – 土方細秩子
ForbesJAPAN|時速1100キロ超の交通システム「ハイパーループ」、年内に本格試験走行へ
ForbesJAPAN|超音速列車「 ハイパーループ」欧州でも始動 スロバキア政府合意
ニューズウィーク日本版|時速1200キロの超高速列車、走行実験へコース建設
NATIONAL GEOGRAPHIC日本版|夢の超音速列車ハイパーループ、試作機の段階に
コトバンク|デジタル大辞泉 音速