アイデアソンとは

・ アイデアソンとは、「アイデア(idea)」と「マラソン(marathon)」を組み合わせた造語。数時間~2・3日程度の制限時間内で、職業、性別、年齢などの異なる多様な参加者が、特定のテーマについて様々な観点からアイデアを出し合うイベントを指す。「マラソン」とは長い時間をかけて競い合うという意味で、アイデアを創出するための耐久レースのような性質をもったイベントである。アイデアソンでは、社会問題の解決や新たなサービス・製品の発案などといったテーマに基づき、参加者同士が対話をしながら、新案やアクションプランを提案する。

・ アイデアソンは、ハッカソン(「ハック」と「マラソン」を合わせた造語。IT関連技術者が制限時間内でソフトウェア開発を競い合うイベント)の事前会議のような形で行われることが多い。しかし近年では、アイデアソン単独で開催されることも増えている。ハッカソンはソフトウェア開発による成果物を生み出すことが目的だが、アイデアソンではアイデアの創出に重きを置いている。その点で、IT関連技術者の参加が前提のハッカソンとは違い、アイデアソンでは参加者に求められるスキルは特になく、テーマについて関心がある人ならだれでも参加できるのが特徴。学生や主婦などの参加も見られるなど、ハードルが低い。

・ アイデアソンは、2000年前後から、アメリカのIT系企業で盛んに行われるようになった。日本では2010年頃から開催されており、IT領域だけでなく様々なジャンルで実施されている。

アイデアソンの内容

・ アイデアソンの目的について、株式会社NTTデータは次のようにまとめている。

・ 新サービス・製品検討
新しい技術や、蓄積されたデータ(オープンデータ・企業内データなど)を活用した新サービス・新製品のアイデアを導出する。
・ 課題解決
特定の組織や人が抱える課題に対する解決策のアイデアを導出する。
・ 教育・組織変革
組織内で行われるアイデアソンでは、アイデア出しのトレーニングや、多様な人々との共創活動にむけた体験のために行われる。

(引用元:NTT DATA|アイデアソンの基本と成功させるポイント

・ アイデアソンでは、参加者がチームを組み、共同作業で課題解決に向けたアイデア出しを行う。以下はアイデアソンの流れの一例で、2014年に千葉県の柏の葉オープンイノベーションラボで行われたアイデアソンの手順。

1、最初は個人ごと紙にアイデアを出していく
2、2人組を組み、お互いのアイデアを話し合う
3、↑これを複数回、人を変えて繰り返す。今回は5回。
4、自分のアイデアを3つ提案する。
5、参加者のアイデアを全てテーブルの上に並べ、気にいったアイデアに投票していく。
6、投票の数が多かったアイデアと、立候補で計9つのアイデアに絞り込み。
7、今度は参加者が9つのアイデアのテーブルに別れ、チームでブレスト。
8、最後にチームごとにプレゼン大会。優秀なアイデアを選出する

(引用元:ネットメディア攻略研究所|ビジネスパーソンは体験しないと損をする!「アイデアソン」とは?

・ アイデアソンで出されるアイデアは、はじめは玉石混交であっても、参加者たちが意見を出し合ううちにブラッシュアップされていく。したがい、アイデアを批判するのではなく、受け入れ、建設的な意見を言うようにすることが大切である。アイデアソンは、当日その場で出会った参加者たちが、立場を越えて意見を述べ合い、アイデアを作り上げていくという点に価値がある。そのため、オープンイノベーション(外部の知見を活用して開発を行うこと)の一手法として注目されている。

・ アイデアソンを主催する側にとって、アイデアソンには、質の高い成果物(アイデア)が得られるというメリットがある。一方アイデアソンに参加する側にとっては、知識の向上に繋がったり、人脈を広げられたりするメリットがある。これらの点において、ハッカソンと同様に価値ある取り組みであると言える。

・ また、アイデアソンは社内で開催するのも意義深いと言える。企業研修などを手掛ける株式会社 HEART QUAKEは、社内でアイデアソンを開催するメリットは以下の4点にあるとまとめている。

1.発想法を学ぶことができる
2.社員間のコミュニケーションが促進される
3.新しいことをやっていこうという風土が生まれる
4.新規事業・製品が生まれる

(引用元:株式会社 HEART QUAKE|社内でアイデアソンをやることの4つの効果

特に、「コミュニケーション促進」と「風土の醸成」については、他の社員との話し合いを通してチームビルディングができたり、アイデアを生み出そうとする試みによって新たな挑戦に前向きな風土が生まれたりする。こうした観点から、アイデアソンは社内研修としても有効に働くことが期待される。

・ アイデアソンの実例:

- 政府系主催のアイデアソン
国土交通省は、2015年12月、以下のテーマでアイデアソンを実施した。ここで出されたアイデアをもとにアプリのプロトタイプを開発するハッカソンが翌年1月に開催されている。

東京駅周辺の魅力を向上させるアイデアを考える「東京駅周辺の魅力向上サービス創造アイデアソン — 高精度測位社会を目指して」を東京駅近くにて開催しました。
(中略)
東京駅構内の店舗が各種の情報を配信してユーザーに新たな気付きを与える「東京駅テーマパーク」や、外国人や高齢者に対するボランティアによる案内を支援するアプリ「誰でも東京コンシェルジュ」、(中略)トイレに特化した検索アプリ「スムーズで安心なナビ!!」など、バラエティに富んだアイデアが発表されました。

(引用元:準天頂衛星システム|国交省が東京駅で高精度測位社会めざすアイデアソン開催

- 社会課題アイデアソン
「Yahoo!みんなの政治」では、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことから、彼らが政治や社会課題について考えるための取り組みとして「社会課題アイデアソン」を、各地の高校で行っている。高校3年生たちが社会課題の分析・理解に積極的になったり、問題提起をしたりといった成果が得られている。

(参考)
ネットメディア攻略研究所|ビジネスパーソンは体験しないと損をする!「アイデアソン」とは?
Wikipedia|アイデアソン
BuildINSIDER|ハッカソン/アイデアソンとは? その類型と特徴、開催事例
NTT DATA|アイデアソンの基本と成功させるポイント
富士通総研|オープンイノベーション/共創の手法として注目されるハッカソン・アイデアソン
株式会社 HEART QUAKE|社内でアイデアソンをやることの4つの効果
国土交通省|アイデアソン・ハッカソンの開催について
準天頂衛星システム|国交省が東京駅で高精度測位社会めざすアイデアソン開催
Yahoo!みんなの政治|社会課題アイデアソン
Yahoo! JAPAN Corporate Blog|「18歳」と「Yahoo!みんなの政治」がアイデアソンを実施。現役高校生が社会課題について考えました