国際バカロレアとは

・ 国際バカロレア(International Baccalaureate、略してIB)とは、スイス・ジュネーブに本部を持つ国際バカロレア機構が提供している国際的な教育プログラム。小・中・高校生を対象としており、ディプロマ(認定証書)を得れば、世界100ヶ国以上、20,000校以上の大学に共通の大学入学資格として認められる。国際バカロレアの教育プログラムは、国際バカロレア機構に許可された学校で受けることができる。

・ 国際バカロレアの発祥は1968年。多くの国際機関が集まるジュネーブでは多様な国の子どもが学んでいたが、大学受験制度が国によって異なっていたため、入試準備に困難があった。そのため、世界共通の成績証明書を発行するために国際バカロレアの教育プログラムが作られた。

国際バカロレアの教育目的

・ 国際バカロレアは、上述のような経緯から作られた背景に加えて、第2次世界大戦により世界が東西に分裂した反省を踏まえた教育プログラムとなった。そうした事情から、国際バカロレアの理念は次の通りとなっている。

 「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」

(引用元:文部科学省|2. 国際バカロレアの理念

・ 国際バカロレアの主な方針は、グローバルに活躍する人材を育成すること。世界の複雑さを理解し、責任ある行動をとることのできる人材となるためには、知識だけでなく人格や社会的スキルを磨くことも必要である。教師の側から一方的に知識を教えられるのではなく、国際的な視野を持ちながら、自ら考えて意見を表明することで、世界に通用するスキルを身に着けていくことを重視している。アクティブラーニングの形で、思考力やコミュニケーション能力を磨いたり、テーマを選んで自ら探求したり、現地で社会課題に向き合ったりするカリキュラムが盛り込まれている。

・ また、国際バカロレアの意義として、ディプロマが世界各国の多くの大学で正規の入学資格・受験資格として認められる点も挙げられる。国際バカロレアには、年齢や目的別に4つのプログラムがある(最も低年齢の子どもは3歳からが対象で、最高19歳まで)が、そのうちの一つがディプロマ・プログラム(DP)。DPを履修して所定の成績を収めれば、上記のようなスキルを身に着けるとともに、世界で通用する大学入学資格を得ることができる。海外の大学に進学したい場合には特に有効である。

・ 従来の授業と、国際バカロレアの方針に沿った授業の違いを知るには、東京学芸大付属国際中等教育学校の国際バカロレア認定プログラム(MYP。DPより一段階低年齢層向けのプログラム)で行われた以下の授業例が参考となる。

従来の学校教育との最も大きな違いは「全ての学びが実社会の問題と結びつけて考えられ、生徒たちの探求心、表現力、討論の能力が育つこと」。例えば、数学で円の性質を学ぶ際、写真を撮影するときのカメラ位置と対象の範囲の関係から考える。また、図形の場合もバスの車体移動など数学が実社会でどのように役立ち、どれほど大切かがわかる授業が行われているという。

(引用元:産経ニュース|国際バカロレア 平成30年までに200校 日本語での指導も可能に

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国際バカロレアが注目されている理由

・ 近年日本で国際バカロレアが注目されているのは、2013年に政府が、国際バカロレアのDP認定校を2018年に200校にまで増やすという計画を打ち出したため。これは、安倍内閣の掲げる成長戦略の中で、国際競争力を向上させるために必要な人材育成の一環として出されたものである。

・ 2016年8月1日時点で、世界における国際バカロレアの認定校は140以上の国・地域に約4,600校ある。日本における認定校は、すべてのプログラムの認定校を合わせると39校で、DP認定校は28校である。現在、全国の自治体で、国際バカロレアの認定校をめざす動きがみられる。

・ 従来、国際バカロレアのプログラムでは日本語の使用が認められていなかったが、2016年度から(一部高校では2015年度から)はDPの一部科目で日本語の使用が可能となった。これにより、入試に国際バカロレアのプログラムの成績を導入する大学も増え始めている。

・ 例えば東京大学では、2016年度入学者試験より導入した推薦入試の推薦条件のひとつに国際バカロレアのディプロマ取得を挙げており、ディプロマ取得者が有利に受験を進められるようになっている。このほか、筑波大学や岡山大学、慶応大学、大阪大学、京都大学なども国際バカロレアの成績を考慮する入試を実施しており、他の多くの大学も導入を検討している。

・ また、国際バカロレア認定校の増大を見据え、国際バカロレア教員養成コースを設ける大学も出始めている(例:岡山理科大学や武蔵野大学)。国際バカロレア認定校を増やすには、国際教育に関する知見を持った教員の養成も大きな課題となっている。

(参考)
G-Edu|グローバル教育 気になるキーワード VOL.1 国際バカロレア(IB)
mugendai|「国際バカロレア」が作る世界で生きる力 ――日本の「知識注入型」教育を変え、2018年までに認定200校を目指す
ワールド・ファミリー放送局|国際バカロレアとは
文部科学省|1. 国際バカロレアとは
文部科学省|2. 国際バカロレアの理念
文部科学省|4. 国際バカロレアの認定校
産経ニュース|国際バカロレア 平成30年までに200校 日本語での指導も可能に
ZUU online|「国際バカロレア」って何? 武蔵野、桜美林、聖ヨゼフ……次々導入
大学ジャーナルONLINE|岡山理科大学が国際バカロレア教員養成コース開設 学部設置は国内初
大学プレスセンター|21世紀型教育スキルを持った教員を養成する「国際教員養成コース」を来春より開設 — 武蔵野大学
IBJPN.com 国際バカロレア専門メディア|インターナショナル・スクールと1条校
リセマム|【大学受験2017】愛知医科大、新たに「国際バカロレア入試」を導入