医療クラークとは

・ 医療クラークとは、医師の指示によって事務作業を行う職業。正式名称は「医師事務作業補助者」である。医療クラークの仕事内容としては、診断書などの文書作成や電子カルテの入力などが挙げられる。一方、受付業務や診療報酬の請求事務などが禁止されている点で、医療事務とは異なる。2017年12月16日、神戸新聞社の提供する電子新聞サービス「神戸新聞NEXT」が医療クラークを記事で取り上げたことにより、医療クラークという職業がインターネット上で注目を集めた。政府が働き方改革を主導するなか、医師が行っていた事務仕事を医療クラークに任せることで、医師の労働時間を減らすことが目指されている。

・ 医療クラークが病院に導入された契機は、2008年の診療報酬改定である。「病院勤務医の事務負担の軽減」が「緊急の課題」として取り上げられ、「医師の事務作業を補助する職員」(医療クラーク)を配置することが、医療保険から病院側に支払われる診療報酬の加点対象となった。

・ 医療事務と同様、医療クラークに特別な資格は要求されない。キャリア支援事業などを手がける株式会社ノードプレースによれば、医療クラークの大半は女性で、契約社員や派遣社員といった非正規雇用が多いという。

医療クラークの仕事

・ 医療クラークは、医師の負担を軽減することを目的とし、従来は医師が行っていた事務作業の一部を代行する。2017年11月に厚生労働省で開かれた「第4回医師の働き方改革に関する検討会」の資料および議事録によれば、電子カルテ・処方せん・退院サマリー(※)・診断書などの作成補助や主治医意見書の代筆などが行われているという(※入院患者の病歴や、入院中に受けた医療内容などをまとめた記録)。

・ 医療クラークの活用は、医師の長時間労働を解消するのに有用だと考えられている。「第4回医師の働き方改革に関する検討会」で用いられた資料によると、「医療機関における勤務環境改善の取組」として、最も実施率が高いのが「補助職(医師事務作業補助者、看護補助者等)を配置している」(88.2%)だった。また、効果が高いと評価された割合は2番目に多かった(55.6%)。同資料によれば、国立病院機構福山医療センター(広島県)が38名の医療クラークを配置したところ、1日あたりの外来診療時間が最大で80分短縮できたという。また、医師の勤務時間が1日あたり最大で約2時間少なくなった。

・ 済生会横浜市東部病院(神奈川県)でMA(メディカルアシスタント)室の室長を務める青木輝浩医師は、医療クラークを導入するメリットを以下のように述べた。

医師の仕事には、例えば生命保険会社からの依頼による診断書の作成など、各種の書類、手紙を書く事務的な作業が多くあります。その作業を医師事務作業補助者が代わりにしてくれるようになったので、患者さんへの診療時間が増えました。医師として患者のベッドサイドに行ったり、治療方針を考えたりする時間も増えました。医師からすれば本来の仕事ができるようになったわけです。それが一番大きなメリットだと思います

(引用元:株式会社ソラスト|評価高まる医師事務作業補助者

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医療クラークになるには

・ 医療クラークとして働くために資格は必要ないものの、医療や事務に関する知識が必要なことから、通学・通信講座などで医療事務を学んでから医療クラークになる人が多いという。病院が出している求人に応募して病院に雇用されるか、派遣会社に登録することで、医療クラークとして働くことができる。

・ 医療クラークとしての能力が客観的に示せる民間資格には、全国医療福祉教育協会が実施する「医師事務作業補助者実務能力認定試験」がある。資格取得のための各種講座を提供しているヒューマンアカデミー株式会社では、上記試験合格を目的とした講座が用意されており、「未経験からでも42時間の受講で医師事務作業補助者のプロになる」ことが可能だという。

(参考)
神戸新聞NEXT|医師の“敏腕秘書”「医療クラーク」ってどんな仕事?
厚生労働省|医療機関における勤務環境改善の取組について
厚生労働省|第4回医師の働き方改革に関する検討会 議事録(2017年11月10日)
厚生労働省|平成20年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)
Career Garden|病棟クラーク
株式会社ソラスト|評価高まる医師事務作業補助者
コトバンク|医師事務作業補助者
社会福祉法人恩賜財団 済生会滋賀県病院|2週間以内の退院サマリー作成率
ヒューマンアカデミー|ドクターズ医療クラーク養成コース(医師事務作業補助者養成)