ジタハラとは

・ ジタハラとは、具体的な方策を提示することなく、短い労働時間で多くの成果を出すことを部下に強要する「時短(※)ハラスメント」の略(※時間短縮労働)。近年、政府が主導する「働き方改革」などの影響で、残業せず定時で退社することを従業員に推奨したり、完全退社時刻を設定したりする企業が目立ってきた。しかし、その一方で、業務の総量が減らないなどの理由で定時退社が難しいにもかかわらず、短い時間で同じだけの成果を挙げるよう上司に言われることを不快に思う人もいることがわかった。このようなジタハラという概念は、働き方改革が浸透するにつれ、労働者たちのあいだで少しずつ知られるようになっている。

・ 2017年11月22日、「ITmedia NEWS」の記事「『残業するな』『いいから帰れ』 会社員の4割が“ジタハラ”に悩み 高橋書店の調査」が公開されると、同25日までにFacebook上で1,000回以上共有されたほか、Twitter上でも約1,000回共有される程の反響があった。また、同記事がYahoo!ニュースで配信されて多くの人の目に留まった結果、ジタハラはTwitterのトレンドに入った。

・ 上述した記事では、手帳メーカーとして知られる高橋書店が2017年に「紙の手帳の利用経験がある、日本全国20代~60代ビジネスパーソン」を対象として行った、働き方改革についてのアンケート結果が紹介されている。それによると、「あなたの会社で『働き方改革』(長時間労働の改善)に関する取り組みが導入されたことにより、困っていることはありますか?」という設問に対し、41.5%の人が「働ける時間が短くなったのに、業務量が以前のままのため、仕事が終わらない」と回答した。この結果を高橋書店は「『働き方改革』(長時間労働の改善)に取り組む企業に勤めているビジネスパーソンの約 4割が“ジタハラ”(時短ハラスメント)被害につながる悩みを抱えている」という言葉で表現した。

ジタハラの何が問題か

・ コンサルティング業を手がける株式会社アタックス・セールス・アソシエイツの代表取締役社長・横山信弘氏は、ジタハラという問題に関して積極的に意見を発している。横山氏によれば、以下のように「時短を強要しプレッシャーを与える行為」はジタハラに該当するという。

たとえば、企業が「残業禁止」という方針を打ち出せば、管理部門は現場にそれを徹底させようとする。しかし現場では、残業をしなければ仕事が終わらない。仕事が終わらなければ、当然のことながら顧客に迷惑がかかる。にもかかわらず、残業しようとすると、上司や管理部門から「帰れ、帰れ」と責めたてられる

(引用元:AERA dot.|都庁、電通でも悲鳴が…働き方改革の裏で「ジタハラ」が急増中

・ 横山氏の話では近年、働き方改革という考えが普及しつつあるほか、長時間労働をきっかけとして若者が自殺した事件が相次いで報道されたことも、ジタハラが増加した原因だという。「拙速に時短を強行する企業」では、経営陣・管理部門と現場とのあいだに「意識のズレ」が生じ、「仕事が回らなくて現場がパニックに陥る」とのことだ。

wakatsukisama-ec
60日のトレーニング後、英語実務でも効果を実感。TOEICも950点に。
人気記事

ジタハラへの対策

・ ジタハラという名称からは一見、時短労働が問題のように思われるが、横山氏は「労働時間の問題ではなく、パワハラの部分が大きい」と主張する。上司が日常的に、部下に対して配慮した声かけ・コミュニケーションを実践していれば、「時短に苦しむ部下もジタハラで追い詰められることはない」ためだ。

・ 上述した高橋書店のアンケートでは、約4割の人が「働ける時間が短くなったのに、業務量が以前のままのため、仕事が終わらない」と考えていることがわかった。この問題を解決するには、業務量を減らす、人員を増やす以外にも、短時間で多くの業務を処理できるように作業効率を上げる、という方法もある。Study Hackerの記事「完璧主義は正解ではない! 仕事のムダがどんどんなくなる、効率的な “手抜き” 仕事術」では、効率的に仕事を処理するためのアイディアが3つ紹介されている。

1. 力を入れる作業と抜く作業を区別する。
2. 苦手な作業は他人に任せ、他人の苦手な作業を引き受ける。
3. やらない作業を決める。

・ このほかにも、より短い時間で仕事を処理し、生産性を上げるテクニックは多く存在する。それらの技術を積極的に取り入れ、生産性の向上に挑戦しつづけることが、ひいてはジタハラへの対策にもなるだろう。

(参考)
Study Hacker|完璧主義は正解ではない! 仕事のムダがどんどんなくなる、効率的な “手抜き” 仕事術
Yahoo!ニュース|「残業するな」「いいから帰れ」 会社員の4割が“ジタハラ”に悩み 高橋書店の調査
高橋書店|11/23勤労感謝の日『「働き方改革」に取り組む企業に努めるビジネスパーソンの約8割が業務効率化・生産性向上のために「紙の手帳」を活用!』を発表!
Yahoo!ニュース|時短を強要する「時短ハラスメント(ジタハラ)」が起こりやすい職業の特徴
Twitter|ジタハラ
AERA dot.|働き方改革の裏で急増中の「ジタハラ」 実態はパワハラだった!
AERA dot.|都庁、電通でも悲鳴が…働き方改革の裏で「ジタハラ」が急増中
Twitterトレンド速報|ジタハラ