個室夜行バスとは

・ 個室夜行バスとは、車内に個室を備えた長距離夜行バスのこと。座席の一部を個室化している場合と、全席を個室化している場合とがある。また、個室の仕切り方にはいくつか種類があり、パーテーションとカーテンを組み合わせて仕切るタイプや、完全に壁と扉で仕切るタイプなどがある。快適にくつろげる広さを備えているだけでなく、アメニティ(スリッパやブランケットなど)、テレビ、コンセント、無料Wi-Fiなど、車内設備が充実しているのが特徴。

・ 従来の夜行バスは、飛行機や新幹線に比べ交通費は安いものの、座席が狭かったり背もたれを十分に倒すことができなかったりして、必ずしも長時間眠って過ごすのに十分な快適さがあるとは言えなかった。しかし近年、上記のような特徴を持つ個室夜行バスを運行するバス会社が増えており、その快適性に注目が集まっている。

・ 夜行バスの豪華化が始まったのは、規制緩和により新規参入業者が増えた2000年代前半から。付加価値をつけて他社と差別化するために、シート幅を拡大するなどして快適さを追求した、特色ある座席が開発されるようになった。現在の個室夜行バスの先駆けと言われるのが、運輸事業のウィラーエクスプレスジャパン(大阪府)が2010年に始めたカプセル型シートの「コクーン」。車内の各座席は斜めに配置され、シェル型のパーテーションで区切ることによって乗車中のプライバシーと快適さ(140度リクライニング)を実現している。

・ 個室夜行バスは、そのサービスの高さや設備の豪華さから、新幹線や飛行機より運賃が高くなるケースもある。しかし、車中泊することでホテルを予約する必要がないうえ、移動先で早朝から活動を開始でき時間が有効に使えること、また、座席が広くゆったりと過ごすことができるだけでなくプライバシーが保たれることなどの理由により、女性客やビジネス客、高齢の乗客などからの人気が高まっている。

個室夜行バスの例

・ マイ・フローラ(海部観光・徳島県)

マイ・フローラとは、2011年に、日本の大型高速バスで初めて国内最少の2列シート・12席を実現した個室夜行バス。徳島・東京間で毎日運行している。運賃は13,100円~(運行日によって異なる)。乗客の年齢層は、親同伴の小学生から60~70代まで幅広い。

マイ・フローラの座席は、固定式のパーテーションで一部が区切られており、カーテンを閉めることによって個室化することができる。座席の横幅は寝返りを打つのに十分な70cm。背もたれは最大155度倒すことができ、ほぼ水平に横になることができる。着替えスペースもついた豪華な化粧室も完備。快適な夜行バスとして人気がある。

“乗り鉄のバス版”のようなマニアにも注目され、SNSを通じてじわじわと広まり、乗車率は驚異の9割超を維持。お盆と年末年始のチケット予約は、販売開始からわずか1~2分で完売するほどだ。マイ・フローラ人気は、同社が運行するマイ・フローラ以外の便の売り上げを右肩上がりに伸ばす原動力にもなっているという。

(同社とは海部観光のこと)
(引用元:日経トレンディネット|「若い人でないと無理」を克服 わずか12席の夜行バス

・ ドリームスリーパー(両備ホールディングス・岡山県)

ドリームスリーパーとは、2012年に横浜・広島間で運行を開始した個室夜行バス。横浜・広島便では、全14席がパーテーションとカーテンによって仕切られ個室になる。名前の通り、寝心地の良さを追求したバスで、座席のクッションには体圧を分散させる凸凹型のクッションを採用している。

ドリームスリーパーは快適さが高く評価され、乗車率は80~85%に達する。ビジネス客の利用増加を受け、2017年1月18日に、全11座席がパーテーションと扉で区切られる「業界初の完全個室型夜行バス」として、東京・大阪間での運行を開始。

黒色系の高級感ある内装が特徴で、料金は片道20,000円。運賃だけ見ると新幹線より高いが、新幹線料金とビジネスホテル代を想定した料金設定となっている。狙うのはビジネス客の利用。両備ホールディングスは、ドリームスリーパーについて次のような期待を込めている。

両備ホールディングス代表取締役副社長の松田敏之氏は、「バスの形状はこの20年変わっていません。高速バスは規制緩和を経て、価格競争に陥ってしまい、度重なる事故でイメージを下げてしまっています。ホテル感覚でくつろげるこのバスが、高速バス業界の発展、イメージの向上、そして、次世代の担い手が集まってくれるきっかけになってくれることを願っています」とコメントしている。

(引用元:マイナビニュース|これが新幹線より高いわけ! 高速バス”ドリームスリーパー東京大阪号”の実力

(参考)
日本経済新聞|全席個室の夜行バス、東京―大阪片道2万円 両備HDなど 
日本経済新聞|夜行バス 個室でゆったり
日経トレンディネット|「若い人でないと無理」を克服 わずか12席の夜行バス
日経トレンディネット|靴を脱いで繊細に運転 12席の夜行バスのおもてなし
毎日新聞|高速バス 初の完全個室型 東京・大阪間で18日から
SankeiBiz|夜行バスに個室備えた豪華車両 運行会社、相次ぎ投入 割高でも人気
マイナビニュース|これが新幹線より高いわけ! 高速バス”ドリームスリーパー東京大阪号”の実力
乗りものニュース|〈PR〉より快適、便利に ここまで変わった高速バス、最新事情
WILLER TRAVEL|コクーン
DREAM SLEEPER
高速バス.JP|座席のご案内 マイ・フローラ