「苦情殺到!桃太郎」とは

・ 「苦情殺到!桃太郎」とは、公共広告を扱う公益社団法人ACジャパンの行うキャンペーンにおいて「ネットモラル」をテーマに制作された広告。おとぎ話「桃太郎」のパロディである。その内容は、おばあさんが川で洗濯をしていたところに流れてきた大きな桃を拾ったところ、知らない人たちから「桃の気持ちを考えたことあるの!」「窃盗だろw」「早く謝ってください」「通報!通報!」などと多数の非難を浴び、深く傷つくというもの。2017年7月に「苦情殺到!桃太郎」が公開されると、その印象的な内容がインターネット上で話題となり、賛否両論が飛び交っている。なお、「苦情殺到!桃太郎」はACジャパンの公式サイトに掲載されているほか、テレビ・ラジオ・新聞などで視聴することができる。

・ SNSの普及によって一般人が匿名で意見を表明することが容易になり、インターネット上で個人・団体の行動や発言が多くの人から非難を浴びる「炎上」が頻繁に見られるようになった。「苦情殺到!桃太郎」の背景には、そのような炎上に対する以下のような意図がある。

個人のSNSから企業の広告、サービス内容等に至るまで度々炎上することが社会問題となっている日本。悪意ある内容で当事者や家族の心を傷つけるトラブルも多く、ネットモラルの問題は年々深刻さを増しています。この作品では、昔話の桃太郎を題材に、クレーム社会の惨状や虚しさをユーモラスに描き、おおらかな心の大切さを訴えます。

(引用元:ACジャパン|苦情殺到!桃太郎(全国キャンペーン)

「苦情殺到!桃太郎」の内容

・ 「苦情殺到!桃太郎」のテレビCM版では、なごやかな音楽とともにタレントの美輪明宏氏が「むかしむかし、あるところに……」とナレーションを始める。川で洗濯をしていたおばあさんが大きな桃を拾うシーンまではおとぎ話のとおりだが、桃を拾ったとたん、キーボードを打つ音が響いて「窃盗だろw」「子供が真似したらどうするんだ」などの非難のコメントが殺到する。おばあさんは驚き、止まらない誹謗中傷に涙を流しはじめてしまう。そこで画面に「悪意ある言葉が、人の心を傷つけている。」というテロップが大きく表示され、ナレーションによって「声を荒らげる前に、少しだけ考えてみませんか?」と問題提起がされる。最後に、山に芝刈りへ行ったおじいさんが「ばあさーん、大丈夫か」と心配して駆けつけ、それを見ておばあさんは笑顔を取り戻す。

・ 「苦情殺到!桃太郎」のラジオCM版の展開は、テレビCM版とほぼ同じだが、ラジオCM版は「声を荒らげる前に、少しだけ考えてみませんか?」というナレーションで終わり、おじいさんは登場しない。また、「苦情殺到!桃太郎」の新聞広告版は、笑顔で桃を拾おうとするおばあさんを、多数の誹謗中傷が取り巻いているというデザイン。広告の下部には、以下のような問題提起が述べられている。

個人のSNS投稿から、有名人のスキャンダル、企業活動まで、苦情が殺到し炎上することが多い日本。もちろん、マナーやサービスの向上につながる意見もたくさんあります。しかし、中には当事者やその家族を傷つける言葉も。声を荒らげる前に、言いがかりになっていないか、傷つく人がいないか、考えてみませんか。きっと、苦情を受ける側も気持ちよく改善できる、「めでたしめでたし」な社会につながるはずです。

(引用元:同上)

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「苦情殺到!桃太郎」への反応

・ 「苦情殺到!桃太郎」に対しては、インターネット上でさまざまな意見が述べられている。「Twitterにたくさんいる」「匿名掲示板での犯罪予告とか正にそれ」など、広告中で表現されている炎上の光景に見覚えがあるという意見があったほか、朝日新聞記者の原田朱美氏はTwitter上で「苦情殺到!桃太郎」を紹介しつつ「悪意や攻撃的な言葉はできるだけ投稿しない方がいい」と広告の主張に賛同した。

・ 一方、「風刺としては面白いけど、問題を解決できるかというと違うよね」「視聴者のインパクト”だけ”を狙ったCM」など、「苦情殺到!桃太郎」の広告効果へ懐疑的な視線を送る人もいた。また、「”言いがかり” ではなく、本当に違法の可能性がある」「炎上するときは大体そいつに非がある」など、問題があるのは寄せられた批判的なコメントではなく炎上した本人だとする声も見られた。そのほか、「ネットだけが問題なの?テレビやワイドショーだって、同じなのでは?」と、問題提起の対象を拡大するべきだとする意見も挙がった。

(参考)
ACジャパン|苦情殺到!桃太郎(全国キャンペーン)
ACジャパン|広告キャンペーン概要
ねとらぼ|桃を拾ったおばあさんに「窃盗だろ」「桃の気持ちを考えたことがあるのか」 SNSの炎上を強烈に風刺したCMが秀逸
ライブドアニュース|おばあさんが川で桃を拾うと炎上 ACのネットモラル警鐘広告が話題
コトバンク|炎上
ITmedia NEWS|「窃盗だろw」「桃の気持ち考えろ」――桃太郎で“ネット炎上”描く広告、狙いは? ACジャパンに聞く