黒塗り問題とは

・ 黒塗り問題とは、2017年12月31日に放送された日本テレビのお笑い番組『絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』において、お笑いコンビ・ダウンタウンの浜田雅功氏が肌を黒く塗った状態で登場したことから生じた、一連の問題。黒人に対する差別であるとの批判が上がり、ソーシャルメディア上で議論となっている。

・ 『絶対に笑ってはいけない』は大みそか恒例の人気番組。2017年は第12回目となり、「アメリカンポリス」をテーマとしていた。お笑い芸人・コンビのダウンタウン、月亭方正、ココリコ計5名が「新人アメリカンポリス」を演じ、浜田氏は米国の黒人俳優であるエディー・マーフィー氏が主演していた映画『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年)をイメージした黒い肌・縮れ毛という姿で登場した。

・ 浜田氏が黒人の格好をしてお笑い番組に出演したことは、黒人を笑いものにしているなどとして、ソーシャルメディアを中心に批判の声が上がった。その一方、黒人を差別する意図はなかったのだから問題ないと考える人も多い。トレンド情報に特化したwebメディア「ORICON NEWS」が10~50代の男女を対象として2018年1月にインターネット調査を実施した結果、「黒塗りメイクを差別だと思うか?」という問いに対し、「差別にあたると思う」と答えた人が7.9%、「思わない」が55.6%、「どちらともいえない/わからない」が36.5%だった。

黒塗り問題における批判的意見

・ 2018年1月1日、横浜在住のアフリカ系米国人作家であるバイエ・マクニール氏は「ブラックフェイスやってる日本人に告ぐ。ブラックフェイスはジョークのオチなんかじゃない」などとTwitter上で『絶対に笑ってはいけない』における黒塗り演出を批判。別のツイートではテレビ画面に映った同番組の写真を添えつつ「#StopBlackfaceJapan」「#日本でブラックフエイス止めて」というハッシュタグを使用した。

・ マクニール氏は「ハフポスト」や「東洋経済オンライン」において、黒人の扮(ふん)装をして笑いをとることの問題性を詳しく語った。それによると、顔を黒く塗ることで黒人を演じる劇「ミンストレル・ショー」は日本や米国に18世紀から存在した。しかし現在、差別的だとして米国では廃れているという。マクニール氏は、番組側に黒人を差別する意図がないことは理解するとしつつも、以下のように心情を述べた。

私の気持ちは半々です。
半分の私は、日本のテレビコメディーや音楽でブラックフェイスを見るたび、見下されたような、馬鹿にされたような、そして表面だけを見られて、人間性を否定されているような気分になります。
私の肌の色が、私自身の人間性が、芝居の小道具、あるいは脚本にされたかのように感じるのです。
しかし、もう半分の私は、『彼らは子供で、わかっていないだけ。だから我慢しなきゃ』とも思うのです

(引用元:ハフポスト|「笑ってはいけない」浜田の黒塗りメイクが物議 黒人作家が語った不安

・ 『絶対に笑ってはいけない』から生じた黒塗り問題は、海外のメディアからも注目された。米国の新聞「ニューヨーク・タイムズ」は「日本のお笑い芸人がブラックフェイスで炎上」と報じ、マクニール氏のツイートや、別のTwitterユーザーによる「日本は、ブラックフェイスは許されないことだと知らない唯一の国なのか」という投稿を掲載した。また、英国の「BBCニュース」はTwitterにおける議論を紹介しつつ、「黒人を風刺するためにメイクすること(いわゆるブラックフェイス)は極めて侮蔑的だと多くの人が思っている」と述べた。

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黒塗り問題における批判的意見への反論

・ 黒塗り問題へ向けられた国内外からの批判に対し、反発する人は多い。浜田氏の相方であるダウンタウンの松本人志氏は、1月14日に放送されたフジテレビの番組『ワイドナショー』において「色々言いたいことはあるんですけども」「めんどくさいので、もう、浜田が悪いでいいと思います」と含みを見せた。また、音楽プロデューサーの福嶋麻衣子氏が「最近は日本が国際的になって、世界中の人たちがそういうものを見ている」「世界で見ても、全員が笑えるものではないといけないっていう風になってきちゃったんだと思います。それが良いか悪いかは別として」と発言したのに対し、「悪いしかないよ」と応じた。

・ 松本氏のように、グローバルな視点を意識して番組を作る必要があるという状況に苦言を呈する人は少なくない。上述した「ORICON NEWS」のアンケート結果が「Yahoo!ニュース」で配信されると、「国内向けの放送なんだから、日本人の価値観・モラルで放送すれば良い」「こんなんで問題になってしまうなんて、もうバラエティは本当に終わった」などのコメントが寄せられた。また、「なんら問題ないと思います。差別でやった訳じゃない」「黒人を笑った訳では無い」と、差別の意図はなかったので問題にはならないと主張する人も多かった。

(参考)
日本テレビ|大晦日のガキ使「笑ってはいけない」シリーズ 今年は“アメリカンポリス”!
ハフポスト|ガキ使『黒塗り問題』に、松本人志「言いたいことはあるけど、面倒くさいので浜田が悪い」
ハフポスト|「笑ってはいけない」浜田の黒塗りメイクが物議 黒人作家が語った不安
東洋経済オンライン|「黒塗りメイクは世界では人種差別行為だ」
ORICON NEWS|「差別とは思わない」が約5割、“浜ちゃん黒塗り”騒動での視聴者意識
The New York Times|Japanese Comedian Who Used Blackface Comes Under Fire Online
BBC News|Japanese TV show featuring blackface actor sparks anger
Yahoo!ニュース|「差別とは思わない」が約5割、“浜ちゃん黒塗り”騒動での視聴者意識