教員不足とは

・ 教員不足とは、必要な数に対して教員が不足しており、正常な学校教育が行えない状態。2017年8月21日、朝日新聞の記事「元社会教諭に『数学教えて』 教員不足、九州の教委必死」がYahoo!ニュースで配信され、インターネット上で注目された。モンスターペアレンツやブラック部活など、教員を取り巻く過酷な労働環境が世間に知られるようになっている状況下、教員志望者が不足するのは当然だという意見が多く挙がっている。

・ 朝日新聞によれば、九州における教員不足が深刻な状況にある。2017年度はじめから欠員が多く、福岡県では60人以上不足した。メールを通じて教員免許保有者の紹介を保護者に依頼したり、他教科の教員免許を持つ人に授業を依頼したりといった対策がとられているが、教員の足りない授業がほかの授業に置き換えられることもあるという。

教員不足の背景

・ 朝日新聞は、教員不足の背景として「第2次ベビーブーム世代の就学時に採用された教員の大量退職」を挙げている。第2次ベビーブームとは、1971年~1974年頃を指し、その時期に生まれた子どもが小学校に入学したのが70年代後半にあたる。教育社会学者の舞田敏彦氏によれば、1975年度試験における小学校教員採用試験の競争率は2倍強で、2000年度のおよそ6分の1だった。2015年度試験の競争率は3.9倍とピーク時より下がり、教員の採用数は増えている。

・ それにもかかわらず、教員の数が不足している理由として、佐賀新聞は「特別支援学級の増加」を挙げた。佐賀県内の公立小中学校では、少子化によって普通学級の数が減少している一方、特別支援学級の数が増えているのだという。2013年度、同県内公立小中学校での普通学級数は2401、特別支援学級数は460だった。2017年度は、普通学級数が2281、特別支援学級数が669。正規教員がおよそ360人不足したため、欠員は講師を雇うことで補っているが、講師も不足しているという。

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教員不足への意見

・ 2017年7月に放送されたNHKの情報番組『おはよう日本』では、全国の公立小中学校で教員が不足していると報道された。これについて、文部科学省教職員課の佐藤光次郎課長は「待遇改善は間違いなく、働き方改革のひとつの論点」と番組内で述べたものの、同時に「教員という仕事の重みとか、やりがい」を発信する取り組みを進めたいと話した。

・ 教員不足という状況に対し、「やりがい」を発信したいと述べた文部科学省職員に対しては、インターネット上で「やりがい搾取」「賃金を上げるしか手はない」などの批判が挙がった。『おはよう日本』の報道に関連して、三重大学名誉教授の奥村晴彦氏はTwitter上で、人件費削減のために正規教員ではなく臨時講師が募集されているため、応募が少なく、教員不足が解決しないのだと説明した。

(参考)
Yahoo!ニュース|元社会教諭に「数学教えて」 教員不足、九州の教委必死
佐賀新聞LiVE|教員、講師足りない 県内小中、30人に臨時免許
コトバンク|ベビーブーム
PRESIDENT Online|教員選考競争率「50倍vs3倍」世代断層の、職員室
NHK|小中学校で「先生が足りない」理由
Twitter|教員不足