法科大学院とは

・ 法科大学院とは、弁護士・検事・裁判官といった法律の専門家を育成する専門職大学院。一般的に、大学の学士課程を卒業した者が法科大学院に進学し、より専門性の高い授業や実務研修を受けることで、法律家としての素養を身につける。法科大学院を修了するか予備試験に合格することによって司法試験の受験資格が得られ、司法試験に合格して初めて弁護士などの専門職に就くことができる。

・ 2017年7月31日、全国の法科大学院数がピーク時の半分にまで減ったことが、朝日新聞によって報じられた。当該記事「法科大学院、半数が廃止・募集停止 背景に政府読み誤り」がインターネット上で公開されると、ソーシャルメディアにおいて話題となり、「法科大学院卒業だからこそ、法科大学院が司法試験と弁護士業務に何の役にも立たないことが分かる」「大学院を出ても弁護士になれない場合もあるのが実態」など、法科大学院の意義を疑問視するコメントが相次いで投稿されている。

法科大学院の成立から現在まで

・ 法科大学院は、司法制度を改革する手段として2004年に始まった。文部科学省によると、法科大学院構想の背景には「国民生活の様々な場面で法曹需要が増大する」という予想があり、2010年頃に司法試験の年間合格者数を3,000人程度まで引き上げることを目標として以下のような意義が掲げられた。

司法が21世紀の我が国社会で期待される役割を十全に果たすための人的基盤を確立するためには、司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備することが不可欠であり、その中核をなすものとして、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院が構想されました。

(引用元:文部科学省|法科大学院制度について

・ 2005年時点で、法科大学院は全国に74校あったものの、新規学生の募集停止や法科大学院自体の廃止が相次ぎ、2017年時点で募集を続けているのは39校に留まるという。法科大学院設立の目的であった司法試験の合格者増加に関しては、2010年の合格者は2,074人で、最も多かった2012年でも2,102人。2016年は1,583人にまで減少した。合格率も、2006年には48.3%だったが、2016年は23.0%と低調だった。

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法科大学院減少の理由

・ 法科大学院の数が減少している背景には、弁護士の需要が増えないことに由来する就職難などを原因とした「法科大学院離れ」「法曹離れ」があるといわれている。これによって法科大学院への志願者が減少したほか、文部科学省が2015年度予算に「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」を導入して以来、各法科大学院の司法試験合格率や入学定員充足率に応じて補助金の基礎額が決定されるようになった。各法科大学院は3段階に評価され、それぞれの受け取れる補助金の基礎額は90%、60~80%、0%と定められた。

・ 上記の予算改革により、補助金が減額されることで運営難に陥る法科大学院が続出し、13の法科大学院が2015年度からの新規学生募集を停止した。2018年度からは青山学院大学や立教大学の法科大学院でも募集停止が決定されている。立教大学の吉岡知哉総長は、「弁護士になっても職がないなど、法曹界のイメージ低下も影響した」と話す。2018年度の法科大学院入試は39校で行われる予定だが、定員割れの状態にある法科大学院は多く、「採算が取れる学校はほとんどないはず」という指摘も出ている。

(参考)
文部科学省|法科大学院制度について
文部科学省|法科大学院教育の抜本的かつ総合的な改善・充実方策について(提言)
文部科学省|法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム
法務省|司法試験の結果について
日本弁護士連合会|司法試験合格者の状況
朝日新聞デジタル|法科大学院、半数が廃止・募集停止 背景に政府読み誤り
朝日新聞デジタル|苦境の法科大学院「採算取れる学校、ほとんどないはず」
産経ニュース|司法試験合格者は1583人 昨年より267人減 法科大学院別の合格率一覧表付き
法科大学院ガイド|法科大学院とは
Twitter|法科大学院