LCCとは

・ LCCとは“Low Cost Carrier”の頭文字をとったもので、日本では格安航空会社とも呼ばれる。機内食など、従来の航空会社では無料のサービスをカットする代わりに、航空券の価格を安く設定している。たとえば人気路線である羽田―那覇間で比較すると、ANAやJALの普通・片道運賃なら4万円以上かかるが、LCCなら1万円以下に抑えることができ、最大でおよそ8割安く航空券を購入することができる。

・ 近年、外国人旅行者の数は伸びつづけているが、その背景のひとつに挙げられるのがLCCの就航数増加である。こうした中、2016年3月、日本政府はインバウンド(※)を増やし「観光先進国」として経済成長するため、2020年の訪日外国人を4,000万人に増やす目標を設定した(※インバウンドとは、外国人が日本を訪れて旅行すること)。2020年は東京オリンピックの開催年で、多数のインバウンドおよびそれにともなう経済効果が期待されており、LCCは大きな役割を果たすこととなる。

・ LCCの就航数増加、新規路線開通の例として、LCCの香港エクスプレス航空は2016年6月、香港―石垣(沖縄県)間の路線を開通した。石垣空港に国際便が就航するのは初めて。同じくLCCのピーチ・アビエーションは、2017年2月にバンコク―那覇線を開設予定。観光ビザの発行条件緩和などにより、特にアジアからの旅行客は今後も増えると予想される。

日本におけるLCC

・ LCCは1960年代に米国で登場し、日本に参入したのは2007年。日本企業ではスカイマーク、ピーチ・アビエーションなどがある。ANAやJALといった、レガシーキャリアと呼ばれる従来の航空会社よりも価格が安いことを強調し、旅客数を伸ばしている。

・ JTB研究所が2015年に行った調査では、国内線に乗った人のうち、LCCを利用した人は22.5%。2013年の調査から11ポイント増えており、特に18~29歳の若い世代で利用率の伸びが大きい。LCCを選んだ理由としては「安かったから」が90.1%で最も多い。しかし同時に、利用評価として「最近価格が高くなってきた」と回答した人は43.0%で、前回から7.8%増加している。

・ 金融経済メディアであるZUU onlineによると、LCCの高価格化は世界的な動向になっている。特に日本の顧客は手厚いサービスを希望する傾向があるため、LCC業界は安さだけではなくサービスの充実によって顧客満足度を高めることを狙っていく。しかし、LCCはサービスのカットによって経費を削減し低価格を保っているので、サービスを充実させれば既存の航空会社との差異化が難しくなってしまうという問題もある。

・ とはいえ、LCCが既存の航空会社より安いという事実は変わらない。安価な移動手段として代表的だった高速バスと比べれば、区間によってはより短時間で快適に移動することができるため、長距離移動手段の選択肢の一つとして考慮することには充分な意義があるだろう。

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LCCを利用する際の注意

・ LCCはサービスのカットによって低価格を実現しているため、従来の航空会社とは異なり不便な点もある。たとえば、一度にできるだけ多くの旅客を運ぶため、機内の座席は密に配置されており、狭い。また、LCC路線の飛行時間は比較的短く、フライト中に食事が必要になることは少ないとはいえ、機内食を希望する場合は追加料金を払わなければならない。さらに、搭乗予定の便が欠航しても、他社の便に振り替えることができず、日付をまたいで次の便を待つ場合もある。

・ また、大抵のLCCでは荷物を預けるのに追加の費用がかかる。手荷物として客室に持ち込むことすら有料であるLCCもある。空港使用料を抑えるため、街の中心から離れた空港に乗り入れる場合もあり、移動にも別料金がかかる。このように、LCCを使うことで航空券以外にも費用がかさむため、総合的な費用と快適さを考えて自分にとって最適な移動手段を選ぶ必要がある。

(参考)
コトバンク|LCC
地球の歩き方|【特集】LCC(格安航空会社)とは?お得な航空券の探し方
Compathy Magazine|LCCのメリット&デメリットとは?活用するための4つの心得
格安航空券空旅.com|JAL・ANAとLCCでは何が違う?8つのポイント徹底比較
最強クレジットカードガイド|LCCとJAL・ANAはどっちがお得!?料金・サービス・マイレージ徹底比較!
日本経済新聞 電子版|ピーチ、旅客数600万人強目指す 17年度
日本経済新聞 電子版|航空会社の競争促す 羽田増便、国交省割り振り決定
日経アーキテクチュア|LCCのピーチがアジア客をつかんだ理由【インバウンド・ジャパン 2016】
ZUU online|経営破綻「スカイマーク」再建の道 脱LCCが加速する国内事情
ZUU online|空港施設も変えたLCCのインパクト
JTB総合研究所|LCC利用者の意識と行動調査2015
グローバル・デイリー|LCC国際線が拡大 インバウンドにどんな影響を与えるだろうか?
ニッセイ基礎研究所|訪日外国人旅行客数は増加するのか~「2020年に4,000万人」達成に高い壁、新たなインバウンド拡大策が必要
観光庁|訪日外国人旅行者の受入環境整備
LCCニュース|ピーチ、新路線 沖縄(那覇)―バンコク(スワンナプーム)線が来年2月19日に就航!1日1往復で