ライフ・ワーク・バランスとは

・ ライフ・ワーク・バランスとは、個人の事情や希望に応じ、仕事と仕事以外の活動(育児・介護・趣味など)の調和がとれている状態。ワーク・ライフ・バランスともいう。長時間労働・ワンオペ育児・介護離職など、多くの社会問題が認知されるようになった昨今、それらの問題を解決する一助として、ライフ・ワーク・バランスという概念の理解と周知がいっそう求められている。

・ 2007年に、閣僚および経済界・労働界・地方公共団体の代表などで構成される「官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定されて以来、ライフ・ワーク・バランスの実現に向けてさまざまな方策が立てられている。たとえば、2017年1月から施行されている改正育児・介護休業法によって、育児・介護による休暇取得の要件が緩和されるなどして、育児・介護と仕事との両立がしやすい環境が整備されつつある。それぞれの企業でも、残業を禁じたり、自宅での勤務を許可したりするなどの制度を整えることで、労働者のライフ・ワーク・バランスを尊重することが必要とされている。

なぜライフ・ワーク・バランスが必要か

・ 独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によれば、2016年における共働き世帯の数は1,129万世帯で、専業主婦世帯は664万世帯。その差は年々広がっている。しかし、上述した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、共働き世帯の増加に社会的基盤が対応しきれておらず、「職場や家庭、地域では、男女の固定的な役割分担意識が残っている」ことが指摘されている。

このような社会では、結婚や子育てに関する人々の希望が実現しにくいものになるとともに、「家族との時間」や「地域で過ごす時間」を持つことも難しくなっている。こうした個人、家族、地域が抱える諸問題が少子化の大きな要因の1つであり、それが人口減少にも繋がっているといえる。

(引用元:内閣府|仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章

・ そのため、政府は少子化の流れを変え、日本社会を「持続可能」なものにすることを目的とし、ライフ・ワーク・バランスの実現に取り組んでいる。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、目指すべき社会の具体例として「就労による経済的自立が可能な社会」「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」「多様な働き方・生き方が選択できる社会」が挙げられている。

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ライフ・ワーク・バランスの実践例

・ コンサルティング業などを手がける株式会社ワーク・ライフバランスの代表取締役を務め、ライフ・ワーク・バランスに関する講演を全国で行っている小室淑恵氏は、株式会社資生堂に勤務していた頃、「ライフ」の重要さに気がつくきっかけがあったという。当時、23時まで残業することが常態化していた小室氏は、あるときから上司に「19時に帰れ」と命じられるようになった。しぶしぶ19時に退社し、持ち帰った残業を行う前に友人と食事をとる習慣が生まれると、小室氏は友人の紹介を通じて営業先を開拓できるようになった。このことをきっかけに、小室氏は19時に退社するようになり、さまざまな人と交流を持つようになったという。小室氏は当時の自分について、「忙しいと思い込んで、ライフから目を背けて仕事に逃げていたんです」と話している。

・ 株式会社ワーク・ライフバランスがコンサルティングを行った企業は、大企業と中小企業がおよそ半分ずつなのだという。そのなかで、ある企業は社員がわずか6人だったが、そのうち4人が1年で退職してしまう状況だった。新しい人材の採用・教育に時間とコストがかさむことが続き、悪循環に陥っていたと小室氏は話す。そこで、子どもを持つ母親を積極的に採用するようにしたところ、よい結果が生まれたという。

今は6人中4人がワーキングマザーです。4人は、子育てがあり夕方には家に帰らなくてはいけませんが、それによって、定時退社が当たり前の『早く帰っても認められる会社』に変わりました。ママ社員にとっては、とても貴重な会社なので、ここ2年くらいは社員の入れ替わりもありません。採用のための掲載費や育成のための時間が全くかからなくなり、ロスが大幅に減りました。

(引用元:ハフィントンポスト|「残業ゼロ、中小企業こそ効果がある」小室淑恵さんに聞くワーク・ライフバランス【実例】

(参考)
TOKYO ライフ・ワーク・バランス
内閣府|仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
内閣府|政府の取組
独立行政法人 労働政策研究・研修機構|図12 専業主婦世帯と共働き世帯
厚生労働省|【平成29年1月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし
ハフィントンポスト|「19時に帰ったら、全てが変わった」小室淑恵さんに聞くワーク・ライフバランス【Woman’s Story】
ハフィントンポスト|「残業ゼロ、中小企業こそ効果がある」小室淑恵さんに聞くワーク・ライフバランス【実例】