ロジスティクス4.0とは

・ ロジスティクス4.0とは、ロジスティクスの分野において、テクノロジーの進化によりこれまで人が行っていた作業がロボットに置き換わり、省人化や標準化が進むこと。テクノロジーの進化とは主にIoT(Internet of Things。物をインターネットにつなぎ、自動制御や遠隔操作できるようにすること)の進展を指す。無人の運搬車やドローン、自動運転車、高度なピッキングロボットによる、物流分野における革新を、ロジスティクス4.0と呼ぶ。

・ ロジスティクス(logistics)とは、原材料の調達から、生産、販売までのものの流れを、企業が効率的に管理するシステムのこと。日本語では広く「物流」と言い表される。

・ ロジスティクス4.0は、第4次産業革命(インダストリー4.0)の物流版と言われている。第4次産業革命とは、AIやIoT、ロボットなどのIT関連技術による製造業のデジタル化、産業構造の転換という意味。ロジスティクス4.0は、これらのIT技術をロジスティクス分野で活用し、作業を効率化しようとするものである。

・ ロジスティクスの分野には、これまでに、次の3つの革新があった。第1から第3の革新に続く第4の革新が、ロジスティクス4.0である。経営戦略コンサルティング会社ローランド・ベルガーのまとめた資料によると、第1から第3の革新とは次の通りである。

第1の革新:「輸送の機械化」(19世紀後半から20世紀にかけて)
鉄道網の整備、トラックの実用化(陸上輸送力の強化)、汽船・機船が普及(海上輸送力の強化)で、大量輸送時代の幕開けとなった。

第2の革新:「荷役の自動化」(1960年代~)
自動倉庫や自動仕分といった機械化が進み、荷役(貨物の上げ下ろし)作業が一部機械化された。

第3の革新:「物流管理のシステム化」(1980年代~)
ITを活用した物流管理システムが広がり、在庫や配車などの管理が自動化・効率化した。

ロジスティクス4.0によって可能になること

・ ロジスティクス4.0の考え方では、IoTを活用することによって、人の介在をできるだけ減らしながら物流を効率化する。しかし現段階では、ロジスティクス4.0の定義はまだ漠然としている。ロジスティクスに関わるさまざまな企業が、ロジスティクス4.0に基づいてどのようなことができるのか、模索しているところではあるが、以下に挙げるような取り組みが、具体的に検討されたり、すでに形となって動き始めたりしている。

・ 例えば、世界最大のトラックメーカーであるDaimlerは、自動運転トラックの開発に取り組み、2025年までの実用化を目指して、ドイツとアメリカの公道での試験走行を開始している。また、Amazonは、注文した商品をドローンによって30分以内に届けるサービスを実用化するため、各国でテスト飛行を実施している。

・ 自動運転トラックやドローン輸送に関しては、日本でも期待が大きい。日本では、長距離輸送を担う大型ドライバーの人材不足、地方におけるドライバー不足が深刻になっている。現状では法律面などでのハードルがあるとは言え、今後自動運転トラックやドローン輸送が可能になれば、人材不足の問題を解消する足掛かりになると見られている。

・ トラックなどの自動運転、ドローン輸送、倉庫ロボットなどの力により、将来的には、人による作業が機械に置き換わる。とは言え、すぐにすべてが機械化されることは考えにくい。ローランド・ベルガーは、ロジスティクスの省人化の将来性について、次のように分析している。

短期間に全てのプロセスが自動化・ 機械化されることはないだろう。 過渡的には、部分的な自動運転の実現やパワードスーツの活用などにより、特別な経験やスキル、体力、長時間労働などを必要としない、物流業務の“非3K化”が進むと予想される。結果として、ロジスティクスのコストパフォーマンスは、着実且つ段階的に向上するはずである。

(引用元:ITmedia エグゼクティブ|Logistics 4.0――物流ビジネスにおける新たなイノベーション

・ また、倉庫ロボットの高度化により、現在人が行っている荷役作業の多くを、ロボットが代わりに行うことができるようになる。従来、倉庫の棚から商品を取り出すピッキング作業は、棚やケース単位でピッキングする程度までしか自動化できていなかった。しかし最近になって、人間と同じように荷物をピース単位でピッキングするロボットが開発され始めている。技術や価格面で普及にはまだ遠いとされるが、今後の開発に期待が集まっている。

・ 国際物流の大手DHLも、IoTがロジスティクス分野にもたらす影響に関する具体的な展望について、次のような見解を発表している。今後の発展が期待される分野であることがうかがえる。

倉庫管理の分野ではオンライン化されたパレットやその他の物流用アイテムが、より優れた在庫管理を推進するかもしれません。貨物輸送の分野では、荷物の追跡がより早くより正確に、また予測的にかつ安全に実施され、一方、ネットへ接続された車両分析は、車両故障を事前に予測し、自動的なメンテナンス・チェックのスケジュール調整を支援します。また、配達員を周囲の車両や人に繋げることは、収益化を高め、「ラストマイル」配達の効率性およびサービスを向上させるべく復路の最適化の一つの方法となり得ます。

(引用元:PRTIMES|「IoT」は今後、サプライチェーンや物流業界に約226兆円規模の利益をもたらす

(参考)
ITmedia エグゼクティブ|Logistics 4.0――物流ビジネスにおける新たなイノベーション
Nricブログ|CeMAT Hannoverで見たLogistics4.0
物流倉庫プランナーズ|ロジスティクス4.0による変化と新たなイノベーション
PRTIMES|「IoT」は今後、サプライチェーンや物流業界に約226兆円規模の利益をもたらす
事業構想PROJECT DESIGN ONLINE|これから「物流」はどう変わるのか IoTの加速で新サービス
Wikipedia|ロジスティクス
英辞郎 on the WEB|logistics
STUDY HACKER|第4次産業革命