ミラーレス車とは

・ ミラーレス車とは、バックミラー(ルームミラーやサイドミラー)をすべて、高性能のカメラとモニター(カメラモニタリングシステム)に置き換え、周辺の状況を確認できるようにした車。

・ 2016年6月に、国土交通省が道路運送車両法の保安基準を改正し、ミラーレス車の製造が認められるようになった。この措置は、2015年11月に国連の自動車基準調和世界フォーラムにおいて自動車の安全に関する新たな国際基準が採択され、すべてのミラーをカメラで代替することが認められたことに基づくもの。新基準を踏まえて国土交通省も、カメラが映し出す範囲やモニターの性能がミラーと同等の画質・範囲をクリアしていることを条件にすることで、安全が確保できると判断した。

・ ミラーレスが認められる車は、乗用車、トラック、バスなどの四輪車。二輪車は対象外である。周辺の状況を映すモニターは、運転手が違和感を持たないよう、従来のミラー位置と同じような位置に設置される。

・ ミラーレス車の製造が解禁されて以降、関連各社がミラーレス車の開発に乗り出している。車載用ミラーで世界シェアの約2割を占める自動車部品大手フィコサ・インターナショナル(スペイン)と資本提携し、2015年よりすでにミラーレス車部品の開発を進めていたパナソニックは、2017年度中に自動車メーカー向けにミラーレス車用の基幹部品の販売を始める。また、バックミラー製造の国内最大手村上開明堂などは、2018年頃の市販化に向けて量産化を目指している。

・ 自動車メーカーでも、ミラーレス車の開発が進む。BMWやトヨタ、日産など国内外の自動車メーカーが、コンセプトカーとしてミラーレス車を発表しており、今後の開発の動向に注目が集まっている。

ミラーレス車のメリットと課題

・ 車をミラーレスにすると、カメラとモニターによって得られる視界は従来に比べ広くなるうえ、画像処理の技術によって鮮明に映し出すことが可能になることから、安全性の向上に役立つと期待されている。また、これまで車外に設置していたサイドミラーの代わりになるモニターを車内に設置することとなり、以下のようなメリットが生まれる。

サイドミラーがなくなれば、その分の空気抵抗が減って燃費改善につながるほか、デザイン上の制約も一定程度なくなる。ミラーと肉眼では、室内の柱などによる死角が生じるが、カメラの場合は配置を工夫することで「死角が減って安全性が高まる」(自動車大手)。雨の日も、ドアガラスの水滴などに邪魔されず鮮明な画像を見ることができるという。

(引用元:毎日新聞|ミラーレス車 開発加速 後方の安全、カメラで確認

・ 一方、現時点でのミラーレス車の課題のひとつとして挙げられるのは、コストの問題。ミラーレス車の仕組みは従来のバックミラーとは異なり複雑なシステムであるため、導入した車の価格は数万~数十万円ほど上昇する。そのため、当面は高級車向け、オプション向けの機能となる見込み。今後の普及に向けいかにコストダウンできるかが注目される。この他、信頼性の確保の問題(壊れたら周囲が見えなくなってしまう)、映像の遅延の問題(カメラで撮影してからモニターに映すまでのタイムラグの改善)も懸念点として挙がっている。

(参考)
国土交通省|バックミラー等に代わる「カメラモニタリングシステム」の基準を整備します。- 道路運送車両の保安基準等の一部改正について -
日本経済新聞|「ミラーレス車」公道走行、6月にも解禁 国交省 
日本経済新聞|バックミラーなくてもOK 「ミラーレス車」解禁 
産経WEST|パナソニック、「ミラーレス車」参入 車の視界すべて取り込む 車のデザイン変わる?
毎日新聞|ミラーレス車 開発加速 後方の安全、カメラで確認
グーネット|ミラーレス車とは?特徴とメリット・デメリットについて
マイナビニュース|自動車ニュースを読み解く14 ミラーレス車が現実に!? 保安基準など変更で自動車はどう変わる?
carnnyマガジン|ミラーレス車解禁でどう変わる!?メリット・デメリットと予定されるミラーレス車を一挙公開