N高校とは

・ N高校は、全日制高校と同じ卒業資格を得ることができる、学校教育法第1条に定められた高等学校。授業はほぼすべてインターネット上の映像教材で行われ、生徒は、好きな時間に好きな場所でネットを通じて授業を受け、テストやレポートで単位が認定される。普段の学校生活におけるコミュニケーションは、チャットツールのSlackを用いて行われる。

・ 本校舎は沖縄県うるま市にあり、小中学校の旧校舎を改装して作られた。他に、全国各地に代々木ゼミナールの校舎などを利用したスクーリング会場が設けられており、生徒は年5日スクーリングに参加する。

・ N高校が掲げるのは、生徒の「自分らしさ」を伸ばすこと。周りと同じでなくても良い、「脱ふつう」に取り組む、いまの時代にあった学校として、提携関係にあるカドカワとドワンゴが学校法人を設立し開校した。校長の奥平博一氏は次のように述べている。

この学校の目標は、皆さんが社会的に「自律」できる人になってもらうことです。「自律」とは学ぶこと、働くことを通じて、世の中で自分の「居場所」をみつけることです。ではその居場所はどのように見つけるのでしょうか。「自分は自分以外の誰でもない」という自信を持つことができれば、社会にその「居場所」を見つけることができると思います。

(引用元:N高等学校|校長からのメッセージ

・ 通信制の学校ではあるが、制服もある。また、校歌(「代数Nの方程式」)も作られている。

・ Nには特定の意味は無いが、Net、New、Nextなどの意味が込められている。

・ 学費が安いため、費用面で進学をあきらめていた生徒が入学するケースもある。

学費は、一般的な高校1年生から3年生まで通うケース(履修単位数により授業料は変動)で、1年次25万円、2年次20万円、3年次20万円の合計65万円だが、家庭での教育負担額軽減を目的とした国の制度「高等学校等就学支援金」により、合計29万円台までに減額される。これにより、平均年間10万円程度で通学可能だという。1単位あたりの授業料は5000円。

(引用元:INTERNET Watch|カドカワ、ネットの高校「N高等学校」を2016年4月開校

・ 初年度の入学者は1482人で、最高齢は86歳の女性。2016年4月6日、本校舎と六本木のイベント会場ニコファーレにて入学式が開催された。ニコファーレで参加した73人の新入生がVR(仮想現実)ヘッドマウントディスプレイを装着して本校舎の映像を体感したり、来場できなかった約1,000人の新入生がニコニコ生放送で出席したりするなど、普通の入学式とは一線を画す入学式となり、ニュース等で話題となった。

特徴的な多彩な活動

・ N高校の大きな特徴は、通学時間や校舎で拘束される時間がない分、生徒自身が好きな勉強に時間を費やすことができる点。その時間を使って、多彩な課外授業を受けることができる。ドワンゴと提携したプログラミングの授業、カドカワと提携した小説創作授業など、コンテンツ系の授業が充実している。

・ 通信制高校ではあるが、代々木ゼミナールと提携した「提携通学コース」を選択することも可能。このコースでは、本格的に大学進学を目指して勉強することができる。また、東大を目指す生徒専用の「N塾」は愛知県に寮を構える全寮制。個別指導の坪田塾(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』著者が塾長)と提携しており、東大をめざすための受験勉強に徹底的に取り組むことができる。

・ こうした多彩なカリキュラムについて、学園の理事長でありカドカワ株式会社代表取締役会長の佐藤辰男氏は次のように述べている。

いま社会では、従来の社会基盤を守る人材に加えて、新しい社会システムを創造していく人材が求められています。多様な人材確保のためには教育にも多様性が必要です。この学校では従来の教育スタイルとは異なるものを提供します。授業を受ける時間・場所だけでなく、自分の興味のある分野をつきつめるスタイルです。

(引用元:N高等学校|理事長インタビュー

・ ネットを活用する通信制高校ならではの取り組みは、ほかにもある。

- 部活
ゲームを活用する。例えば、将棋部は「将棋倶楽部 24」、囲碁部は「幽玄の間」、サッカー部は「ウイニングイレブン」シリーズなどのゲームソフトを使って部活を行う。

- 遠足
ゲーム「ドラゴンクエストX」内にネット遠足し、宝探しや鬼ごっこなどをして、生徒同士の交流を深める機会とする。

- 文化祭
ニコニコ超会議が文化祭の代わりとなる。

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専門家が今後に期待すること

・ 注目すべき取り組み。学校が生徒に継続的に学ばせる仕組みに期待が集まる。

遠隔教育に詳しい信州大学の香山瑞恵教授は「進路の選択肢が広がるのは良いことだ。特徴的な課外授業が話題になっており、プログラミングを学びたいなど、強い動機付けを持った生徒には適しているのではないか。一方で、一般的な高校生にとって、映像教材だけで学習を継続するのは難しい。どのような生徒が学ぶのか、教員によるメンタルサポートがあるのかなど、注目していきたい」と話す。

(引用元:毎日新聞|カドカワ 通信制「N高校」開校 新入生1482人が入学式

・ ネットで行う教育ならではの成果を分析することが重要。

教育経済学者の中室氏は、「データを分析し、その知見を使ってN高校の分析をしていきたい。特に、個別の支援を必要とする生徒は、従来我々が想像するような一般の公教育では対応が難しく、公教育が十分な役割果たせていない。N高校は大きなブレークスルーになるのではないか。よりよいサービスを提供するために、データを使って全体を俯瞰し、経済学的な知見から明らかにしていきたい」と語る。

(中室牧子氏は、N高校アドバイザリーボードのメンバー)

(引用元:ITpro|N高はログが取れて解析できる、ネットの高校ならでは部活や遠足も

(参考)
N高等学校
ITpro|N高はログが取れて解析できる、ネットの高校ならでは部活や遠足も
毎日新聞|カドカワ 通信制「N高校」開校 新入生1482人が入学式
ASCII.jp|SAO作者が”ネットで授業”カドカワが「N高校」を作る理由
ITmedia ニュース|東大受験に特化「N塾」、カドカワが開校 川上社長「1年で東大合格者を出す」
CNET Japan|校長の式辞を沖縄からVRでリアルタイム配信–カドカワの「N高等学校」が入学式
ITpro|「N高等学校」入学者千数百人で4月開校、「N」人の「N」個の可能性に応える
ITmediaニュース|入学式はVR世界で――ネットの高校「N高」開校、式辞は“ディスプレイ越し”
INTERNET Watch|カドカワ、ネットの高校「N高等学校」を2016年4月開校