「願いごとの持ち腐れ」とは

・ 「願いごとの持ち腐れ」とは、2017年度の第84回Nコン(NHK全国学校合唱コンクール)における「中学校の部」の課題曲として制作された楽曲。しかし、歌詞や曲調が合唱の課題曲としてはふさわしくないとして、「願いごとの持ち腐れ」は合唱関係者などから多くの批判を浴びている。「願いごとの持ち腐れ」は、女性アイドルグループ・AKB48による2017年5月31日発売のシングルCDに収録される予定。

・ Nコンは、日本を代表する合唱コンクールのひとつで、小学生の部・中学生の部・高校生の部に分かれている。Nコンは1932年に始まって以来、ほぼ毎年開催され、2016年度には2,564校が参加した。課題曲は、Nコンのために毎年新しく制作されている。

・ 「願いごとの持ち腐れ」は、AKB48やその姉妹団体の総称であるAKBグループの総合プロデューサー・秋元康氏によって作詞された。秋元氏は、Nコンの公式サイト上で、中学生に向けたメッセージを述べている。

みなさんが一所懸命歌ってくださるような、みなさんの記憶に残るような、その1ページになるような歌を作りたいと思います。それぞれの色が混ざり合って、みなさんだけにしか出せないような、そんな色のある歌を作りたいと思っております。お楽しみに。

(引用元:NHKオンライン|課題曲

「願いごとの持ち腐れ」への批判

・ 2017年3月、プロの指揮者として活動している田久保裕一氏は、「願いごとの持ち腐れ」がNコンの課題曲となったことにFacebook上で苦言を呈した。田久保氏は、2017年度大会のテーマが「夢」であるにもかかわらず、「願いごとの持ち腐れ」の曲名や曲調の印象が暗い点を指摘し、中学生が取り組む曲としてふさわしくないと批判した。また、2008年度の大会以来、Nコンの中学生の部における課題曲が「ポップス化」しているとし、教育的価値に乏しいと述べた

確かにJ-POPは若者ウケするかもしれません。しかしこれまで多くの中学生が取り組み、大切に育んできた合唱曲の中において、ポップスは異質なものですし、発声も違うはずです。ミュージシャン自身が歌うことについては否定しませんが、合唱にアレンジして演奏することにより、どのような教育的価値を見出せるのでしょうか。

(引用元:Facebook|田久保裕一

・ 作曲家の若松歓氏も、自身のwebサイト上で、「NHKは越えてはならない線を越えてしまった」などと批判を述べた。若松氏は、「願いごとの持ち腐れ」という曲名に生理的嫌悪を感じたとするほか、「残念ながらこの作品には、夢や希望が殆ど感じられなかった」と語った。また若松氏は、秋元氏による歌詞が抽象的すぎるため「具体的情報がなく、映像が全く浮かんでこない」「これを読んだ中学生が理解できるとはとても思えない。詞を理解できなければ、合唱を深めることは出来ない」と問題点を挙げた。

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「願いごとの持ち腐れ」への擁護

・ 田久保氏の意見は多くの賛同を得た一方で、「AKBが嫌いなだけ」「売名行為」など、インターネット上では田久保氏に対する匿名の批判も見られた。また、Nコンの課題曲に不満があるのであれば、「自分たちの作った曲でレベルの高いコンクールをやればよい」という意見もあった。

・ 2017年4月現在、「願いごとの持ち腐れ」は、NHKの音楽番組『みんなのうた』内でアニメーション映像とともに放送されており、視聴した人からは「いい歌」「泣いた」などの感想がSNS上に投稿されている。また、曲名には問題があるとするものの、「歌詞をちゃんと読めばポジティブな曲」と好意的に評する人もいた。

(参考)
NHKオンライン|願いごとの持ち腐れ
NKHオンライン|Nコン2017
NHKオンライン|課題曲
dot.|AKB48の新曲「願いごとの持ち腐れ」合唱関係者らが猛ブーイング
田久保裕一のミュージックプラザ|NHKに提出した文章です。
若松 歓のホームページ|NHK全国学校音楽コンクールの危機的状況
日刊スポーツ|AKB、5・31にシングル「願いごとの持ち腐れ」