ニシキゴイ放流とは

・ ニシキゴイ放流とは、景観を美しくすることなどを目的として日本各地の河川や公園で行われている、ニシキゴイを川や池に放流する催し。2017年5月、生態系の破壊につながるとしてニシキゴイ放流を批判するブログのエントリーが注目を浴び、ソーシャルメディア上でニシキゴイ放流の是非が話題となった。

・ エントリー内では、NPO法人「未来の荒川をつくる会」が2017年5月に山梨県で行ったニシキゴイ放流イベントが取り上げられた。同イベントでは、荒川の支流である貢川(くがわ)に地元の小学生たちの手で300匹のニシキゴイが放流され、甲府市長や国会議員も立ち会ったという。「未来の荒川をつくる会」によるニシキゴイ放流イベントは、これで第9回目にあたり、2016年に行われた第8回では、計320匹のニシキゴイが貢川に放流された。「未来の荒川をつくる会」は、ニシキゴイ放流イベントの開催目的を以下のように述べている。

この度、NPO法人「未来の荒川をつくる会」では自然学習、情緒教育の一環として自然環境の保全、河川美化運動の啓発に資することを目的に「錦鯉」の放流を実施いたしました。

(引用元:未来の荒川をつくる会|第8回「錦鯉」放流を行いました

・ ニシキゴイ放流イベントは、ほかの団体によっても行われている。2016年11月には、神奈川県の五反田川に、地元自治会の主導でニシキゴイなど800匹が放流された。「川をきれいにして川沿いを散歩する子どもたちの目を楽しませ」ることが目的だという。また同月、特別名勝に指定されている香川県高松市の栗林公園では、園内の池にニシキゴイ200匹が放流された。

ニシキゴイ放流の問題

・ ニシキゴイ放流には、多くの問題点が指摘されている。まず、ニシキゴイとは江戸時代、突然変異で誕生した色つきのマゴイが養殖によって増やされたといわれており、本来は自然界に存在しない観賞魚である。そのため、庭園の池のような人工的な空間なら問題ないが、自然の河川にニシキゴイを放流することで、本来の生態系が変化してしまう。

・ また、ニシキゴイに限らずコイは食欲旺盛であるとされ、ほかの魚のエサとなる貝や水草を食べ尽くしてしまうという。さらに、国立環境研究所の松崎慎一郎主任研究員が行った実験により、コイがエサを探して水底の泥を巻き上げることで日光がさえぎられ、水草が枯れてしまうことが証明された。以上のような理由で、ニシキゴイ放流は生態系の乱れにつながるのである。

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ニシキゴイ放流に対する意見

・ インターネット上には、ニシキゴイ放流に関する多くの意見が見られる。今回話題になったことで、ニシキゴイ放流に問題があると初めて知り、「勉強になりました」「色々問題があるんですね」と納得する人が少なくなかった。

・ 本来の生態系を乱すことから、ニシキゴイ放流を批判する声も多い。Twitter上では、「知らないことを責めるつもりはないけど、無知って罪だと思う」「主催者が勉強不足」「あまりにも無知過ぎる」など、善意に基づく行動が環境破壊につながっていることに苦言を呈する声が目立った。

(参考)
WEDGE Infinity|炎上するニシキゴイ放流イベント、優雅な姿の裏に潜む“利権”
Yahoo!ニュース|炎上するニシキゴイ放流イベント、優雅な姿の裏に潜む“利権”
J-CASTニュース|ニシキゴイ放流、本当に「美談」か 生態系「破壊の恐れ」指摘も
産経WEST|ネット資金調達でニシキゴイ200匹放流 高齢化や捕食被害で激減していた香川の名勝・栗林公園
タウンニュース|五反田川に錦鯉800匹放流
未来の荒川をつくる会|第8回「錦鯉」放流を行いました
未来の荒川をつくる会|おさかな委員会「錦鯉の放流」の最近のブログ記事
コトバンク|ニシキゴイ
Twitter|錦鯉放流