ノケジョとは

・ ノケジョとは、農学系女子(または農系女子)を縮めた言い方。リケジョ(理系の学問を学ぶ女子)の派生語。インターネット上での注目度は、2015年頃から上昇してきた(GoogleTrends調べ)。

・ 大学の農学系学部は、近年人気が上昇している。農学系学部の入学志願者数は増加傾向にあり、日本私立学校振興・共済事業団によると、2015年度の農学系学部の合格倍率は3.48倍で、医学系、薬学系に次ぐ高さだった。この倍率は、理・工学系の3.00倍、社会科学系の2.71倍を上回るもの。

・ また、農学系学部の学生に占める女子の割合も増え続けている。東京農業大では、2014年度の合格者数(短期大学部を含む)に占める女子の割合は47.6%で、2007年度に比べ4ポイント以上上昇。帯広畜産大では、オープンキャンパスの参加者が5年前に比べ倍増し、2011年度以降女子入学者の割合が男子を上回り、2015年度には56%に達した。また、明治大学農学部では、女子の志願者が2008年度に比べ1,500人以上増加し、2015年度の新入生の女子比率は50%となった。一方明大農学部の同じ時期の男子志願者の増加は1,000人に満たなかった。

・ 農林水産省では、農業の担い手不足の問題が近年深刻さを増していることを受け、2013年11月に「農業女子プロジェクト」を発足した。女性向けのおしゃれな農作業着や、ピンク色の軽トラック、肌のために日よけを標準装備したトラクターなどの新商品を開発するほか、農業高校に出向いて講演するなどして、農業に従事する女性を増やす取り組みを行っている。

ノケジョが増えている理由

・ 農業に興味関心をもつ女子学生が増えている理由として、食への関心の高まり、学問のテーマが身近であること、食産業や地球環境問題など農業から派生して幅広い分野を学ぶことができること、などの点が挙げられる。専門家らは次のように分析している。

リクルート進学総研の小林浩所長は、数年前からこの動きに着目していた。その理由をこう話す。
「いわゆる農業だけにとどまらず、新しい学問を提供しているのが最近の農学部。食の安全やTPP、環境問題など、昨今の社会のさまざまな関心事に対してアプローチできる知識や技能が学べる点が、大きな魅力となっています」

(引用元:Yahoo!ニュース|トレンドは「リケジョ」ならぬ「ノケジョ」 文理を超えた横断学部

駿台予備学校で生物を教える朝霞靖俊講師は高校生が進路選択するなかで、「食品の安全性や環境問題など女子生徒に身近で見えやすい課題が多い」ことが大きいとみる。女性ならではの感性が食と環境に関する問題を鋭く感じ取るのだろう。

(引用元:日本経済新聞|農学部、広がるフィールド 「ノケジョ」志望が急増

・ 農業系の漫画、特に農業で女性が活躍する漫画のヒットも、ノケジョの増加を後押ししている。例えば、北海道の農業高校を舞台にした漫画『銀の匙』は、映画やテレビアニメにもなるほどの人気がある。

・ 農業系分野の人気が高まっていることを受け、学部を新設したり、定員を増やしたり、研究分野を広げたりする大学が出始めている。下記の例以外にも、農学系学部新設の動きは今後も続くと見られる。

- 龍谷大学
2015年度より農学部を新設。関西圏を中心に盛況で、2年目の入試でも全日程で募集人員の10~20倍の志願者が集まった。現在、女子学生の比率は約45%。

- 山梨大学
2016年度より、生命環境学部地域食物科学科のワイン科学特別コースの定員を6人から13人に倍増。地元のワイン産業と関わりながら、日本の気候に合わせた栽培方法の開発や品種改良に取り組むコース。

- 徳島大学
2016年度、農学系の生物資源産業学部を新設。生産から加工、流通、販売までを網羅する新しい産業を提案することをめざし、地元経済に貢献する人材を育てるのが狙い。

- 帯広畜産大
約5年前、家畜を育てるという生産技術優先の方針から、食品加工やおいしさ、安全性の研究に幅を広げる転換を行った。農業の6次産業化(1次、2次、3次産業に多角的に取り組むこと)を見据え、研究分野を拡大した。

・ 大学だけでなく高校でも、ノケジョは増えている。農業高校に通う女子の割合は、1994年度あたりから増え始めた。その背景には、農業高校がもともと重視していたのは農業生産であったが、志願者の減少を受け、パティシエやトリマー、フラワーアレンジメントなど女子に人気が高く、職業にも直結する授業を充実させたという事情がある。文部科学省によると、2015年度の農業高校の女子の割合は48.8%で過去最高となり、20年間で15.3ポイント上昇した。

(参考)
Yahoo!ニュース|トレンドは「リケジョ」ならぬ「ノケジョ」 文理を超えた横断学部
日本経済新聞|農学部、広がるフィールド 「ノケジョ」志望が急増
東京新聞|<談論誘発>背景に「食」の危うさ 農を目指す「ノケジョ」急増
Business Journal|農業に目覚める若者、なぜ急増?遺伝子組み換え作物の農業支配、無農薬の自然栽培を破壊?
dot.|糞まみれでも大丈夫!? 農系女子が人気の理由
朝日新聞DIGITAL|農業高校、女子が5割目前 ペット飼育・料理…授業充実
日刊ゲンダイDIGITAL|大学は狭き門に 農業を学ぶ女子「ノケジョ」はなぜ増えた