オーダースーツとは

・ オーダースーツとは、自分の体形や好み、要望を反映した、オリジナルのスーツのこと。既製のスーツとは違い、生地の質や色・柄、ボタンなど好きなものを選ぶことができるほか、体を細かく採寸するため体形に最もフィットしたスーツを仕立てることができる。

・ 全身を採寸して一から作り上げるフルオーダーが最も本格的で費用もかかるが、近年人気のオーダースーツは、基本の型紙(サンプル服)に補正を加えて体形にフィットさせるパターンオーダーやイージーオーダーと呼ばれる方法で作られる。フルオーダーに比べ手軽・手頃なことから注目を集めている。中心価格帯は5~6万円。

・ 2016年、大手紳士服量販店が次々とオーダースーツサービスに乗り出した。これらのオーダースーツサービスは、既存の顧客層だけでなく、20~30歳代の若手ビジネスパーソンを対象にしており、ITを活用した仮想の試着サービスや仕立て工程などの工夫により、価格を抑えているのが特徴である。1回目は来店して採寸するが、2回目以降はスマートフォンから注文できるサービスもある(コナカ)。

・ オーダースーツは、自分にぴったりのスーツを仕立てられるという消費者にとってのメリットだけでなく、店側にも利点がある。例えば、店頭に在庫を抱える必要が無いため狭小スペースにも出店できる点や、熟練のテーラーを配置しなくてもITの活用により様々なスーツスタイルを提案できる点などが挙げられる。

・ 近年スーツ市場は、クールビズの浸透や団塊世代の退職により、2007年の3,099億円をピークに縮小傾向にある。しかしその中で、オーダースーツ市場は小さいながらも拡大している。矢野経済研究所によると、2015年度のスーツ市場は2,100億円で2年前に比べ3%減少したが、オーダースーツ市場は437億円で2年前比4%増であった。

・ オーダースーツの人気拡大の背景には、若者の好みの多様化があるとされる。インターネットを中心に様々な情報に触れることで嗜好が多様化し、若者世代の間では、ビジネススーツにも自分なりの個性やこだわりを表現したいという風潮が広がっている。紳士服各社は、就職活動用のスーツ購入以外でも若い消費者を呼び込むために、若年層向けのオーダースーツサービスに力を注いでいる。

オーダースーツサービスの展開例

・ 青山商事やAOKIホールディングス、コナカなどの大手紳士服量販店がオーダースーツサービスを始めただけでなく、紳士服専門ではないアパレルブランドのなかにも、オーダースーツを手掛け始めた例(オンワード樫山)がある。また女性向けのオーダースーツサービスを展開するブランドもある(三陽商会)。またユニクロは2016年1月、多様化する消費者のニーズに対応するために、セミオーダージャケットを扱い始めた。色のバリエーションは3種類と多くはないが、身幅と着丈を全64種類から選ぶことができ、既製品ではサイズが合わない人でもぴったりフィットするジャケットをオーダーすることができる。同素材のパンツと組み合わせることによりスーツとしての利用が可能。

・ 青山商事の例:「ユニバーサルランゲージ」

「洋服の青山」「ザ・スーツカンパニー」で知られる青山商事は、2016年2月、オーダースーツ事業に参入し、「ユニバーサルランゲージ」の名前でサービスを展開している。特徴は「バーチャルフィッティングアバターシステム」という仮想試着サービス。オーダースーツの完成イメージ、着用イメージを、タブレット上で確認することができる。

来店客の顔を撮影して3D(3次元)のアバター(仮想キャラクター)をその場で作成。好みの形のオーダースーツをタブレット端末内で“縫製”して、自分のアバターに着せて確かめられるようにするものだ。1000種類以上の生地を次々切り替えて仕上がりの違いを確かめたり、店内に並んだシャツやネクタイ、靴も実際にとっかえひっかえしたりもできる。

(引用元:日経トレンディネット|オーダースーツを爆買いする「鏡の中の私」

仮想試着システムは、「ユニバーサルランゲージ」のほか「ザ・スーツカンパニー」など、システムを導入した13店舗で利用が可能(2016年11月時点)。スーツショップの購入率は通常3~4割ほどだと言われる中、このシステムを利用した客の9割が購入に至っている。価格は、税別39,000円からで業界最低水準。今後は来店しなくてもスマートフォン上でスーツをオーダーできるアプリの提供が始められる予定。

(参考)
スーツマスター|パターンオーダースーツとは
スーツマスター|イージーオーダースーツとは
日本経済新聞|クールビズの逆風にめげず オーダーメードスーツ復活 
日経トレンディネット|紳士服大手がオーダースーツ参入、コナカは若者を狙う
日経トレンディネット|オーダースーツを爆買いする「鏡の中の私」
日経トレンディネット|iPad+VRで仮想試着 オーダースーツの新たな試み
時事ドットコムニュース|タブレットで着用姿確認=安心してスーツ注文-紳士服大手
東洋経済ONLINE|紳士服専門店が「オーダー」を強化する理由
SankeiBiz|AOKIホールディングス社長 オーダースーツ専用売り場拡大に注力 
リテールテックJAPAN|「セミオーダー」関連拡充、ユニクロのネット通販、ジャケットを採寸、実店舗へ来店促す。
UNIQLO|ユニクロ初 セミオーダー感覚で作れるメンズジャケットを発売