オリパラ教育

・ オリパラ教育とは、オリンピック・パラリンピック教育の略で、2020年大会の開催地である東京都をはじめ、全国の小中高校で展開される教育のこと。2016年4月から都内の小中高校などでスタートし、リオデジャネイロ大会が終わった2016年秋より本格的に開始された。

・ オリパラ教育は、各オリンピック・パラリンピックの組織委員会が内容を決め、国際オリンピック委員会(IOC)との連携により、展開される。東京大会に向けてのオリパラ教育の愛称・テーマは「ようい、ドン!」で、ボランティアマインドの育成、障がい者への理解促進、豊かな国際感覚の醸成などを目標にしている。

・ 2016年8月、スポーツ庁(文部科学省)は、オリパラ教育の推進に関する有識者会議の最終報告をまとめた。報告書では、オリパラ教育の目的を次のように定義している。スポーツ庁は、全国各地にオリンピック・パラリンピックのムーブメントを普及させるため、各教育委員会の取り組みを財政面で支援する方針。

オリンピック・パラリンピック教育は、オリンピック・パラリンピックを題材にして、
① スポーツの意義や価値等に対する国民の理解・関心の向上
② 障害者を含めた多くの国民の、幼少期から高齢期までの生涯を通じたスポーツへの主体的な参画(「する」、「見る」、「支える」、「調べる」、「創る」)の定着・拡大
③ 児童生徒をはじめとした若者に対する、これからの社会に求められる資質・能力等の育成
を推進することを目的としている。

(引用元:スポーツ庁|オリンピック・パラリンピック教育の推進に向けて 最終報告

・ 東京都では、上記に先立つ2016年1月に「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針を策定した。2020年の東京大会までの5年間、すべての公立学校でオリパラ教育が推進されることとなり、2016年度より年間35時間程度(週1コマ分に相当)のオリパラ教育のプログラムが導入された。東京都が推進するオリパラ教育の基本的枠組みは次の通り。

「オリパラの精神」「スポーツ」「文化」「環境」を合わせた四つのテーマと、「学ぶ」「観る」「する」「支える」の四つのアクションを組み合わせた「4×4の取組」

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|リオの次は東京!「オリパラ教育」が目指す人材育成とは

また、都はオリパラ教育によって重点的に育成する資質として次の5点を掲げている。これらの方針を踏まえ、具体的なオリパラ教育が今後展開されることとなる。

重点的に育成する五つの資質
◆ ボランティアマインド
◆ 障害者理解
◆ スポーツ志向
◆ 日本人としての自覚と誇り
◆ 豊かな国際感覚

(引用元:東京都教育委員会|「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針の概要について

・ オリパラ教育に向けては、オリパラ教育のできる教員を育成するプログラムを設置する大学も出始めた。多くの教員を養成している文教大学(埼玉)では、2016年10月より、オリンピック・パラリンピックの歴史や意義を理解し、オリパラ教育の実践方法について学ぶプログラムが始められている。

オリパラ教育の具体的内容

・ 東京都では、小学4年生以上の児童・生徒向けに、オリンピックの歴史や開催に伴う社会の変化、スポーツの意義などを学べる「オリンピック・パラリンピック学習読本」を配布したほか、映像教材、英語の授業にも活用できる英語補助教材を用意した。

・ オリパラ教育に主眼をおいた時間を特別に設けるのは、現場の負担が重くなることも懸念されるが、普段の授業で教えている内容を工夫することによってもオリパラ教育は進められる。例えば以下のようにすれば、授業で扱う内容にオリンピックの要素を意識させることができる。

時速を学ぶ小学6年生の算数で、陸上男子100メートルの世界記録9秒58を時速で計算したり、中学理科の「力の合成」を考える素材に砲丸投げを使ったりすればいい。

(引用元:dot.|日本は「五輪教育」先進国 五輪を題材に学ぶ算数とは…

・ また、給食を活用することで、子どもたちが楽しめるオリパラ教育を実践する例も報告されている。

西新宿小では清水校長の発案で、月に1度の「オリンピック・パラリンピック応援給食」を始めている。世界各国の料理を給食に取り入れ、その国について紹介、食べた料理を写真に撮って世界地図に貼っていく。
(中略)
「月に1度、普段食べないものを食べられる日がとっても楽しみ。4年後の東京オリンピックでは、外国の人ともコミュニケーションしてみたい」

(引用元:同上)

・ オリパラ教育には、学校だけでなくスポンサー企業も参加している。例えば、パラリンピックの競技の実技を通じ、競技の心構えを学ぶだけでなく、障がい者への理解を深めたり社会の多様性を学んだりするための取り組みとして、次のようなオリパラ教育が実践された。

三井不動産は4月に都内で「スポーツアカデミー for Tokyo 2020」を開始。初回は元体操選手の田中理恵さん、車いすラグビーの島川慎一選手(41)らが講師を務め、地元の中央区立常盤小学校の児童約50人が車いすラグビーのタックルなどを体験した。普段見慣れない競技の迫力を前に、「はじめはぶつかるのが怖かったけど、だんだん楽しくなってきた」と好評だった。

(引用元:NIKKEI STYLE|オリパラ教育、企業も一役 スポーツ教室や独自教材

他にも、大会運営を裏方として支えるスタッフや技術について学べる教材(パナソニック)や、あいさつや立ち居振る舞いなど「おもてなし」を学ぶ教材(大日本印刷ら)など、複数の企業がオリパラ教育の教材開発に乗り出している。

(参考)
ベネッセ教育情報サイト|リオの次は東京!「オリパラ教育」が目指す人材育成とは
日本経済新聞|オリパラ教育、全国で スポ庁会議が最終報告
スポーツ庁|オリンピック・パラリンピック教育の推進に向けて 最終報告
NIKKEI STYLE|オリパラ教育、企業も一役 スポーツ教室や独自教材
dot.|日本は「五輪教育」先進国 五輪を題材に学ぶ算数とは…
リセマム|東京都の五輪教育、H28年度より本格始動…補助教材を配布
リセマム|東京五輪教育、2016年度より都内全校で開始…有識者会議が最終提言
東京都教育委員会|「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針の概要について
大学プレスセンター|文教大学がオリンピック・パラリンピック教育プログラム講習を開催~「オリパラ教育」ができる教員の養成へ
教育新聞|都オリ・パラ教育で重点校指定 障害者理解など5視点