Π型人材とは

・ Π型(π型、パイ型)人材とは、2つ(または2つ以上)の専門分野を持ち、なおかつ専門分野以外の知識も広く、全体の調整をしたり複雑な課題を解決したりすることができる人のこと。キャリア形成の考え方のひとつ。近年、ビジネスで活躍できる人材となるためにはΠ型人材を目指すべきだと言われている。

・ Π型人材の重要性が説かれるようになる以前に、「I型人材」と「T型人材」という考え方があった。I型人材とは、1つの専門分野に秀でた人材、専門家、スペシャリストのこと。「I」の1本棒が1つの専門分野を表しており、同じ部署や職種で長年勤めている人(例:入社以来、経理一筋)や、技術職(例:1つの分野に特化したエンジニア、医師やデザイナーなど)に多い。T型人材とは、1つの専門分野に加えて幅広い知識を持っている人材のこと。Tの縦棒が1つの専門分野、上部の横棒が知識の幅広さを表している。従来は、I型ではなくT型人材が望ましいとされてきた。

・ Π型人材は、T型人材をさらに進化させた人材のことである。Πの字は、専門分野の縦棒を1本増やしたイメージで、T型人材より広く、柔軟に活躍できる人材。Π型人材は、今後の企業が獲得すべき人材、またビジネスパーソンが築くべきキャリアとして注目されている。

・ 研究開発の分野においても、I型、T型、Π型人材の表現はよく用いられる。文部科学省は、科学技術創造立国の実現に向けてどのような人材を育成すべきかについて2002年にとりまとめた提言「世界トップレベルの研究者の養成を目指して」の中で、次のように指摘している。

同提言においては、これからの研究者にとっては、自らの専門分野にいたずらに閉じ込もるような蛸壺的な専門性ではなく、周辺の専門分野や全く異なる専門分野を含む多様なものに関心を有し、既存の専門の枠にとらわれないものの見方をしながら自らの研究を行っていく能力が重要であり、一般論として、欧米のトップクラスの研究者と比較して、このような能力が日本の研究者に不足していることを指摘している。そこで、同提言では、「幅広い広い知識を基盤とした高い専門性」こそが、これからの時代の研究者に必要とされる「真の専門性」であると指摘している。こうしたことから、一つの分野の専門性にのみ秀でた「I型」の人材だけでなく、「T型」や「π型」と呼ばれるような、専門性の深さと幅広い専門性を兼ね備えた人材を育成していくことが重要であることを指摘している。

(読みやすさのため、「,」は「、」に置き換えた。下線は編集部にて付した)

(引用元:文部科学省|平成14年度 科学技術の振興に関する年次報告 第1部第1章第2節[1]  「知の創造者」としての研究者

企業がΠ型人材を育成すべき理由

・ 近年、企業はΠ型人材を育成すべきであると言われている。その主な理由は、企業はもはや単独領域だけでは競争に勝つことが難しくなっているため。事業・企業・商品としての独自性を発揮したり、課題を複数の視点から解決したりするには、Π型人材が不可欠である。

・ Π型人材が重要視される理由について、イノベーション関連コンサルティングを手掛けるINDEEは次のようにまとめている。

・専門知識だけでは、世の中の多くの人にその価値を伝えられないため
・薄く広くだけでは、真似されやすく優位性を保ちにくいため
・一つひとつの専門領域は代替技術の登場などにより廃れることもあるため
・異なるアイデアを結合(新結合)した際にイノベーションが生まれるため
・一つの専門領域を深めると、そのアナロジーを活用して応用範囲が広がるため
・科学技術の進歩とともに各専門領域は広がりを見せており、それらを統合することが困難になっているため
・多様性を増している社会に対する理解の幅と深さの両面が求められているため

(引用元:Magic Hour Blog|T型 π型

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ビジネスパーソンがΠ型人材を目指すべき理由

・ 上記のように、今後ビジネスにおいてはΠ型人材が求められるようになるので、ビジネスパーソンとしても、より強みのある人材としてΠ型人材を目指すべきだという考え方が浸透してきている。MASH代表取締役でインターネット集客、ブログメディア収益化の専門家である染谷昌利氏は次のように説明している。

単純な事例を上げると、20年も前の時代であれば英語が堪能であればそれだけで重宝されましたが、現在ではさらにIT知識や金融工学知識が求められるということですね。グローバル化によって、一つだけの強みでは生き残っていけない時代になってきたわけです。

(引用元:染谷昌利公式ブログ|研究者的なI型人材から幅広い知識と1つの深い専門性を持つT型人材、そして複数の強みを備えるΠ型人材へ

・ 理系女性のキャリアに関しアドバイスする永合由美子氏は、Π型人材の一例について次のように述べている。

たとえば、「コミュニケーション能力に優れるIT技術者」「行動力あふれる分析技術者」など。ちょっと周りを見回してもあまり見かけないですよね。これを、相反専門・π型人間と、私は名づけています。

(引用元:Notes Marche|女性のキャリア、引く手あまたの人材「パイ型」とは!?

・ また、以下のような人材もΠ型人材の一例である。

プログラマーではあるけれど、フォトショップでデザインもできる専門的スキルを持っており、且つアパレル業界や飲食業界の知識もある程度持っている人こそが、完全なπ型人材だと言えるでしょう。

(引用元:キャリアパーク!|π型人材という言葉の意味と特徴

例えばプログラマーで例えるなら、サーバーに関するプログラムとWEBページの動きに関するプログラムの両方を完璧に理解している人のことを言います。両方できれば両方の勝手がわかるので、よりクリエイティビティな仕事ができるようになります。もちろんそうなると評価されやすくなるので、収入も上がりやすいでしょう。

(引用元:同上)

(参考)
Notes Marche|女性のキャリア、引く手あまたの人材「パイ型」とは!?
キャリアパーク!|π型人材という言葉の意味と特徴
文部科学省|平成14年度 科学技術の振興に関する年次報告 第1部第1章第2節[1]  「知の創造者」としての研究者
染谷昌利公式ブログ|研究者的なI型人材から幅広い知識と1つの深い専門性を持つT型人材、そして複数の強みを備えるΠ型人材へ
Magic Hour Blog|T型 π型
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