パワーカップルとは

・ パワーカップルとは、双方ともフルタイムで働き、所得の多い夫婦。結婚・出産後も仕事を続ける女性が増えた昨今、パワーカップルという新たな言葉が誕生し、マンション・最新家電の購入や家事代行サービスの利用などによって彼らが経済を活性化させることが期待されている。

・ パワーカップルという言葉が使われはじめたきっかけは、2013年に出版された橘木俊詔・迫田さやか『夫婦格差社会 – 二極化する結婚のかたち』(中央公論新社)だと思われる。この書籍では、医師夫婦のようなパワーカップルと、夫婦ともに所得が低いウィークカップルのあいだに生じている格差などの問題が指摘されている。

・ パワーカップルに明確な定義はなく、さまざまである。世帯収入が1,400万円以上とする人もいれば、2,000万円以上とする人もいる。シンクタンク・ニッセイ基礎研究所の主任研究員として消費者行動などを研究する久我尚子氏は、共働き世帯を調査する際に「共働きで年収700万円以上の妻」を「パワーカップル妻」と仮定した。

パワーカップルに関する統計

・ 総務省の統計をもとにした内閣府男女共同参画局の分析によると、有業者の夫を持ち、自身も正規雇用されている妻の割合が増えている。2002年から2012年にかけて、どの年齢層でも増加しており、特に30~34歳では6.8%増と大きく伸びた。また同じく2012年、夫が有業者で妻も正規雇用されている場合、夫婦の所得の組合せで最も多いのが、それぞれ700~999万円の所得を得ている夫婦だった。

・ ニッセイ基礎研究所が2016年に実施した調査では、共働きの世帯全体を見た場合、妻の年収が700万円以上である割合は5.3%だった。なお、妻が正規雇用されている場合に限ると、10.4%に上昇する。

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パワーカップルに期待される消費

・ 総務省が行う全国消費実態調査を見ると、夫婦共働き世帯と世帯主のみが働いている世帯を比較した場合、共働き世帯のほうが教育に関する支出の割合が大きい。そのため久我氏は2017年4月、経団連の経済財政委員会経済政策部会において「『お受験』のための学習塾や、民間の学童保育をはじめとした教育市場が活性化している」と指摘した。

・ パワーカップルが増えたことは、家電製品の人気にも影響している。ヤマダ電機の売り場担当者は2017年4月、日本経済新聞の取材に対し、近年は大型洗濯機・大型冷蔵庫が人気で30~40代の夫婦によく買われると話した。週末に洗濯物をまとめて洗ったり、食品を一度にたくさん購入したりするからだという。久我氏も「ロボット掃除機やフードプロセッサーをはじめとした時短家電用品」「掃除や洗濯といった家事代行サービス」の消費拡大が期待されると述べた。今後、パワーカップルをターゲットにした商品開発が盛んになると思われる。

(参考)
ニッセイ基礎研究所|じわり存在感、「パワーカップル」の妻の特徴は?ー高収入妻はDINKS だけでなく、出産前後の30 代や子育て中もキャリアを積み続けた50 代のDEWKS でも多い
ニッセイ基礎研究所|「パワーカップル」世帯の動向(4)-パワーカップルの高額消費、「時間がない」を解決する消費に期待
日本経済新聞 電子版|共働き経済圏動き出す 時間節約消費が花盛り
週刊 経団連タイムス|「子育て世帯の消費動向」について聞く
内閣府|第2節 男女の就業の現状と変化
総務省統計局|2 夫婦共働き世帯の家計