プレミアムフライデーとは

・ プレミアムフライデーとは、政府や経済界が検討しているもので、個人消費を喚起するために月末の金曜日の終業時間を15時とし、空いた夕方の時間を買い物や旅行などに費やすことを促進する構想のこと。この構想があることが明らかになったのは2016年8月12日。経団連は政府に先立つ2016年10月に、プレミアムフライデーの実行計画を策定する方針。

・ プレミアムフライデーは、早い時間に退庁・退社することで、買い物や旅行に行きやすくなるであろうという発想から生まれたもの。流通業界には、商品を安売りすることで消費意欲を高めようとする「セール」には抵抗があることから、流通業界、旅行業界、外食産業などが連動してイベントを開催することで、月末の金曜夕方の消費を喚起していく計画が練られる見込み。詳細はまだ決まっておらず、今後、百貨店や小売店、旅行業者などの関係者が議論していく方針。

・ 政府は、現在約500兆円のGDPを、2020年ごろに600兆円に増やす目標を立てている。このため、賃金増加や個人消費の底上げなど様々な施策が検討されており、プレミアムフライデー構想もその一環である。経団連は、GDP600兆円の目標達成には、現在300兆円で足踏み状態にある個人消費を360兆円にまで引き上げることが必要であると見ている。

プレミアムフライデーをめぐる意見

・ プレミアムフライデー構想をめぐっては、ブログやTwitterなどでさまざまな個人的見解が展開されている。肯定的な意見では、「月末だけとはいえ早く帰ることができる」「仕事を早く終わらせようという意識が高められる」「流通・旅行・外食産業にとっては商機となるはず」といった意見。否定的な意見では、「プレミアムフライデー制度があっても、収入が増えない以上消費を増やすわけにいかない」「月末は忙しい。もともと休みすら満足に取れないのに、帰れるわけがない」「一部の公務員やサラリーマンしか恩恵を受けられない」「終業時間を早めた分の仕事はどうすればよいのか」といったような意見が見られる。

・ 経営コンサルタントの横山信弘氏は、おおむね賛成だが、ある視点からは反対との持論を述べている。

現場で不公平感が出るかもしれませんが、経済全体を考えればプラスに働く気がするため私は賛成です。「プレミアムフライデー」が企業に浸透すれば、早く帰ることができる人は早く退社できます。早く退社できない人は、そのままオフィスに居続ければよい。ただそれだけの話ですから、積極的に反対する理由が見つかりません。
(中略)
いっぽう、朝9時から夕方6時まで働かないと終わらないような仕事をしている人は、「3時になったから帰りたまえ」と言われても退社できません。
(中略)
「プレミアムフライデー」だからといって関係がない。仕事がある人は、仕事が終わるまで帰ることができないのは常識です。

(引用元:Yahoo! JAPAN ニュース|「プレミアムフライデー」に賛成するが、長時間労働が必要な若者は対象外としてほしい

・ 横山氏がプレミアムフライデーに対し一部否定的な意見を持つ理由は、上記のような常識的な理由に加え、仕事に熟練しているかどうかを踏まえて考えるべきであるという意見に基づいている。

(15時に退社するための条件は)その仕事に熟達していること。これが条件です。たとえ今月のノルマを達成していても、まだ未熟な若者であれば、時間が来たから終わりではなく、先輩の仕事を手伝うなどして、早く退社しないほうがいいでしょう。
(中略)
ちまたでは「長時間労働=悪」の構図が定着していますが、それは”規定された労働時間を超える長時間労働”が悪であるだけの話です。仕事を覚えたり、付加価値の高い仕事をこなせるようになったり、いわゆるその仕事で一人前になるには、それなりの長い時間がどうしても必要です。
(中略)
必要とされる仕事の「長時間従事」「長時間訓練」は不可欠なのです。

(引用元:)同上

・ 社会保険労務士で、長時間労働の抑制や残業削減などに長年取り組んでいる山口正博氏は、企業や従業員に対しなんら拘束力のない、いわゆる「ノー残業デー」と同様で、プレミアムフライデー制度が現場で効果を発揮するのは簡単なことではないと見ている。これに加え、山口氏は法定労働時間という法律上の視点からも、プレミアムフライデーの実現は難しいと解説している。

労働時間を減らすには、法定労働時間を減らさないとどうにもなりません。1日8時間、1週40時間、この基準が法定労働時間ですが、この時間を基準にして所定労働時間が決まりますので、法定労働時間が減らないかぎり労働時間が減ることはありません。
(中略)
金曜日は午後3時で終業とするならば、法定労働時間を2時間減らす必要があります。ただ、2時間だけ減らすだけだと、金曜日以外の日に労働時間を減らす可能性があり、金曜日は通常通り8時間勤務になる(空けた枠が他の曜日に回される)とも考えられます。ピンポイントで金曜日の勤務時間だけを減らすのが難しいと考えるのはこの点です。

(引用元:労務管理のツボを”ギュッ”と押します|プレミアムフライデーはノー残業デーと同じ運命になる。

・ 山口氏は、企業の自主性に任せるだけではプレミアムフライデーは成功しないことは明白であると主張している。月末金曜日に短縮した分の勤務時間を別の日に振り分けトータルの勤務時間を維持する制度を使うという現実的な案のほか、労働時間を減らすためには法定労働時間自体を短縮するべきだという抜本的な案も提案している。

(参考)
SankeiBiz|月末の金曜は午後3時退社 個人消費喚起へ「プレミアムフライデー」構想
Yahoo! JAPAN ニュース|「プレミアムフライデー」に賛成するが、長時間労働が必要な若者は対象外としてほしい
労務管理のツボを”ギュッ”と押します|プレミアムフライデーはノー残業デーと同じ運命になる。
日本経済新聞|GDP600兆円へ市場創出 成長戦略、ロボ・ITで産業革命
日本経済新聞|政府、最低賃金「毎年3%増」 GDP600兆円へ目標
労働法・労働トラブルあれこれ|「プレミアムフライデー」を作っただけじゃ消費が増えるわけがない
ひとりっこタイム|個人消費促進に政府・経団連が検討するプレミアムフライデー構想とは?
サラッと速報|プレミアムフライデーで銀行はどうなるか。メリットデメリットについて