プロボノとは

・ プロボノとは、社会人が、職業によって得た専門的なスキルやノウハウを生かし、ボランティアで社会貢献活動をすること。公益のために、公共善のためにという意味のラテン語「Pro bono publico」に由来する言葉である。

・ プロボノは、一般的なボランティアとは違い、仕事で得た専門技能・知識を生かして活動する。活動の主な目的は、課題解決や事業拡大などのために専門家の知見を必要とするNPOや自治体、地域社会などを、助言・実務の両面で支援すること。近年、社会貢献活動や人材育成の一環として、多くの個人や企業がプロボノに注目している。

・ プロボノで生かすことのできるスキルやノウハウは、法律、財務・経理、マーケティング、デザイン関連など様々であり、活動の仕方には例えば次のようなものが挙げられる。

・プロジェクトマネジャー
プロジェクトチームのリーダー役としてのポジション。スケジュール管理や品質管理をはじめ、メンバーのモチベーションを高めたり、支援先とのコミュニケーションを円滑に進めたり……メンバーを率いて「プロジェクト」を完了まで導きます。

・コピーライター
NPO側が用意する、WEBサイトや印刷物用の原稿を、読みやすく変身させる役割。文章の表現や見出しなどを最適なものに変え、読み手の視点でテキスト作りの手助けをします。

(引用元:マイナビニュース|活動者が増加中の「プロボノ」 一般的な“ボランティア”とどう違う?

プロボノの発祥と日本での拡大

・ プロボノは、1900年代初頭のアメリカで始まった。活動の原点は、高額な弁護士費用を支払えないアメリカの低所得者向けに、弁護士が無償で法律相談サービスを始めたこと。以後現在にかけて、プロボノの活動の担い手は、弁護士から士業(税理士や会計士など)全般、一般企業に務めるビジネスパーソンへと拡大していった。

・ 日本では、外資系企業や弁護士会などが先駆的にプロボノ活動を始め、2010年頃から活動が活発化。2010年はプロボノ元年と呼ばれ、プロボノは社会貢献活動の新たなスタイルとして知られるようになった。プロボノが世間に広く浸透したきっかけは、2011年の東日本大震災である。被災地・東北で被災者向けに弁護士が無料で法律相談を行ったり、地元企業や商店街、観光事業の復興を支援するために経営コンサルティング、IT、マーケティングなど様々な分野でプロボノが活動するようになったりして、プロボノの存在感が高まった。

・ 現在では、東日本大震災の復興支援だけでなく、NPO法人や自治体の活動を支援するなどの目的で、多くの企業や個人がプロボノ活動に関心を持ち、取り組んでいる。

daito-ec
90日でTOEIC835点、英語会議もストレスなしに。パーソナルトレーナー × 科学的トレーニングの『英語の90日』
人気記事

プロボノは近年さらに注目を集めている

・ プロボノの認知度が上がり、近年その活動の幅を広げている背景のひとつに、プロボノの活動を円滑化するマッチング団体(中間支援団体)の存在が挙げられる。一般的に、個人がプロボノ活動に参加するには、支援を必要とするNPO法人などの団体や地域と支援することを希望する個人とを仲介するマッチング団体を利用する。

・ マッチング団体の最大手が、認定NPO法人サービスグラント。支援者としてサービスグラントに登録している人の数は2009年の法人設立以降伸び続け、約3,000人にのぼる(2016年9月時点)。その仕組みは次のとおり。

サービスグラントの支援は、プロボノワーカーとNPOをマッチングして、約6カ月の「プロジェクト型助成」を提供するかたちで行われる。

サービスグラントには、ウェブ制作やデザイン、マーケティングなど、プロとしてのスキルを持つ社会人が「プロボノワーカー」として登録されている。支援を求めてきたNPOは、サービスグラントによって厳正に審査され、採択される。そのNPOの求めるニーズに合わせて、プロボノワーカー4〜6名からなるプロジェクトチームが編成され、約6カ月間のプロジェクトによって、「ホームページのリニューアル」や「印刷されたパンフレット」など、具体的な成果物を提供することで、NPOの活動を支援しているのである。

(引用元:日経BizGate|プロボノワーカーとNPOを独自のノウハウでマッチング

・ また、個人がプロボノ活動に参加することによって、その本人は本業を越えた幅広い社会参加の機会を得ることができ、自身のスキルアップにつなげることにもなる。サービスグラントが2011~2012年度に行ったアンケートによれば、プロボノ活動に参加した人の60%が、仕事に生かせる有意義な経験を得たと回答。また、視野の広がりから人間的な成長を実感したと回答した人も86%いた。プロボノが、仕事と私生活の両面でメリットをもたらす活動であることが、プロボノへの関心が高まる背景にあると言える。

・ 個人だけでなく企業も、近年プロボノへの関心を高めている。その理由について、サービスグラント代表の嵯峨生馬氏は、企業が社員にプロボノ参加を促すことで、企業が取り組む社会貢献活動の独自性を高めることになるからだ、と言う。また嵯峨氏は以下のように、プロボノ活動には高い人材育成の効果があると述べている。

嵯峨生馬代表理事は「ナマの社会課題を扱うプロボノは、つくられた教材の研修よりはるかに取り組みがいがある。企業の人材育成に貢献する可能性は大きい」とみる。

(引用元:産経ニュース|職業生かす社会貢献「プロボノ」を人材育成に活用する企業が増えている

・ 例えば、以下のような企業が社員にプロボノ活動を推奨している。

- デンソー(自動車部品メーカー)は、2016年7月から、社員をNPOに派遣し始めた。

デンソーは(中略)人材が不足しがちなNPOの事業運営を支援しつつ、社員が経験を積む場として期待している。
(中略)
募集に応じた社員12人を7月から6カ月間、障害者や子育てを支援する愛知県内の3つのNPOに派遣する。社員は勤務時間外に活動する。これまでは寄付などを通じてNPOを後押ししてきたが、より「顔」の見える支援が必要と判断した。

(引用元:日本経済新聞|広がるNPOへの社員派遣、デンソーは7月から

- インテリジェンス(人材サービス)は2016年9月より、プロボノ形式の人事研修を本格的に始めた。

引きこもりの就労支援や絶滅危惧野菜のプロデュースなど、7つのNPO法人を支援先に選定。そこが取り組む社会課題解決に向けマーケティングや営業、新商品開発といった、プロのノウハウを提供する。

グループ全体で希望者を募り、選考を経た20~40代の約40人が参加。3カ月間、終業後や週末など業務時間外に活動する。人事担当者は「文化の異なるNPO法人との“他流試合”の経験は仕事にも還元される」と期待する。

(引用元:産経ニュース|職業生かす社会貢献「プロボノ」を人材育成に活用する企業が増えている

(参考)
コトバンク|プロボノ
ZUU online|キャリアを活かして社会貢献「プロボノ」という生き方 3/19イベント開催
マイナビニュース|活動者が増加中の「プロボノ」 一般的な“ボランティア”とどう違う?
日本経済新聞|広がるNPOへの社員派遣、デンソーは7月から
産経ニュース|職業生かす社会貢献「プロボノ」を人材育成に活用する企業が増えている
NIKKEI STYLE|仕事の技で新たな社会貢献 「プロボノ」で自分磨き
日経BizGate|プロボノワーカーとNPOを独自のノウハウでマッチング
サステナブル・ブランド ジャパン|コンサルが相次ぎ「プロボノ」強化――「やる気」も向上