リファラル採用の浸透の背景

・ リファラル採用とは、社員の友人・知人などの人脈を活用した採用方法のこと。アメリカではメジャーな採用方法で、2011年の調査では、約7割の企業がリファラル採用を行っていることが明らかになっている。

・ 日本でも近年注目され始め、2015年は多くの採用関係者がリファラル採用に関心を寄せた「リファラル採用元年」だったと言われている。ある調査によると、日系企業では約10%、外資系企業では約20%の企業がリファラル採用を導入している。

・ リファラル採用が浸透してきた背景にあるのは、SNSの普及。人脈が見えやすくなったことにより、人材紹介会社や求人サイトといった有料の採用方法を取らなくても、企業が求める人材を、効率よくかつ便利に探すことができるようになった。

・ 国内外では、企業のリファラル採用をサポートするサービスが数々登場している。こうしたサービスでは、応募者と企業がそれぞれ自分の友達(または友達の友達)を探すことができたり、企業と応募者の相性を診断したりすることができる。

リファラル採用のメリット

・ リファラル採用の目的は、企業に合った人材を効率よく探すこと。リファラル採用には次のようなメリットがある。

‐ 応募者と企業のマッチング精度向上
企業についてよく知る社員が、企業風土・業務内容等にマッチしそうな友人・知人を吟味することができるため、ミスマッチが少ない。また、応募者側は、SNSで情報を得たり、友人である社員から話を聞いたりすることで、まったく見知らぬ企業に応募するよりも深く企業について知ることができる。

‐ 定着率の向上
上記のように、応募者側は入社前に企業について深く知ることができ、企業側も人材をより的確に選ぶことができるため、期待と入社後の現実との間にギャップが生まれにくく、離職率が低く抑えられる。また、応募者は、知人の勤めている企業に就職することで、職場に早くなじむことができる。

‐ 採用コストの削減
人材紹介会社や求人サイトを利用しない分、その費用をカットすることができる。企業によっては、紹介した知人・友人が入社した際、社員にボーナスを支給する制度を設けているところもあるが、求人サービスに支払う金額に比べてはるかにコストを抑えることができる。

‐ ニッチな人材、専門性の高い人材の採用
ニッチな人材や極度に専門性が高い人材の場合、求人媒体による採用では応募が集まりにくいこともあるが、リファラル採用であれば、求める分野に社員の知人がいる可能性が高く、比較的応募者が集まりやすい。
(例:データサイエンティスト、グロースハッカー、エンジニア、デザイナーなど)

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リファラル採用のデメリット

・ リファラル採用のデメリットとしては以下のような点が考えられる。

‐ 社員と知人(応募者)間の人間関係への影響

●前職のメンバーに声をかけたりすることで、前職の経営陣/上司等から想定していない評判が立つ(ことがある)
●どんどん社員紹介してもらいたいが、採用会食/社員紹介した後に選考途中で「見送り」になり、紹介者と候補者との関係性が変化してしまう(ことがある)

(引用元:Medium|リファラル採用:社員紹介で気をつけたいこと

‐ 人材の多様性の欠如(但し、程度による)

デメリットとしては、既に採用している社員の人脈を頼るので、場合によっては人材の多様性が失われてしまう、という点が挙げられます。ただ、ある程度同質的な人が集まるのは、採用上のメリットにもなりうるので、多くの場合それほど問題にならないように思います。

(引用元:まだ東京で消耗してるの?|縁故採用2.0—「リファラル・リクルーティング」とは

‐ 紹介ボーナスへの罪悪感
人によっては、知人が入社した場合に受け取る紹介ボーナスに罪悪感を感じるケースもある。

‐ 社員の退職による、新規入社者(社員の知人)のモチベーション低下
社員の紹介を受けて入社したが、もしその社員が後日退職してしまうと、新たに入社した知人の側は、心理的にネガティブな影響を受け、モチベーションが低下してしまう。

リファラル採用を実施している企業例~メルカリ

・ フリマアプリを運営する株式会社メルカリは、リファラル採用に注力しており、創業以来半数以上がリファラル採用である。求人媒体を使わずリファラル採用を行う理由を、メルカリHRグループの石黒卓弥氏は次のように語っている。

ボタン1個やエージェントに背中を押されて応募してくる方は、基本的に弊社に対してのエンゲージメントが低いんです。結果的に99%以上に不採用メールを送っているような状況だったので、これはやめようと。

(引用元:SELECK|LinkedInをどう使う? 世界に通用する人材に出会う、メルカリの採用戦略とは

「リファラル採用」がやっぱりいいなと思うのは、裏切らないなというところです。これは当たり前なんですけども。人の紹介だからみんなちゃんとした人を紹介するし、紹介されたほうもちゃんと(面接に)来ていただけているな、というのを実感しています。

(引用元:ログミー|「リファラル採用=裏切らない」メルカリの急成長を支える人事の活動

・ メルカリが行うリファラル採用の活動手法の一部として、以下のようなものが挙げられる。

‐ ミートアップイベント
1回20名ほどの少人数で行う、社内外の交流イベント。質の高い交流の場を提供することで、参加者同士の情報交換を促し、ひいては会社のブランディングや採用候補者の発見にもつなげる。

‐ 採用会食
入社可能性のある人材と社員が会食する。費用は全額会社が負担する。

‐ WantedlyやLinkedInといったビジネス系SNSの活用
メルカリはグローバルに進出している企業であり、それらのSNSのユーザーとメルカリが求める人物像がマッチしやすい。英語のできる人材がみつかる。

(参考)
NOW OR NEVER|グローバルではスタンダードな採用手法、リファラル採用が選ばれる5つの理由。
まだ東京で消耗してるの?|縁故採用2.0—「リファラル・リクルーティング」とは
LIG INC.|本当のリファラルリクルーティングとは?––「縁故」を活かして転職・キャリア採用をスムーズに
Medium|リファラル採用:社員紹介で気をつけたいこと
GLOBAL WATCH|2015年はリファラル採用元年だった?来年は社員以外への拡大がテーマに。
SELECK|LinkedInをどう使う? 世界に通用する人材に出会う、メルカリの採用戦略とは
WANTEDLY|メルカリはどうしてリファラル採用に強いの?3つのバリューとワーディングへのこだわり
ログミー|「リファラル採用=裏切らない」メルカリの急成長を支える人事の活動