製作委員会方式とは

・ 製作委員会方式とは、映画、アニメ、テレビ番組、演劇・ミュージカルなどの製作方式のひとつ。製作委員会には複数の企業が参加して製作資金を出し合い、作品の権利や損益をこれらの企業が分け合う。製作委員会の名称は、多くの場合「○○(作品名)製作委員会」とされるが、「○○プロジェクト」「○○フィルム・コミッティ」と名付けられたり、作中に登場する組織にちなんだ名前が付けられたりすることもある。

・ 製作委員会方式は、映画やアニメなどの製作方式として現在主流となっているものである。アニメ映画『風の谷のナウシカ』(1984年公開)などのヒットで有名になり、以後劇場映画製作において多く用いられるようになった。その後は、1992年に初めて製作委員会方式でつくられたテレビアニメが登場し、1995~1996年に放送された『新世紀エヴァンゲリオン』をきっかけに、テレビ作品にもこの製作方式が普及した。近年では、ドラマ・バラエティ番組などでも製作委員会方式がとられている。

製作委員会方式の目的

・ 作品をつくる際に製作委員会方式がとられるのには、いくつかの目的がある。まず大きなものが、製作会社が様々なリスクを回避できるという点。

映画製作には多額の費用がかかる(しかも近年上昇傾向にある)。ヒット作となれば利益は多大だが、不振におわれば製作費用に見合った興行成績を得られるとは限らない。かつて、一社単独で映画が製作されていた時代には、大金を費やした映画作品が失敗し、会社自体が経営危機となったり、会社内で部門を縮小・廃止するまでに追い込まれたりするケースもあった。

この点で、製作費用を複数の企業から集めれば多大なリスクを1社が抱える必要がなくなるため、多くの作品で製作委員会方式が取られるようになった。また製作会社としては、1作品あたりにかかる費用を減らすことで、製作する映画の本数やバリエーションを増やすことができるというメリットもある。

・ また、製作委員会に参加(映画に出資)してスポンサー企業となる側にとっては、作品における権利ビジネスを行うという目的がある。

製作委員会に名を連ねる企業は、テレビ局や映画会社、製作プロダクションだけでなく、広告代理店、商社、出版社、新聞社、玩具メーカー、インターネット関連企業など多岐にわたる。これらの企業は、1作品への投資を抑えながらも、作品に関する権利を活用してビジネスを行うことができる。

ここで言うビジネスとは、原作本の出版権、テレビ局での放送権、各種プロモーションに活用できるキャラクタービジネスなど。スポンサー企業はこうしたビジネスを展開しながら、同時に作品を宣伝して作品自体のヒットも目指し、相乗効果を生みだそうとする。

製作費を出資することで独占的な権利を得る製作委員会各社は利益を最大化するために、自社の媒体を使い、ヒットに向けてプロモーションをかけていく。出版社は原作本を宣伝し、テレビ局はCMや情報番組を放送し、新聞社も記事や広告に紙面を割く。もちろん、配給会社は映画館での予告編上映などを積極的に行う。そのような相乗効果で映画のヒットの確率を高めようとする。

(引用元:ZUU online|「シン・ゴジラ」大ヒットの要因、映画製作委員会の功罪

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『シン・ゴジラ』に見る、製作委員会方式のメリットとデメリット

・ 2016年に公開され大ヒットとなった映画『シン・ゴジラ』は、東宝による単独製作作品で、製作委員会方式はとられなかった(東宝は、これまでゴジラ映画はすべて単独製作している)。映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、この『シン・ゴジラ』のヒットをきっかけに、現在主流の製作委員会方式の長所・短所を踏まえたうえで、映画製作のあり方を見直してみてもよいのではないかという意見を述べている。

・ 製作委員会方式には、上記の目的に見られるように明らかなメリットがある。しかし、大高氏は、次のように言う。

製作委員会方式は、そもそものスタートから、企画にバイアスがかけられることが多いのではないかと。各企業に出資を募る以上、自ずと安全パイ路線、つまり危ない要素がある題材や、過激な中身をもつ企画は排除される。そんな気がしてならないのだ。

(引用元:ORICON STYLE|東宝“単独製作”『シン・ゴジラ』で露呈した製作委員会方式の功罪

そして大高氏は、製作委員会方式だけに頼っていては無難でそつのない娯楽作ばかりが生み出されてしまい、映画製作のマンネリ化やチャレンジ精神の退化につながる可能性があると、警鐘を鳴らしている。

・ 『シン・ゴジラ』は、大災害や軍事的な緊急事態を想起させるストーリーであったことから、製作委員会方式では作ることができなかった=単独製作の道を選んだと言うことができる。大高氏の分析は、製作方式に焦点を当てて映画製作のあり方に関する問題を提起したものとして、賛否両論を呼び話題となった。

(参考)
Wikipedia|製作委員会方式
ORICON STYLE|東宝“単独製作”『シン・ゴジラ』で露呈した製作委員会方式の功罪
ZUU online|「シン・ゴジラ」大ヒットの要因、映画製作委員会の功罪
Yahoo!ニュース|「映画製作委員会」の現状と未来
東宝株式会社|製作委員会
ORICON STYLE|“ゴジラで話題 製作委は悪者か”記事についての返答
Yahoo!ニュース|製作委員会方式を議論するなら映画ビジネスがどれだけリスキーか知っておこう