セカイ系とは

・ セカイ系とは、マンガやアニメ、ゲーム、ライトノベルなどに見られる、物語の類型のひとつ。セカイ系の定義は明確には定まっていないが、多くの識者がその定義について様々な見解を出しており、インターネット上や出版、また社会学やサブカルチャー論などで、広く使われている言葉である。一般的な「世界」とは違うため、「セカイ」と表記されている。

・ 1995年に放送されたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の影響を受けた作品、つまり「エヴァっぽい」と言われる作品がセカイ系に当てはまる。セカイ系という言葉は、2002年にインターネット上で初めて使われたと言われている。当初この言葉は、セカイ系作品を揶揄するものとして使われていたが、その後インターネットを飛び出して揶揄する意味合いも越え、ある共通の特徴をもつ作品群を表す言葉として、広く使われるようになった。

・ セカイ系の定義は明確になっていないため、いくつか説明を紹介する。まず、『セカイ系とは何か』(2010年、ソフトバンククリエイティブ)の著書がある評論家・前島賢氏は、セカイ系を次のように説明している。

「『新世紀エヴァンゲリオン』の影響を受け、1990年代後半からゼロ年代に作られた、巨大ロボットや戦闘美少女、探偵など、おたく文化と親和性の高い要素やジャンルコードを作中に導入したうえで、若者(特に男性)の自意識を描写する作品群」

(ゼロ年代とは2000~2009年のこと)
(引用元:Wikipedia|セカイ系

「きみとぼくの関係性が社会を抜きにして世界の運命と直結する」――たとえば少年と少女の恋愛が成就するか否かで世界が滅亡するかどうか決まる――ような作品

(引用元:ビジネス+IT|【前島 賢氏インタビュー】「セカイ系」を通して見えてくる世界とは何か?

・ また、セカイ系という言葉が活字でも広まり始めた2004年以降に、評論家の東浩紀氏らが示した解釈によれば、セカイ系とは次のようなものである。

「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」
(中略)
「自意識過剰な主人公が、世界や社会のイメージをもてないまま思弁的かつ直感的に『世界の果て』とつながってしまうような想像力」で成立している作品である

(引用元:Wikipedia|セカイ系

セカイ系のストーリーの特徴と、旗手・新海誠監督の作風の変化

・ 上記の定義にある通り、セカイ系の物語では、主人公とヒロイン間の関係性と、世界の危機との間には、本来あるはずの社会的な問題や主人公周辺の具体的な描写は存在しない。例えば、セカイ系作品の代表のひとつとして挙げられるアニメ『ほしのこえ』(2002年、新海誠監督)は次のようなストーリーになっている。

「ほしのこえ」では、同じ高校に行きたいと願う、中学3年生男女の淡い恋心を描いているのだが、少女が、異生命体の脅威に立ち向かう国連宇宙軍のロボットに乗るメンバーに選ばれ、何光年も離れた場所で異生命体と戦うことになる。
この物語は、離ればなれで、なかなか連絡の取れない2人のやりとりと心境が中心に描かれているが、なぜ普通の中学3年生の少女が、どのような経緯で、国連宇宙軍に選ばれることになったのか、家族や彼女の周辺の状況はどうだったのか、などといった点については、全く触れられていない。

(引用元:コトバンク|セカイ系

・ 『ほしのこえ』を監督したアニメーション作家・映画監督の新海誠氏は、セカイ系作品の旗手と言われるが、2013年公開の『言の葉の庭』、2016年8月に公開された話題の映画『君の名は。』には、新海氏の作風の変化が表れている。新海氏は、セカイ系では排除される社会を最近の作品では描くようになっている。例えば、『言の葉の庭』という作品には学校という社会が登場し、『君の名は。』では、日常生活とファンタジックな設定を唐突ではなく自然に結び付けて描かれている。こうした意味で、特に『君の名は。』は新海監督の新境地を切り開いた作品だと評価されている。

(参考)
コトバンク|セカイ系
Wikipedia|セカイ系
ビジネス+IT|【前島 賢氏インタビュー】「セカイ系」を通して見えてくる世界とは何か?
日経トレンディネット|トレンディネットが厳選&解説~はてなダイアリーキーワード発~2008年注目の現代用語 10
KAI-YOU|『君の名は。』新海誠インタビュー後編 震災以降の物語/『シン・ゴジラ』との共時性?
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