セルフパブリッシングとは

・ セルフパブリッシング(自己出版)とは、著者が出版社を介さずに書籍を制作し、出版すること。従来から知られていた「自費出版」に比べて販売方法の幅が広く、著者の金銭的負担が少ない。出版社との契約などの制約を受けづらく、アマチュアでも書籍を流通に乗せられるという利点があるため、セルフパブリッシングは新たな出版方法として徐々に知られつつある。

・ セルフパブリッシングは、書籍の販売によって利益を生み出すだけでなく、「自分の本を作ってみたい」という憧れを叶える手段でもある。文芸誌『ダ・ヴィンチ』2014年7月号に掲載された記事によれば、読者アンケートの設問「死ぬまでに1冊は本を出してみたいと思うか? 」に対し、76%の人が「はい」と答えた。文芸誌の読者だからこそ、書籍制作への意欲が強いと思われるが、メディア事業を手がける株式会社インプレスR&Dが2012年に行ったアンケートの「本を書いてみたいとおもったことはありますか?」という問いに対し、「はい」と回答した人は、「一般層」と呼ばれる人でも38.4%いた。

セルフパブリッシングを支援するサービス

・ セルフパブリッシングの拡大は、電子書籍の普及と関係がある。2012年、アマゾン・ジャパンは電子書籍販売サービス「Kindleストア」と同時に、「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)をスタートした。書籍のデータを用意すれば、KDPを通して電子書籍化し、世界中のKindleストアで販売することができる。著者は作品の著作権を保持し、売上から最大で70%ものロイヤリティを得ることができる。

・ セルフパブリッシングの方法としては、「プリントオンデマンド」(POD)もある。販売したい書籍のデータをKDPなどに登録しておくと、読者から注文を受けるたびに必要な数だけ印刷され、読者に配送される。在庫を抱えるリスクがなく、著者が事前に印刷費を支払う必要もないのが大きなメリットだ。

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セルフパブリッシングに関する意見

・ プロのブロガーとして著名なイケダハヤト氏は、2017年10月時点で20種類以上の電子書籍をKindle上で販売している。しかし、イケダハヤト氏によれば「電子書籍のセルフパブリッシングは儲からない」のだという。漫画形式ならば売上が増えやすいものの、「一般的なテキストコンテンツの場合は、1,000部も出ればベストセラーといってもおかしくない」とイケダハヤト氏は述べた。

・ セルフパブリッシングの成功者としては、漫画家の鈴木みそ氏が知られている。鈴木氏は、2010年から2012年にかけて単行本が発売された漫画シリーズ『限界集落温泉』を、あらためてKDP上で販売した。単行本よりも電子書籍の価格を安く設定した、KDPに注目が集まっていたなどの理由で、『限界集落温泉』はKindleストアのランキングで1位を獲得。2013年の売上利益が1,000万円に達したことで知られている。しかし鈴木氏は、当時の成功を「まだ競争する相手が少なかった」と振り返り、大手出版社が電子書籍のセールを大々的に展開する現況では「個人で出しても、どのくらい見てもらえるのか、という心配」があると語った。

本屋さんに喩えれば、軒先で人気作・話題作が期間限定セールになっていて、みんなそこでまとめ買いしているようなイメージ。奥の棚にまで辿りつかないですよね。そんななか、これからどうやってキャンペーンをするか? 僕はこれからの個人出版の大きな悩みになるんじゃないかと思いますね

(引用元:ASCII.jp|アマゾンで年間利益1000万円の衝撃――鈴木みそさんの場合

(参考)
Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング|はじめに
INTERNET Watch|“一人出版社”を5万円で開設できる新サービス、Amazon.co.jpで紙の書籍をPOD販売可能
インプレス R&D|「セルフ出版」に関する意識調査 4割弱の人が「本を書きたい」とおもったことあり 先進ユーザー層では6割以上
ダ・ヴィンチニュース|4人に3人は本を書きたい!? 出版したいなら“スキマ”を狙え!
ダ・ヴィンチニュース|【第3回】「セルフパブリッシング」って儲かるの?――『限界集落(ギリギリ)温泉』の著者・鈴木みそさんに聞いてみた!
まだ労働で消耗してるの?|500冊売っても1.5万円。電子書籍のセルフパブリッシングは儲からないですよ
ASCII.jp|アマゾンで年間利益1000万円の衝撃――鈴木みそさんの場合