言葉の由来、注目の背景

・ セレンディピティという言葉は、『セレンディップの3人の王子』という寓話に感銘を受けた18世紀のイギリスの作家ホレス・ウォルポールによって作られた。この寓話では、旅をしていた3人のセレンディップ(現在のスリランカ)の王子たちが、その道中いくつもの意外な出来事に遭遇する度、もともと探していなかった別のものを発見する。ウォルポールがそうした発見を「セレンディピティ」と呼び友人への書簡に書いたのが、セレンディピティという言葉の初出である。

・ 偶然の発見、意外な物事からの発見が、新商品や新規事業の開発、イノベーション、起業とって大切であるとして、ビジネスでも注目されている。ビジネスパーソン向けに、セレンディピティをつかむコツやセレンディピティを得るための姿勢などを解説した記事や書籍が多く出ている。

セレンディピティの具体例

・ 科学におけるセレンディピティの事例:ペニシリン

1928年、イギリスの細菌学者フレミングが、ある目的でブドウ球菌の培養を行っていたところ、培養していたシャーレにアオカビの胞子が入り込み繁殖してしまった。そのアオカビの周りにブドウ球菌がないことに気付いたフレミングは、アオカビが抗菌物質を作っているのではないかと気付き、抗生物質ペニシリンを発見するに至った。

・ ビジネスにおけるセレンディピティの事例:ポスト・イット®

1969年、スリーエムの研究員が強力な接着剤の研究をしていたところ、失敗作の中に、よくくっつくが簡単にはがれる接着剤があった。その5年後、別の研究員が失敗作の接着剤をしおりとして活用することを思い付いた。こうしてポスト・イット®が誕生し、1980年に世界初の糊つきふせんとして全米で発売された。

・ 日常におけるセレンディピティ(例)

ランチタイム、同じ職場のAとBが「今日のランチはイタリアンにしよう」と話しながら、会社の近くの飲食店街へ。目当てのイタリアンレストランに到着する直前で、1本入る小道に小さな看板を発見。そこには「気まぐれ営業。たまらなく美味しいオムライス専門店」とあり、気になってお店に行ってみると、注文して出てきたオムライスは本当に絶品だった。

A:「おいしかった~。今日のランチ、まさにセレンディピティだったね」
B:「うん。気まぐれ営業らしいし、小さな看板だから今まで気づかなかったけど、偶然いいお店見つけてよかったね」

(参考)
コトバンク|デジタル大辞泉 セレンディピティー
Wikipedia|セレンディピティ
三菱UFJリサーチ&コンサルティング|セレンディピティとMOT
STUDY HACKER|偉大な発見のスタートはセレンディピティにあった! 幸運や新しい発想を引き寄せる
オフィネット最新情報ブログ|失敗作の接着剤から生まれたポスト・イット