新3Kとは

・ 新3Kとは、従来の3K「きつい・汚い・危険」に代わる、「給料・休日・希望」という新たなスローガン。特に建設業に関して使われ、新3Kの実現を目指して徐々に労働環境の改善が進められている。

・ 新3Kが提唱されたのは、2015年。太田昭宏・国土交通大臣(当時)と日本経済団体連合会が懇談会をもった折、太田大臣が建設業の人材確保に向けて「新3Kを与えていく産業にしていくことで意見が一致した」と発言し、労働環境の改善のため経団連と連携する方針を明らかにした。

新3Kが提唱された背景

・ 新3Kが提唱された背景には、建設業における労働力不足がある。厚生労働省の調査によると、2017年8月の有効求人倍率(常用、パート含)は平均で1.35倍だったが、「建築・土木・測量技術者」は5.16倍という状況だった。

・ 建設業に労働力が集まらない理由のひとつには、他産業と比べて労働時間が長いことがある。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2016年の月間実労働時間は平均で143.7時間だったが、建設業は171.3時間と、調査対象となった産業のなかで最も長かった。2020年東京五輪メインスタジアムの建設現場監督が、2017年3月に失踪し、遺体と遺書が発見された事件に関しては、失踪前の1カ月間に211時間56分もの残業があったと認定され、建設業の過酷さが浮き彫りとなった。

・ また、建設業に従事する人の賃金は、他業種に比べて高くない。厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、2016年の賃金平均は304万円だったが、建設業は297.2万円だった。

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3Kを意識した取り組み

・ 上記のような理由から建設業を敬遠する人が多いと思われ、労働力が集まりづらかったことから、従来の3Kの印象を払拭して新3Kの実現にいたるため、労働環境を改善する取り組みが行われている。2016年、国土交通省から土木工事を受注した建設業者に対し、水洗機能つき洋式仮設トイレを作業現場に設置することが義務づけられた。労働環境を快適にし、従来の3Kのひとつである「汚い」要素を減らすことで、人材の定着をはかる。

・ 新3Kのひとつ「休日」に関しては、週休2日制が定着するよう、日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)が「統一土曜閉所運動」に取り組んでいる。毎年6月と11月の第2土曜を閉所日と定め、建設業従事者が休日をとることへの理解を促す運動だ。2017年6月の第2土曜日については、「完全閉所率」が55.2%で、前年より3.6ポイント増えたという。

(参考)
Yahoo!ニュース|建設現場の「新3K」って何? 深刻な人手不足の打開策になるのか
ZUU online|建設現場に新3K(給与、休暇、希望) 「i-Construction」とは?
日刊建設工業新聞|太田昭宏国交相/経団連と懇談/給料・休日・希望の新3Kを
日刊建設工業新聞|6月統一土曜閉所ー2年連続で過去最高更新/日建協、自治体に情報交換要請
日本の人事部|3K労働
毎日新聞|建設現場に洋式トイレ義務化 女性も快適に
厚生労働省|一般職業紹介状況(平成29年8月分)について
厚生労働省|毎月勤労統計調査 平成28年分結果確報
厚生労働省|平成28年賃金構造基本統計調査 結果の概況
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