出国税とは

・ 出国税とは、日本から出国する人に課される税金。1人1,000円で、2019年度からの導入が目指されている。2017年10月、出国税の導入について各メディアが報じると、インターネット上で多くの人が反発を表明した。28日にYahoo!ニュースで配信された記事「『出国税』千円、日本人も対象 政府方針、19年度から」には、11月1日までに4,000件以上ものコメントが寄せられている。

・ Yahoo!ニュースに寄せられたコメントのなかには、「取りやすいところから取っていくって考え」「国会議員の給与削減を考える事の方が先」と、新たな税の創設に怒りを表明する声のほか、「新たな課税対象案を出す時に、税収の明確な使い方を示すべき」「観光庁の予算を大幅に上回る」と指摘する意見もあった。日本政府観光局(JNTO)の統計によれば、2016年の訪日外客数と出国日本人を合わせた数は約4,100万人。1,000円ずつ徴収すれば、出国税による税収は約410億円にのぼる。なお、観光庁の2017年度予算は約210億円だった。

なぜ出国税が必要なのか

・ 政府は「観光立国」の実現に向け、訪日外国人(インバウンド)を増やす方策を打ち立てている。ホテル不足を補う民泊の営業について定めた民泊新法の成立や、ビザの発給要件緩和はその一環だ。訪日外国人は今後、さらに増加するとみられ、観光需要に対して「高次元の観光施策」を実行するため、財源が必要だという。そこで考案されたのが出国税だった。

・ 財源について検討するため、2017年9月に「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」が設置され、10月までに6回の会合が開かれるというハイペースで議論が行われてきた。第1回で使用された資料は、諸外国における財源確保の選択肢として「出入国」「航空旅行」「宿泊」を紹介。このうち、出国税につながる「出入国」については、「渡航費用が上昇することによる訪日需要への影響」および「全体の約4割を占める日本人出国者の受益」が課題とされた。

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出国税に関する議論

・ 「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」の第2回以降は、観光に関する徴税について関係業界からのヒアリングが行われた。出入国や航空旅行にともなって発生する税に関し、航空業界からは「被徴収者の公平感と納得感が重要」「日本人及び日本居住者に対しては、1,000円前後でも需要減は避けられない」などの慎重な意見が聞かれた。

・ 「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」による検討の結果、中間とりまとめ案の概要には、以下のように記された。このような観点に基づき、出国税の制度設計が行われようとしている。

・ 財源確保の手法は、幅広い観光施策の性質にかんがみ、租税方式が適切ではないか。
・受益との関係やヒアリング結果等を踏まえ「出入国」に負担を求めるのであれば、諸外国の事例に倣い出国時に負担を求めることが妥当ではないか。

(引用元:観光庁|中間とりまとめ(案)の概要

(参考)
観光庁|次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会
観光庁|観光庁予算
Yahoo!ニュース|「出国税」千円、日本人も対象 政府方針、19年度から
毎日新聞|出国税19年度導入へ 1人1000円 日本人も
SankeiBiz|「出国税」に残る疑問、受益の小ささ指摘 納税の利益得られない日本人も
トラベル Watch|JATA、「出国税」について観光庁からのヒアリングに回答。「定額制で訪日外国人旅行者を対象に」
日本政府観光局(JNTO)|訪日外客統計の集計・発表
外務省|中国人に対するビザ発給要件の緩和