送料自由とは

・ 送料自由とは、ファッション用品の通販サイト「ZOZOTOWN」が2017年10月1日に始めたサービス。注文にかかる送料を、0円~3,000円の範囲でユーザーが設定することができる。斬新な試みだとして、送料自由は多くの人に注目されている。

・ 「ZOZOTOWN」の公式発表によれば、送料は「お客様のご都合やお気持ちに合わせご自由に設定」できるという。「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイの代表取締役・前澤友作氏は、Twitter上で送料自由を発表する際、「自由に価格を決めていただくことで、運ぶ人と受け取る人との間に、気持ちの交換が生まれれば素敵だなと思います」と発言。このツイートには1日でおよそ1万回の「いいね」がつけられた。

送料自由への反応

・ 送料自由のサービスについては、10月2日時点で公表されている情報が少なく、「払った送料の金額がどこに行くのかが気になる」「どういう意図でやってるのか」「なんか怖い」など、疑問や不安を抱いている人がSNS上で見られる。前述した前澤氏のツイートには、「0円にした場合、運送会社には全く払われないということですか?」「これはZOZOTOWNの売り上げになるのですか?運送会社の売り上げになるのですか??」といったリプライが次々につけられた。このような疑問点に関して「キャリコネニュース」がスタートトゥデイに取材したところ、「配送会社との詳細な契約については答えられない」「送料が下振れした場合のマイナス分は、弊社で負担します」との回答があった。また、ユーザーの設定した送料が配送経費を上回った場合、未定ではあるが「なんらかの形でお客様に還元」する考えがあるという。

・ 送料自由という新サービスについては、賛否両論の声が上がっている。「配達される側の気持ちが初心に戻れる良いアイデア」「宅配ドライバーへのリスペクトの気持ちを、送料を払うことで伝えていきたい」と肯定的な意見を発信する人がいる一方、「送料を決めるという作業が増えるのがイヤ」「なんで客に『無駄な罪悪感』を持たせようとするの」と嫌がる人もいる。

・ 送料自由を「上手なマーケティング」「ニュースで取り上げられて良い宣伝」と分析する人もいる。高級果物を扱う通販サイト「肥後庵」を運営する黒坂岳央氏は、宅配業者にもユーザーにも送料自由のメリットはないが、「ZOZOTOWN」にとっては「無料でできるとてつもない広告宣伝効果がある」との考えを表明している。

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送料自由サービス導入の背景

・ 送料自由というサービスが「ZOZOTOWN」に導入された背景には、昨今マスメディアで取り上げられている、物流業界の過酷な労働環境があると推測できる。毎日新聞の報道によると、宅配便最大手のヤマト運輸が2016年に取り扱った荷物の数は約18億7,000万個にのぼり、過去最多だった。配達員1人が1日に配達しなければならない荷物も増えているとみられる。2017年には、ヤマト運輸で多くのサービス残業があったと発覚し、およそ230億円の未払い残業代が約59,000人に支払われた。

・ 物流業界の上記のような状態に対し、社会の関心は高まりつつある。2017年9月、ファッション通販サイト「ロコンド」が、商品の発送を遅らせるかわりに送料を値引く配送方法「急ぎません。便」を導入したところ、配達員の忙しさを考慮するユーザーから一定の反響があった。「ZOZOTOWN」の送料自由という実験的なサービスも、どのように利用されるのか関心を集めている。

(参考)
ZOZOTOWN|【送料自由】送料はお客様が自由にお決めください
Twitter|Yusaku Maezawa 前澤友作
Twitter|送料自由
Yahoo!ニュース|ユーザーが送料を決める!? 「ゾゾタウン」が“送料自由”を試験導入
高級果物ギフト「水菓子 肥後庵」ギフトの達人養成講座|ゾゾタウン「送料自由」の狙いをEC事業者の立場で語る
キャリコネニュース|ZOZOTOWN送料「自由化」開始 送料収入がアップしたら「なんらかの形でお客様に還元」
Study Hacker|急ぎません。便
毎日新聞|荷物18.7億個 16年度、通販普及で過去最高