スペースデブリとは

・ スペースデブリとは、地球軌道上を漂っている、使われなくなった人工衛星やロケットなど、およびそれらの破片。宇宙ゴミとも呼ばれる。地球の周囲には、およそ5兆8,000億個のスペースデブリが漂っているといわれ、宇宙活動の妨げとなっている。スペースデブリは、高度2,000km以下の低軌道において秒速7km以上で移動しているため、10cm以下の小さなスペースデブリでも、人工衛星や宇宙ステーションに衝突すれば大きな被害をもたらし、故障の原因となる。

・ 日本は宇宙開発の一環としてスペースデブリ対策に関与している。2016年12月、日本が開発した無人宇宙船「こうのとり」6号機は、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資の補給を行った。その後、こうのとりはスペースデブリ除去実証実験「KITE」を行う予定だったが、部品の不具合により実験は中断された。

スペースデブリによる問題

・ スペースデブリは、人工衛星や宇宙ステーションが故障する原因となるだけでなく、宇宙で活動する人の命にも危険を及ぼす。たとえば、ISSに直径1cm以上のスペースデブリが衝突すると、ISSの外壁に穴が空き、空気がもれる可能性がある。この場合、すぐに別の部屋に避難してハッチを閉じ、後ほど船外修理を行うことによって解決する。

・ 人間が宇宙へ進出するようになって以降、人工衛星の破壊実験を行ったり、不要になった器具を宇宙に投棄したりすることで、スペースデブリは増加の一途をたどっている。さらに、スペースデブリ同士が衝突することによって分裂・拡散し、スペースデブリが無限増殖する現象が起こっているとされ、「ケスラーシンドローム」と呼ばれている。このため、スペースデブリを産まないようにするだけではなく、今あるスペースデブリを除去することも喫緊の課題となっている。

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スペースデブリへの対策

・ 宇宙での活動を円滑に行うには、スペースデブリ対策は必須である。日本の宇宙航空研究開発機構・研究開発部門では、スペースデブリ問題の解決を目的とした総合的な研究を行っている。たとえばスペースデブリの動きを把握するため、光学望遠鏡による観察や、スペースデブリを望遠鏡の画像から自動的に検出するソフトウェアの開発をすることで、安全な宇宙活動に貢献している。

・ また、上述した「KITE」実験で検証される予定であった方法は、スペースデブリを除去する技術の最先端である。この方法においては、こうのとりから700m級のワイヤー「導電性テザー」をスペースデブリに伸ばし、ワイヤーに電流を流すことでスペースデブリの速度を落として大気圏に落下させ、燃焼させる。この方法ならば、時間はかかるが少ない電力でスペースデブリを処理できるとされる。

・ このように、スペースデブリを減らす計画については見通しが立っているものの、時間とコストがかかるため、スペースデブリをこれ以上増やさないことに重点が置かれるべきである。人間の宇宙活動に関しては、国際的な法整備が進められている最中であり、国益の対立を超えて各国が協調することが求められている。

(参考)
宇宙航空研究開発機構|スペースデブリ対策の研究
宇宙航空研究開発機構|「こうのとり」6号機(HTV6)ミッション
宇宙航空研究開発機構|宇宙環境と宇宙での活動
宇宙航空研究開発機構|導電性テザー(EDT)
IDEA OSG 1|スペースデブリ
宇宙兄弟 Official Web|宇宙掃除
ワックグループ|スペースデブリの脅威 深刻化する宇宙ごみ問題
外務省|Vol.85 宇宙ゴミを減らせ!~国際的な宇宙空間の利用とルール作り
毎日新聞|宇宙ごみ、電流使い除去実験 JAXA、今秋にも 減速させ落下目指す
宇宙情報センター|軌道の種類
sorae.jp|宇宙ゴミ除去「KITE」テザー伸展に失敗 電流を流す原理の確認には成功
sorae.jp|こうのとり 宇宙ゴミ除去「KITE」実験中断との報道 ワイヤー打ち出しに失敗か