STEM教育とは

・ STEM(ステム)教育とは、理工系人材を育成するための教育モデル。STEMとはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をつなげたもの。世界中の初等教育から高等教育までの広い範囲で、理数系分野に重点を置く教育として取り組まれている。

・ STEM教育の目的は、子どものうちから理工系分野に親しむ環境を整備することで、子どもたちのテクノロジーに対する理解を深め、将来イノベーションを起こすことのできる人材を育成すること。今後、エンジニアや研究者などSTEM関連の人材不足が深刻になると言われる中、STEM教育はそれぞれの国の技術競争力を強化し、テクノロジー全体を発展させることを目的としている。

・ STEM教育では、理工系の知識を得るだけでなく、それらの知識を活用して問題を解決する力を養うことを重視している。株式会社NTTデータの資料によれば、STEM教育では例えば以下のようなことを学ぶ。

例えば、ロボットプログラミングを通して、ロボットにはどんな部品や構造が必要で、どうプログラミングをすればよいか、なぜ動かないのか、どんなロボットをデザインするかを、試行錯誤しながら学びます。また、この点で、3Dプリンターや電子工作により、自らつくりたいものをデザインして形にするデジタルファブリケーションは、STEM教育の中核を成していると言えるでしょう。

(引用元:NTT DATA|科学技術人材の育成を推進するSTEM教育

海外におけるSTEM教育

・ STEMという言葉は、1990年代にアメリカ国立科学財団が使い始めたSMETに由来する(その後2003年頃にSTEMという呼び方に切り替わった)。アメリカではSTEM教育は、理工系分野、テクノロジーに精通した人材を育成し、世界での競争力を高めるための国家戦略として位置付けられている。オバマ大統領は2012年に、今後10年でSTEM人材を100万人増やすという目標を掲げ、STEM教育の推進に取り組んでいる。

・ また、EU諸国や中東、インド、オーストラリア、カナダなど、世界各国でSTEM教育が推進されている。例えばEU加盟各国は、連携してSTEM教育の授業方法を研究したり、STEM分野への参画が少ないと言われる女子学生がよりSTEM分野を進路として選ぶよう、キャンペーンを行ったりしている。

・ STEM教育が特に進んでいる国としてシンガポールが挙げられる。教育立国であるシンガポールは従来から理数系科目の教育に重点を置いてきたが、近年では日本の中等教育に相当するセカンダリースクールでSTEM教育を義務化する動きが広まっており、一部の小学校にもSTEM教育が導入され始めている。

・ シンガポールでは、身の回りのSTEM的課題に取り組む形でSTEM教育が行われる。その目的は、STEM分野を学ぶ目的を身をもって理解するため。アジアを中心にSTEM教育に取り組む石原正雄氏とSTEM教育専門企業のKris Tay氏へのインタビュー資料によると、シンガポールのSTEM教育は次のように行われている。

例えば、健康科学&テクノロジーのプログラム。生徒たちは基礎電子工学、コンピュータープログラミング、マイコン技術を学んだ後、実際に脈拍数のデータを収集・分析するデジタル心拍センサーを制作します。この過程で、学んだ知識や技術がどのように実社会に貢献するのかを、身を以て理解することができるのです。

だから生徒たちは、自分たちが学んでいることの意味を意識しながら学習できる。このように「何のためにSTEMを学ぶのか?」「身につけた知識は社会の中でどのように活きるのか?」をハッキリさせることは、学習に対するモチベーションにつながると思います。

(引用元:SHINGA FARM|日本の20年先を行く! シンガポールのSTEM教育とは?【後編】シンガポールのSTEM教育の実状

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日本におけるSTEM教育

・ 日本のSTEM教育は、世界各国に比べ遅れていると言われている。2014年に、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議や「世界最先端IT国家創造宣言」の閣議決定でSTEM教育が取り上げられたものの、目立った成果はまだ出ていない。

・ 日本では従来、STEMの4要素は、統合的にではなく個々の分野でそれぞれに教えられてきた。そのため、STEM系の知識を総合的に活用できる人材が少ないと言われている。理数系の学力で見れば、世界に比べ日本が劣っているわけではない。OECDが2012年に実施した学習到達度調査によれば、日本の15歳生徒の科学的応用力は4位、数学的応用力は7位だった。しかし、近年では、中学生以上の若者が徐々に理科離れしていることも、調査から明らかになっている。これらの事情から、テクノロジー分野における日本の国際的競争力を高めるために、国内でのSTEM人材の育成が急務であると考えられている。

・ 近年特に大学などで、テクノロジーやビジネスの現場で活躍できる理工系人材を育成するべく、STEM教育手法の研究が実践を交えながら進められている。一例として埼玉大学は、STEM教育の体系化を進める研究開発を行う「STEM教育研究センター」を設置。同センターが行っている「ロボットと未来研究会」では、地元の小学生がロボット作りやプログラミングに親しめる機会を提供するだけでなく、若者の理科離れに焦点を当てた教員育成にも取り組んでいる。

(ロボットと未来研究会の目的の一つは)小中学校などでSTEM教育を施せる教員の育成。研究会で先生役を務めているのは教育学部の学生だ。

STEM教育研究センター代表の野村泰朗准教授は「理科離れの原因は先生側にもある。食わず嫌いを払拭してほしい」と話す。教師を志す学生が子どもとプログラミングやモノ作りを学び、STEMへの苦手意識を払拭する。実際、在学中に研究会に参加した卒業生の中には、勤務先の学校で同様の活動を続けているケースもある。

(引用元:日本経済新聞|STEM(科学・技術・工学・数学)ビジネスに生かす人材育て

(参考)
日本経済新聞|STEMとは
日本経済新聞|STEM(科学・技術・工学・数学)ビジネスに生かす人材育て
Wikipedia|STEM教育
マイナビニュース|次世代のITビジネスを握るSTEM教育に積極的な海外、日本での対応はいかに?
リセマム|STEMとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
NTT DATA|科学技術人材の育成を推進するSTEM教育
SHINGA FARM|日本の20年先を行く!シンガポールのSTEM教育とは?【前編】理数教育を重視してきたシンガポールの国家戦略!
SHINGA FARM|日本の20年先を行く! シンガポールのSTEM教育とは?【後編】シンガポールのSTEM教育の実状
STEM教育研究センター|ロボットと未来研究会
日経テクノロジーonline|日本を支える未来のエンジニア、どう育てるか